もとやま礼子

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もとやま 礼子(もとやま れいこ、1948年2月16日[1] - )は、日本漫画家鳥取県出身。女性。代表作に『やったぜ!墓場グループ』、『ダンプママ巴御前』、『先生にしつもーん』など。

来歴・作風[編集]

島根県生まれで、神戸で育つ。桑田次郎の『まぼろし探偵』や水野英子の『星のたてごと』が好きで、小学校5年の頃から漫画を自分でも描き始める。その後、就職するが、過去の原稿を見返して、再度挑戦することを決意し、当時大阪在住であった矢代まさこのアシスタントをしながら、懸賞に応募する。さらにその後、矢代まさこの引っ越しの手伝いに来た山上たつひこと出会い[2]、そのことがきっかけで、『ごん』で『少年たちに栄光あれ』でデビューする[1]

1968年、『COM』9月号に『白い影』を発表。全篇吹き出しなしの作品で、封建時代に引き離された二人の男女の悲劇を描く。この作品で「第12回青春・実験まんがコース・月例新人入選作」を受賞。作者の意図としては、大人になった女性が、今でも少女だった自分に出会うことがある、ということを心理的に描いたものだという[3]

1970年、『ファニー』1号から17号にかけて『風光る朝』(原作:神保史郎)を連載。同年上京し、つのだじろうプロダクションに7ヶ月間所属する。さらに『女学生の友』・『少女コミック増刊フラワー』を経て、1974年から『別冊少女コミック』に『墓場グループ』シリーズ・『巴御前』シリーズ・『くりくり先生』シリーズなどを発表。1976年『週刊少女コミック』に『先生にしつもーん』を連載する[1]

漫画を通じて「いろいろな人の生きているありさま」を描くことが目標だと述べている[2]。シリーズものは例外として、同じ人間は一人も描いていないという[3]。少女漫画としてはやや劇画調の絵であり、コミカルな作品が多い。

単行本リスト[編集]

※ 特筆なきものは『フラワーコミックス』(小学館)。

  • やったぜ!墓場グループ ISBN 978-4091302410 1977年7月20日発行
  • 義理の姉さんブラが見えます(大都社) 1977年10月30日発行[4]
  • ダンプママ巴御前 ISBN 978-4091303615 1978年6月20日発行
  • もとやま礼子の世界 白い影 ホワイトコミックス№5(カラクタクラス・ラボ) 1978年4月28日発行 
    • 収録作品:「白い影」、「20歳の憲法記念日」、「オレの嫌いな暁三へ」、「鬼ッ子きっ子」
  • もとやま礼子傑作集1 正美くん顔かくして! ISBN 978-4091304513 1979年2月発行
  • もとやま礼子傑作集2 かけおち二代 ISBN 978-4091304520 1979年4月20日発行
  • もとやま礼子傑作集3 あれは…母です ISBN 978-4061064997 1980年6月発行
    • 収録作品:「あれは…母です」、「月光仮面のおにいさん」、「幸福なパパたち」、「いちごはママさん十二歳」、「オレの嫌いな暁三へ」
  • もとやま礼子傑作集4 先生にしつもーん(1) 1979年7月発行
  • もとやま礼子傑作集5 先生にしつもーん(2) ISBN 978-4091304551 1979年10月発行
  • もとやま礼子傑作集6 湯けむりねえちゃん 1979年12月発行
  • もとやま礼子傑作集7 くりくり先生愛してる ISBN 978-4091304575 1980年2月発行
  • もとやま礼子傑作集8 燃えよ!孔雀学園 ISBN 978-4091304582 1980年8月発行
  • もとやま礼子傑作集9 花嫁さんみつけます!  ISBN 978-4091304599 1980年10月20日発行
  • もとやま礼子傑作集10 ああ!とんでもない ISBN 978-4091304605 1981年2月20日発行

出典[編集]

  1. ^ a b c 『もとやま礼子の世界 白い影』ホワイトコミックス№5より「略歴」
  2. ^ a b 『もとやま礼子の世界 白い影』ホワイトコミックス№5より「ごあいさつ」
  3. ^ a b 『もとやま礼子の世界 白い影』ホワイトコミックス№5より「特別にきもの姿をお見せします」
  4. ^ 表題作は「もとやま礼子傑作集9」にも収録されている。

参考文献[編集]

  • 『もとやま礼子の世界 白い影 ホワイトコミックス№5』(カラクタクラス・ラボ)