致死性家族性不眠症

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致死性家族性不眠症(ちしせいかぞくせいふみんしょう、Fatal Familial Insomnia:FFI)は、幻覚、重度の進行性不眠症頻脈等の症状に続き、全身の不随意運動痴呆を主徴とする中枢神経の変性疾患。WHO国際疾病分類第10版(ICD-10)ではA810、病名交換用コードはARCH。治療法は現在のところ見つかっておらず、発症後の余命は多くの場合約2年以内。

日本においては、変異性クロイツフェルト・ヤコブ病ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群と共にプリオン病に分類される。

イタリアの家系で見出され、日本ではごく少数の家系に見出されるのみである。プリオン蛋白遺伝子の変異した家系に見られるが、ほぼ同一の症状を示す散発性の遺伝子変異を持たない症例もある。後者は原因不明であり視床変性型CJDとして報告されている。いずれの場合も遺伝性があり、多くの場合は40~50歳代で発症し男女差はない。また、脳波の同期性周期性放電は見られず、多くの場合発症から1年以内に昏睡に陥る。なお、患者の脳組織には異常プリオンが蓄積されているため、伝達性がある。

症状

夜間の興奮や、不眠などで発症から約1年で意識がなくなる。

治療法

現在特効薬や有効な治療法は見つかっていない。

関連項目

関連書籍

  • 『眠れない一族 食人の痕跡と殺人タンパクの謎』 ダニエル・T・マックス(紀伊国屋書店)
  •  ナショナル ジオグラフィック、2010年5月号 [日本版] p.90-109

外部リンク