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「ディンゴ」の版間の差分

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'''ディンゴ''' (丁格犬、澳州野犬、英名 Dingo) は、[[オーストラリア大陸]]の[[野犬]]の一種。[[アボリジニ]]が[[オーストラリア]]に移住する際一緒に連れてきたといわれる。ディンゴはアボリジニに家畜として飼われていた。[[イエイヌ]]と交雑ができるため、現在では[[混血]]が進んでおり、純血ものは少ないとわれている。[[フレーザー島]]に生息するディンゴは東オーストラリアでは最も純血である<ref name="fraser">{{Cite web|url=http://www.environment.gov.au/heritage/places/world/fraser/information.html|title=Fraser Island - World heritage - more information|accessdate=2009-04-22|author=Department of the Environment, Water, Heritage and the Arts}}</ref>。


'''ディンゴ'''(丁格犬、澳州野犬、[[学名]]:'''''Canis lupus dingo'''''、[[英語]]名:Dingo)は、[[オーストラリア大陸]]に生息する、[[タイリクオオカミ]]の1[[亜種]]であり、[[wikt:広義|広義]]で言うところの[[野犬]]の一種。
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[[アボリジニ]]がオーストラリアに移住する際一緒に連れてきたと考えらている。ディンゴはアボリジニに[[家畜]]として飼われていたものの子孫である。[[イエイヌ]]と[[混血]]ができるため、現在では[[交雑]]が進んでおり、純血を保つものは少ないとわれている。[[フレーザー島]]に生息するディンゴは東オーストラリアでは最も純血である<ref name="fraser">{{Cite web|url=http://www.environment.gov.au/heritage/places/world/fraser/information.html|title=Fraser Island - World heritage - more information|accessdate=2009-04-22|author=Department of the Environment, Water, Heritage and the Arts}}</ref>。
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== 呼称 ==
分類方法については[[タイリクオオカミ]]の1亜種 (''Canis lupus dingo'') とする分類、独立種 (''Canis dingo'') とする分類がなされている。かつてはイエイヌを独立種として取り扱い、その1亜種 (''Canis familiaris dingo'') とすなど、ほかも複数の説があった。
{{節stub}}<!--Dingoの語源。中国語および日本語の「丁格犬」「澳州野犬」の由来。-->


== 生物的特徴 ==
[[Image:Dingo fence in Australia.PNG|thumb|left|230px|ディンゴ・フェンス]]たび羊など襲うため毎年多くのディンゴが駆除され、環境保護団体から非難されている。ディンゴ・フェンスばれる総延長5320kmにも及ぶフェンスがるが、これはディンゴがなどを襲うという農業被害が相次ぐため、オーストラリア南東部へのディンゴの進出を阻止するためのフェンスである<ref>[http://www.epa.qld.gov.au/nature_conservation/wildlife/living_with_wildlife/dingoes/ Dingoes - EPA Queensland Government]</ref><ref>[http://dingofence.com/realdf.php Dingo fence]</ref>。
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== ディンゴによる被害 ==
農作物や家畜だけでなく、近年は人間が襲われることもあり、食い殺されたり、睾丸を食いちぎられるなどという被害が過去十年で6件以上報告されている。


== 生息地 ==
=== 分布 ===
[[オーストラリア]]
[[オーストラリア大陸]]、ほか<!--詳しい人の記述希望-->。
{{節stub}}

=== 分類 ===
現在([[2000年代]]後半)の[[分類学]]的知見で[[タイリクオオカミ]]の1[[亜種]] (''Canis lupus dingo'') とする分類説と、独立種 (''Canis dingo'') とする分類並立している。かつては[[イエイヌ]]を独立種として取り扱い、ディンゴをその1亜種 (''Canis familiaris dingo'') と見なすなど、非常多く説が存在した。

* [[ITIS]](統合分類学情報システム)データベース
** [http://www.itis.gov/servlet/SingleRpt/SingleRpt?search_topic=TSN&search_value=726820 ''Canis lupus dingo'' Meyer, 1793]
** [http://www.itis.gov/servlet/SingleRpt/SingleRpt?search_topic=TSN&search_value=183816 ''Canis dingo'' Blumenbach, 1780]

