蟹江川

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蟹江川
蟹江神明社付近
水系 二級水系 日光川
種別 二級河川
延長 10.2[1] km
流域面積 16.8[1] km²
流域 日本の旗 日本 愛知県
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蟹江川(かにえがわ)は、愛知県あま市海部郡蟹江町を流れる河川日光川水系の二級河川。河川延長10.2km[1]。流域面積16.8km2[1]

地理

日光川への合流部付近

蟹江町は水郷として知られ、町域には蟹江川・佐屋川日光川善太川福田川などの河川が流れている。蟹江川は蟹江町の町域を二分するように流れている。

上流域では大江用水に接続している[2]。蟹江町須成で左支川の小切戸川を集める[1]。河道は主に矢板やコンクリートブロック護岸で整備されている[1]。蟹江町舟入の南で日光川に合流しており、1978年昭和53年)に完成した蟹江川排水機場で人為的に日光川に排水している[2]。日光川の水位が高いため、常に自然流下で排水することはできないのである[2]

流域の自治体

愛知県

支流

  • 小切戸川

文化

right須成祭の宵祭

昭和時代にはシジミフナカニなどが取れた[3]。小学校にプールが普及するまでは、蟹江川で泳ぐ子どももいた[3]

2022年令和4年)には木曽川うかいが蟹江川で再現された[4]

須成祭

蟹江町の冨吉建速神社・八剱社の祭礼(川祭)として須成祭が行われる。「神葭の神事」(みよしのしんじ)では蟹江川の河岸に茂るヨシを刈り、神体として冨吉建速神社に祀った後、災厄をヨシに託して蟹江川に流す[5]。このヨシは7日間にわたって蟹江川に浮かべられ、その後70日間は冨吉建速神社の神棚に祀った後、燃やすことで神葭の神事は終了する[5]。「車楽船の川祭」(だんじりぶねのかわまつり)では提灯や花で飾られた車楽船が稚児を乗せて蟹江川を上る。蟹江川に架かる跳開橋である御葭橋(みよしばし)は、車楽船が通る2日間のみ跳ね上げられる。

2012年平成24年)には「須成祭の車楽船行事と神葭流し」として重要無形民俗文化財に指定され、2016年(平成28年)には「山・鉾・屋台行事」としてユネスコ無形文化遺産に登録された[5]2018年(平成30年)には蟹江川の河岸に須成祭を主題とする蟹江町観光交流センター祭人が開館した。

漁業

昭和時代以前の蟹江町舟入には打瀬船を用いた漁師がおり、蟹江川の川岸には魚市場もあった[3]。漁師は伊勢湾底引網漁などを行い、アナゴスズキクルマエビウナギハゼなどを取っていた[3]。昭和初期、近鉄名古屋線国道1号の間に蟹江川樋門が設置され、上流側と下流側の水位差を調整して船を通す閘門があった[3]1962年(昭和37年)には名古屋港の高潮防波堤の建設が理由で、蟹江町漁業協同組合が漁業権の放棄を決定し、舟入の漁師たちは廃業した[3]

脚注

  1. ^ a b c d e f 二級河川日光川水系 河川整備計画 愛知県
  2. ^ a b c 蟹江川排水機場 愛知県
  3. ^ a b c d e f 『写真アルバム 海部・津島の昭和』樹林舎、2021年
  4. ^ 木曽川鵜飼 in 蟹江川 あいち観光ナビ
  5. ^ a b c ユネスコ無形文化遺産 須成祭 蟹江町

外部リンク