へたれ

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へたれヘタレ)は、弱った物、臆病な様子や情けない性格をした人物を指す俗語。意図した規格に合わない物や製品

概要[編集]

へたった物、規格からそれてしまった物として接頭語に使用されることが多い。また、刃物など鋭さを無くした場合などにも用いられる。

人を指す意味では、関西方言が主に松竹新喜劇吉本新喜劇テレビ放送、バラエティ番組お笑い番組などを通じ、全国に広まった[1]

この他、人を指す意味での類義語に「へちょい」、「へなちょこ」、「へっぽこ」、「屁たれ」などがある。

一般的な用法[編集]

特に関西では「あぁ〜」、「えぇ〜」、「もぉ〜」などと、ことあるごとに声(愚痴にもなっていない短い言葉・泣き言)を漏らす人を指して「へたれ」(屁垂れ)と呼ぶ。口から屁を垂れ流してるようなさまからこう呼ばれるようになった。しかし、この「へたれ」という言葉が全国に広まるにつれ、へたった物のようなイメージも付き、すぐに泣き言を漏らす人だけでなく、弱々しい人全般に使われる傾向にある。

芸能[編集]

落語[編集]

大阪では、落語家のうち、高座には上がらないが、下座鳴物を受け持つことを日常としている者。関東の落語界には前座制度はなく、入門時より一人前の落語家として扱われる。下座鳴物は東京では前座が受け持つので、関東では下座音楽担当者が不足してしまうように見えるが、そうではない。不幸にして「落語家としてキャリアがあるが、仕事に恵まれない人」が存在し、彼らを寄席に呼び、落語はやらせないが下座音楽を演奏させる。彼らこそ「へたれ」である。キャリアが浅い、修行中の者がへたれになるのは肯定される(寄席に入って修行ができる。東京の前座修行とおなじ)が、キャリアのいったへたれは悲惨である。[要出典]

お笑い[編集]

一人前でない芸人を指す楽屋言葉。「屁垂れ」と書く[2]

フィクション[編集]

ギャルゲーアダルトゲームでは主人公がへたれであることはよくみられ、『School Days』の伊藤誠や『君が望む永遠』の鳴海孝之らがこれに該当して「誠氏ね」「孝之最悪」などと言われつつも作品の面白さに繋がっており[3]、決断力があると1人のヒロインをすぐに相手に選んで他は見向きもしないとそこで話が終わってしまい、ずっとゴールへ向かっている状態で維持しやすいフラフラしていれば話を広げやすい優柔不断な人が主人公に適任で[4]、このような環境は通常ならへたれとされるが作中のヒロインからは優しい人扱いされハーレム状態を続けられる主人公に都合よく変化する「主人公補正」によって物語が楽しくなる、主人公は善の側の存在なため少女たちを弄ぶはわけにはいかず、鈍感でヒロインの気持ちに気付いていないから仕方ないと非道の正当化になりながらへたれ設定は便利な要素[5]、へたれや普通といった属性は主人公に成長の可能性がまだあり、感情移入する受け手が主人公の行く末を自分事のように感動できるとする理由があるが、逆に嫌われる要素でもあり、それは自分とヘタレ主人公は違うと信じたい、主人公は自らの分身のような存在でもあるため感動移入しやすいが諸刃の剣であり、感情移入すればするほど自分を見ているようでイライラしてしまい、もっと格好いいところを見せて欲しくなったり情けないくせに異性にモテモテ、ヒーローのような存在であることを羨ましく思ったり嫉妬してしまう、非現実的だとの思いが込み上げてくるからである[6]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 日本語俗語辞典
  2. ^ 米川明彦編『日本俗語大辞典』2003年、東京堂出版。本書は中田昌秀著『笑解 現代楽屋ことば』(1978年、湯川書房)より引用している。
  3. ^ ライトノベル作法研究所『キャラクター設計教室:人物が動けばストーリーが動き出す!』秀和システム、2012年、pp.208-209
  4. ^ ライトノベル作法研究所『キャラクター設計教室:人物が動けばストーリーが動き出す!』p.210
  5. ^ ライトノベル作法研究所『キャラクター設計教室:人物が動けばストーリーが動き出す!』pp.211-212
  6. ^ ライトノベル作法研究所『キャラクター設計教室:人物が動けばストーリーが動き出す!』pp.212、214