==== シノニム ====
ディンゴの[[シノニム]](異名)を示す。'''太字'''で示したものは今(2000年代後半)も支持されている。

[[ファイル:Dingo on the road.jpg|thumb|245px|オーストラリア南東部は[[シドニー]]近郊(90%[[交雑]]地域)のディンゴ]]
* ''Canis antarcticus'' ({{AUY|[[w:Robert Kerr|Kerr]]|1792}})
* ''Canis australiae'' ({{AUY|[[ジョン・エドワード・グレイ|Gray]]|1826}})
* '''''Canis dingo'' ({{AUY|[[w:Johann Friedrich Blumenbach|Blumenbach]]|1780}})'''
* ''Canis dingoides'' ({{AUY|[[w:Paul Matschie|Matschie]]|1915}})
* ''Canis familiaris australasiae'' ({{AUY|[[w:Anselme Gaëtan Desmarest|Desmarest]]|1820}})
* ''Canis familiaris dingo'' ({{AUY|[[w:Friedrich Albrecht Anton Meyer|Meyer]]|1793}})
* ''Canis familiaris novaehollandiae'' ({{AUY|[[w:Joachim Johann Otto Voigt|Voigt]]|1831}})
* ''Canis hallstromi'' ({{AUY|[[w:Ellis Le Geyt Troughton|Troughton]]|1957}})
* ''Canis macdonnellensis'' (<small>Matschie, 1915</small>)
* ''Canis papuensis'' ({{AUY|[[w:Edward Pierson Ramsay|Ramsay]]|1879}})
* ''Canis tenggerana'' (<small>Kohlbrugge, 1896</small>)
* ''Canis tanggerana harappensis'' (<small>Prashad, 1936</small>) <ref>{{cite web|url=http://www.bucknell.edu/msw3/browse.asp?id=14000738|title=Canis lupus dingo|accessdate=2009-05-17|publisher=bucknell|work=Mammal Species of the world}}</ref>

== 人間との関わり ==
[[ファイル:Dingo fence in Australia.PNG|thumb|190px|<span style="color:#9933cc">━</span> ディンゴ・フェンス]]
=== ディンゴによる被害 ===
[[ヒツジ]]などの[[家畜]]をたびたび襲うため、毎年多くのディンゴが駆除され、この行為は[[環境保護団体]]から非難されている。
オーストラリア南東部には「[[ディンゴ・フェンス]]」(英語版[[[w:Dingo Fence|en]]]、およ、<span style="color:green">右の画像</span>参照)」ばれる総延長5,320[[キロメートル|km]]にも及ぶフェンスが設けられているが、これはディンゴがヒツジなどを襲うという被害が相次ぐため、当地域へのディンゴの進出を阻止するためのものである<ref>[http://www.epa.qld.gov.au/nature_conservation/wildlife/living_with_wildlife/dingoes/ Dingoes - EPA Queensland Government]</ref><ref>[http://dingofence.com/realdf.php Dingo fence]</ref>。

また、家畜や[[農作物]]だけでなく、近年は人間が襲われることもあり、食い殺されたり、[[精巣|睾丸]]を食いちぎられるなどという被害が過去十年で6件以上報告されている。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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<references/>
{{Commons|Canis lupus dingo}}
{{Wiktionary|:en:dingo}}
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== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
* [[タイリクオオカミ]] - [[イヌ|イヌ(イエイヌ)]]
{{Commons|Canis lupus dingo}}
*[[タイリクオオカミ]] - [[イヌ]]
* [[オオカミ]]
*[[フクロオオカミ]]


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[[Category:イヌ属]]
[[Category:イヌ属]]

