自殺報道ガイドライン
自殺を予防する自殺事例報道のあり方(じさつをよぼうするじさつじれいほうどうのありかた)は、2000年に『自殺予防に向けた学校の教職員のための資料』(Preventing Suicide, A resource for teachers and other school staff)と同時に発表された自殺防止を目的にした世界保健機関(WHO)の勧告である。
根拠
1984年から1987年にかけて、オーストリアのウィーンでは、ジャーナリストが報道方法を変えたことで、地下鉄での自殺や類似の自殺が80%以上減少した。また、自殺率を減らす効果があった[1]。さらに教員やスクールカウンセラーのために作成された『自殺予防に向けた学校の教職員のための資料』では世界的に15歳から19歳までの年齢層の死因に自殺が多いことを指摘している。[2]
すべきこと
- 健康に関する事実を提供する際の責任者は、注意深く行動する
- 自殺か自殺未遂かということだけを報道する
- 関連する情報だけを、同じページで提供する
- 自殺に代わる方法を示す
- ヘルプラインや各地域の支援機関を紹介する
- 危険な兆候や、警告サインを知らせる
- セルフ・エスチームの向上 (積極的な自己評価は精神的苦悩から成少年を保護し、生活上の困難とストレスに対処することができる)
- 学校でのいじめと校内暴力の防止 (不寛容から解放された安全な環境の構築)
すべきではないこと
- 写真や遺書を公表しない
- 自殺の詳しい内容や、方法を報道しない
- 自殺の理由を単純化して報道しない
- 自殺の美化やセンセーショナルな報道を避ける
- 自殺の名所などの表現を避ける
- 宗教的、文化的な固定観念で報道しない
- 断罪しない
- 精神病に汚名を着せない
脚注
- ^ AFSP: For the Media: Recommendations AFSP(American Foundation for Suicide Prevention)
- ^ Preventing Suicide, A resouce for teachers and other school staff, World Health Organization, Geneva, 2000
関連項目
外部リンク
- Preventing Suicide: a resource series : 世界保健機構(WHO)による自殺予防の手引き集
- Preventing Suicide -A resource for media professionals- : メディア関係者のための手引き 2008年版(英語原文)
- 自殺予防 メディア関係者のための手引き 2008年改訂版日本語版 : 同日本語訳(河西千秋 訳、横浜市立大学医学部精神医学教室 発行)
- Preventing Suicide -A resource for media professionals- : メディア関係者のための手引き 2000年版(英語原文)
- 自殺予防 メディア関係者のための手引き (日本語版第2版) : 同日本語訳(監訳 河西千秋・平安良雄、横浜市立大学医学部精神医学教室 発行)
- Preventing Suicide -A resource for media professionals- : メディア関係者のための手引き 2008年版(英語原文)