浮腫
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浮腫(ふしゅ)とは、顔や手足などの末端が体内の水分により痛みを伴わない形で腫れる症候。浮腫み(むくみ)ともいう。
病態
細胞組織の液体(細胞間質液)と血液の圧力バランスが崩れ、細胞組織に水分が溜まって腫れる。
- 炎症反応によるものの場合には、サイトカインやケモカイン、神経伝達物質により血管の透過性亢進により血管から間質へ水分が移動する。
- 心疾患では静脈圧の上昇が主因となり、間質へ水分が移動する。eg.心不全
- 肝疾患・腎疾患などによるものの場合には、アルブミンなどの蛋白質を喪失することにより、血液の浸透圧が低下し、間質へ水分が移動することにより浸透圧バランスをとることによる。eg. 肝硬変、ネフローゼ症候群、蛋白漏出性胃腸症、栄養失調
- 甲状腺機能低下症に伴う粘液水腫は、アルブミンとムコ多糖類の結合物が間質に貯留した状態で、水分の貯留による浮腫とは異なる。現在でも歴史的経緯から、圧痕を残さない浮腫 non-pitting edema と呼ばれる。
分類
浮腫が起こっている場所によって全身性浮腫と局所性浮腫に分けられる。
原因
さまざまな内臓疾患のシグナルともなっているので、ただの一時的なむくみだと放置しないで一度診察を受けてみることが望ましい(心臓・腎臓・肝臓・甲状腺の異常、血管・リンパ系の循環障害、悪性腫瘍など)。また内蔵疾患がない場合は、足の筋肉を鍛えるなどの対処が必要となる。
局所性浮腫の原因には深部静脈血栓症等がある。
治療
治療としてナトリウムの制限、水の制限、利尿剤の投与がある。検査の結果疾患が見当たらなければ、室内での階段の上り下りやつま先立ちなど、筋肉を鍛えることで改善する場合もある。