『瑠璃城』殺人事件

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『瑠璃城』殺人事件
著者 北山猛邦
発行日 2002年7月5日
発行元 講談社
ジャンル 推理小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 ノベルス
ページ数 214
前作 『クロック城』殺人事件
次作 『アリス・ミラー城』殺人事件
コード ISBN 978-4-06-182263-4
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『瑠璃城』殺人事件』(るりじょう さつじんじけん)は、北山猛邦による日本推理小説

概要[編集]

「『城』シリーズ」の第2作目。時空を超え、世紀を隔てた3つの事件を扱っている。

書籍情報

あらすじ[編集]

1243年フランス・瑠璃城。城主の一人娘・マリィ専属の騎士団が、遠く離れた泉のほとりで首なしの状態で発見された。門番は誰も城を出ていないと証言し、何よりも、現場まで馬の足でも1日かかるのに、騎士団は半日前には城で無事な姿が確認されていた。

1916年ドイツヴェルダン戦前線。ほんの少し目を離した隙に、つい先程まで地下壕にあった4体の首なし遺体が忽然と消えてしまった。

1989年日本・「最果ての図書館」。その一室で女性が倒れている。ドアを蹴破り駆けつけると、さっきまでなかった短剣が胸に突き刺さっていた。

生まれ変わっては殺し合う宿命に置かれた男女、彼らの周りで起こる不可解な事件。不可能犯罪も輪廻転生したのか。

登場人物[編集]

1989年・日本[編集]

霧冷(きりさめ)
「最果ての図書館」の司書
君代(きみよ)
18歳。幼い頃に両親を亡くし、親戚に育てられた。視床下部脳腫瘍が見つかり、余命半年と宣告されている。樹徒に自分がマリィの生まれ変わりであると告げられる。
樹徒(きと)
自称・レインの生まれ変わり。
歌未歌(うたみか)
「最果ての図書館」の司書。忘れっぽい性格。
美希(みき)
大学生。図書館をよく訪れる。
老人
図書館にほぼ毎日通う。

1243年・フランス[編集]

ジョフロワ
瑠璃城の城主。一貴族だったが、トゥールーズ家から派遣され城主となった。妻がいなくなってから、娘のために騎士団を作るなど、様子が変わった。
マリィ (Marie)
ジョフロワの一人娘。レインに想いを寄せている。
マリィのための白の楯騎士団
ジョフロワ伯によって作られた、マリィ専属の6名の騎士団。
レイン
マリィが信頼を置き、心を寄せる人物。
アノー
長身で気弱な性格。
フランドル
命令に実直に従う。
イーヴ・オラース・マティアス
その他のメンバー。
スノウウィ (Snowy)
自称・世界の混沌を管理する探偵。「首なし騎士」の事件を調べに城へやって来る。なぜか城内に詳しい。1916年のドイツにも、1989年の日本にも現れる。

1916年・ドイツ[編集]

少尉
フランス兵。レインの生まれ変わり。
ヘイル、ジャン
隊の生き残り。
“マリィの生まれ変わり”
本名不明。看護婦。

作中用語[編集]

最果ての図書館
財団法人によって、日本最北の地に建てられた私立図書館。街外れにあり、利用者は少ない。司書2人と数人の事務員によって運営されている。
呪われた短剣
マリィとレインが殺し合う時の凶器。かつて「マリィのための白の楯騎士団」が所有していた。世界中に6本ある。
巨石十字架
ジョフロワが作らせた巨大な十字架。縦の長さが60mにも及ぶ。

海外への翻訳[編集]

  • 中国・吉林出版集団有限責任公司:“琉璃城”杀人事件、2010年3月発行、ISBN 9787546322285

関連項目[編集]