白銀比

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白銀比(はくぎんひ)と呼ばれるには、以下の2つがある。

  1. 1:1+√2の比。貴金属比のひとつ(第2貴金属比)。
  2. 1:√2の比。紙の寸法などに用いられ、日本では古くから美しい比とされる。

1:1+√2

白銀比(はくぎんひ、英語: silver ratio)は、1:1+√2である。近似値は1:2.414、約5:12。貴金属比のひとつ(第2貴金属比)。

白銀数

1:1+√2の白銀比において

は、二次方程式 x2 - 2x - 1 = 0 の正の解であり、これを白銀数(はくぎんすう、英語: silver number)という。しばしばギリシア文字τ(タウ)で表される。

白銀数の連分数展開は

である。

白銀数 rsは有理数に2 の平方根を添加した代数体における代数的整数になっており、 rsの共役数は

によって与えられる。任意の自然数 n について、 (rs)n + (rsσ)n は有理整数になるが、rsσの絶対値が1/2より小さいため、この有理整数は (rs)nにもっとも近い自然数を与えている。nが大きくなっていくとき (rsσ)n は 0 に収束するから、R/Zにおける (rs)n の像は原点(の像)を唯一の集積点として持ち、特に (rs)nの小数部分は均等に分布していないことがわかる。

1:√2

白銀比(はくぎんひ)は、1:√2である。近似値は1:1.414、約5:7。紙の寸法などに用いられる。日本では古くから美しい比とされ、法隆寺の五重塔や慈照寺の銀閣などの歴史的建造物にも見られるため、大和比(やまとひ)とも呼ばれる。

紙の寸法

ISO 216規格で定められる紙の寸法は短辺と長辺との比が1:√2の白銀比になっている。このような紙は短辺を合わせるように折ると、もとの紙と相似になるため、紙の大きさが分かりやすい。

白銀長方形

一辺と他辺が1:1+√2の白銀比となる長方形白銀長方形(はくぎんちょうほうけい)と呼ぶ。また、1:√2の白銀比の長方形も白銀長方形と呼ばれるため注意が必要だが、こちらはルート長方形とも呼ぶ。以下、混同を防ぐため、1:1+√2の白銀比の長方形を「1:1+√2白銀長方形」、1:√2の白銀比の長方形を「1:√2白銀長方形」とする。

前述の通り、1:√2白銀長方形は紙の寸法などによく用いられる。

偶然にも2つの白銀長方形には相関性がある。1:1+√2白銀長方形から最大限の大きさの正方形、すなわち辺の長さがもとの長方形の短辺に等しい正方形を切り取ったときに残る長方形は1:√2白銀長方形になる。一方、1:√2白銀長方形から最大限の大きさの正方形を切り取ったときに残る長方形は1:1+√2白銀長方形になる。

また、1:1+√2白銀長方形から最大限の大きさの正方形を2つ切り取ったときに残る長方形はもとの長方形と相似になり、再び1:1+√2白銀長方形になる。

関連項目

外部リンク

  • Weisstein, Eric W. "Silver Ratio". mathworld.wolfram.com (英語).