生涯未婚率

生涯未婚率（しょうがいみこんりつ）とは、日本政府が人口統計で用いる用語で、50歳になった時点で一度も結婚をしたことがない人間の割合を意味する。50歳で区切っている背景には、女性の出産可能年齢が初潮から閉経までの平均である15から49歳としていること、50歳時点で結婚していない者が以降に結婚する数が極僅かなことから、「45～49歳と50～54歳の未婚率の平均値」により算出される。2017年頃から、日本国政府の刊行物等では「生涯未婚率」に代えて「50歳時未婚率」の語を用いるようになっている。2018年の40～59歳の未婚男女に「未婚でいる理由」（複数回答）を尋ねた調査で未婚男性の40、50代ともに、「出会いがない」が最多で、「経済的な事情」が続いた。40代女性では「出会いがない」（32％）が最多で、女性で未婚の理由に「経済的な事情」を挙げる人は全年代で10%未満であった。

江戸時代には、女性人口の2倍で男性余りであった江戸に住む男性の生涯未婚率は50%近くあった。1970年代までは安定して2%程度を推移し、1980年時点では男性の生涯未婚率は2.60パーセント、2000年頃でも10%未満という少ない数字であったが、2000年代以降は年々上昇傾向にあり、2010年には男性の生涯未婚率は20%を超え、20.14パーセントに達した。初婚年齢も2010年時点の男性の平均初婚年齢が30.5歳と、晩婚化する傾向が顕著になってきている。2015年には男性が約23.27%、女性が約14.6%であった。2020年の生涯未婚率は、男性25.7%、女性16.4%である。推計では2035年には男性が約29%、女性が19%になると予想されている。今後この数字がさらに増加すると予想され、これにより少子化や人口減少社会などといった問題が一層深刻になっていくとされている。晩婚化や非婚化の増加は、現在日本が抱えている少子化問題の直接的な原因にもなっている。

関連項目

• 非婚社会
• 少子化 / 人口減少社会
• 婚活
• 結婚適齢期/妊孕力/不妊