縦置きエンジン
縦置きエンジン(たておきエンジン)とは、ヴィークルにおいてエンジンのクランクシャフトが進行方向に平行、前から後ろに搭載されている状態をいう。英語では longitudinal engine がフォーマルな言い方だが、進行方向を地図の北に見立てて north-south engine(ノース=サウス・エンジン)という言い方も広く用いられる(使用例:「エンジンはノース=サウスだ」は「エンジンは縦置きだ」の意)。
自動車の場合、フロントエンジン・リアドライブ配置の場合には縦置きするのが一般に素直な配置であることが多く、そのようにした車が多い。リアエンジンやミッドシップエンジンでは、コンパクトにまとめたい等の理由で横置きすることも多い[1]。差動機構が不要なオートバイ等では回転方向を90度変えるための「かさ歯車」の必要性も古い時代の設計においては検討事項であった場合もある(現代でも、自動車の推進軸のような大トルクに耐えるかさ歯車の加工機械メーカーはそう多くはない)。
フロントエンジン・フロントドライブ配置(FF車)の場合には、横置きが多数派であるが、乗り心地や運動性能にこだわったり、四輪駆動の派生モデルを考慮しているメーカーや車種(アウディや水平対向エンジンを多く搭載しているスバル等)では縦置きした車もある。FF車ではエンジンを縦置きにすることで左右のドライブトレーンの長さが均等になり、トルクステアを防止することができるため走行性能の向上に寄与する。