2009年10月17日 (土) 14:05時点における版

ディンゴ
オーストラリア南部はクリーランド自然保護公園 (Cleland wildlife park [1]) のディンゴ
保全状況評価[2]
VULNERABLE
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ネコ目(食肉目) Carnivora
亜目 : イヌ亜目 Fissipedia
下目 : イヌ下目 Cynoidea
: イヌ科 Canidae
亜科 : イヌ亜科 Caninae
: イヌ族 Canini
: イヌ属 Canis
: タイリクオオカミ C.lupus
亜種 : ディンゴ C. l. dingo
学名
Canis lupus dingo
(Meyer1793)
シノニム

本文を参照

和名
ディンゴ
英名
Dingo
生息域
生息域

ディンゴ(丁格犬、澳州野犬、学名Canis lupus dingo英語名:Dingo)は、オーストラリア大陸に生息する、タイリクオオカミの1亜種であり、広義で言うところの野犬の一種。

アボリジニがオーストラリアに移住する際、一緒に連れてきたと考えられている。ディンゴはアボリジニに家畜として飼われていたものの子孫である。イエイヌ混血ができるため、現在では交雑が進んでおり、純血を保つものは少ないと言われている。フレーザー島に生息するディンゴは東オーストラリアでは最も純血である[3]

呼称

生物的特徴

体長(頭胴長)約103cmで、多くは黄褐色の体毛と垂直に立ったをもつ。中型から大型犬ほどの大きさで、性質は獰猛。オーストラリアの砂漠草原温帯林、林縁部に生息する。繁殖期には群れをつくり生活する。イエイヌとは違って吠えない。繁殖期は年に一度である。一部のディンゴはアボリジニのキャンプで飼われ、残飯の処理や抱いて寝ることで毛布代わりに使われていたという。

固有種であったフクロオオカミとはほぼ同じ体格・食性をしており、オーストラリア大陸ではニッチ(生態的地位)の上で競合した結果、フクロオオカミが絶滅し、ディンゴの生息しないタスマニア島にのみ残っていた。ディンゴがニッチの競合で勝ち残った理由として、単独で狩りをするフクロオオカミに対し、ディンゴは群れで狩りをするため生存競争に有利であったことによると考えられている。また、タスマニアデビルがオーストラリア大陸で絶滅し、タスマニアにのみ残っていることも、ディンゴの影響と考えられている。

分布

オーストラリア大陸、ほか。

分類

現在(2000年代後半)の分類学的知見では、タイリクオオカミの1亜種 (Canis lupus dingo) とする分類説と、独立種 (Canis dingo) とする分類説が並立している。かつてはイエイヌを独立種として取り扱い、ディンゴをその1亜種 (Canis familiaris dingo) と見なすなど、非常に多くの学説が存在した。

シノニム

ディンゴのシノニム(異名)を示す。太字で示したものは今(2000年代後半)も支持されている。

オーストラリア南東部はシドニー近郊(90%交雑地域)のディンゴ

人間との関わり

ディンゴ・フェンス

ディンゴによる被害

ヒツジなどの家畜をたびたび襲うため、毎年多くのディンゴが駆除され、この行為は環境保護団体から非難されている。 オーストラリア南東部には「ディンゴ・フェンス」(英語版[en]、および、右の画像を参照)」と呼ばれる総延長5,320kmにも及ぶフェンスが設けられているが、これはディンゴがヒツジなどを襲うという被害が相次ぐため、当地域へのディンゴの進出を阻止するためのものである[5][6]

また、家畜や農作物だけでなく、近年は人間が襲われることもあり、食い殺されたり、睾丸を食いちぎられるなどという被害が過去十年で6件以上報告されている。

脚注

  1. ^ Cleland wildlife park
  2. ^ Corbett (2004). "Canis lupus ssp. dingo". IUCN Red List of Threatened Species. Version 2006. International Union for Conservation of Nature. 2006年5月11日閲覧 Database entry includes justification for why this subspecies is vulnerable
  3. ^ Department of the Environment, Water, Heritage and the Arts. “Fraser Island - World heritage - more information”. 2009年4月22日閲覧。
  4. ^ Canis lupus dingo”. Mammal Species of the world. bucknell. 2009年5月17日閲覧。
  5. ^ Dingoes - EPA Queensland Government
  6. ^ Dingo fence

関連項目