波敷野古墳群

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波敷野古墳群(はじきのこふんぐん)は、三重県伊賀市波敷野にある古墳群

概要[編集]

波敷野の古墳群の形成時期は、6世紀後半の赤井塚古墳名張市美濃波多)と御族所古墳伊賀市阿山)につづく勘定塚古墳(伊賀市外山)と同時期の7世紀前半とされる。高句麗様式の古墳が多く、被葬者の中には渡来人がいたと推測されている。確認された古墳は全部で15あり、1号から15号までの名称が割り振られている。

波敷野古墳群
墳形 径(メートル) 高さ(メートル) 内部主体 全長(メートル) 奥壁幅 備考
1号 方墳 東西18 × 南北18 3,5 片袖式
横穴式石室
東側壁6,2
西側壁5,8
奥壁部2,2
袖部幅0,3
岩屋式、墳丘裾部の周囲に2段積み貼石
2号 円墳 7,4 2,5 短冊型
横穴式石室
約4 1 墳丘裾部の周囲に列石あり
3号 円墳 6,6 2 短冊型
横穴式石室
約5,5 1,5 天井石盗掘され破壊
4号 円墳? ? ? 短冊型
横穴式石室
4 1,38 盛土が大きく崩壊
5号 円墳 6,5 2 短冊型
横穴式石室
4,4 0,98 天井石は崩壊(2枚は現存)
6号 円墳 6,3 2,5 短冊型
横穴式石室
4,6 0,92 開口部付近と墳丘の裾部に列石あり
7号 円墳 5 1,5 短冊型
小型横穴式石室
3,5 0,75 天井石は破壊(1枚現存)
8号 円墳 11,5 2,5 短冊型
横穴式石室
4,7 1,27 墳丘の裾部の周囲をめぐる形で列石あり
9号 方墳 12 × 12 2,5 短冊型
横穴式石室
7,75 1,23 墳丘の裾部の四方に列石あり
10号 円墳 ? ? ? ? ? 未開口
盛土が流出し、石材が露出
11号 ? - - 片袖式
横穴式石室
6,9 - 墳丘部は完全に破壊
天井石は破壊されていない
両側の内壁が崩壊
12号 円墳 ? ? 横穴式石室 - 1,32 破壊(奥壁の一部のみ現存)
13号 円墳 10 2.5 片袖式?
横穴式石室
6,4 - 墳丘の裾部に列石あり
天井石は盗掘され、一部のみ現存
14号 小形円墳 4 1.5 片袖式
横穴式石室
7,4 1,62 天井石はほとんど無し
15号 方墳 6 × 6 - 小型横穴式石室 2,8 0,7 墳丘の裾部にある開口付近にのみ列石あり
現存する天井石は1枚のみ

参考文献[編集]

  • 『三重の遺跡』 - 皇學館大学考古学研究会

関連項目[編集]