氷見漁港

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氷見漁港
氷見漁港
氷見漁港
所在地
日本の旗 日本
所在地 富山県氷見市中央町〜比美町[1]
座標 北緯36度51分34.8秒 東経136度59分29.3秒 / 北緯36.859667度 東経136.991472度 / 36.859667; 136.991472座標: 北緯36度51分34.8秒 東経136度59分29.3秒 / 北緯36.859667度 東経136.991472度 / 36.859667; 136.991472
詳細
管理者 富山県[1]
種類 第3種漁港[1]
泊地面積 約14万 m2[2]
面積 約35万 m2[2]
統計
統計年度 2019年
旅客数 203人(クルージング、2016年度)[3]
利用漁船数 102隻[4]
属地陸揚量 4,831 t[4]
属人漁獲量 3,754 t[4]

氷見漁港(ひみぎょこう)は、富山県氷見市にある第3種漁港である[1]。漁港管理者は富山県[1]

漁獲物の水揚げ量では、富山県下第1位である(2019年時点)[5]

概要

漁港面積は約35万m2(うち泊地面積は約14万m2[2]

氷見漁港の第一の特徴は、定置網漁法による漁獲である。富山湾は1000m以上の深度を持ち、深海の冷水が海面近くまで上昇する好漁場として知られるが、氷見付近は大陸棚が5km沖合まで発達しており、浅い海が広がっている。そのため、氷見沖合では天正年間(安土桃山時代)より定置網漁法が発達した。21世紀初頭における氷見漁港の漁獲の約8割は定置網漁法によるものである。氷見に発祥した定置網漁法は、越中式定置網と呼ばれている。

氷見漁港の水揚げは、春のイワシ・夏のマグロ・冬のブリで特徴づけられる。特に冬のブリは寒ブリ・氷見ブリと呼ばれ、氷見の名産品として知られている。産地偽装問題が発生したため、地域ブランドとして商標登録するなどの対策が検討されている[6]

氷見漁港には、競り市が行われる氷見魚市場が設置されている。その他、漁港からは寒ブリ漁を見学する観光船が発着し、また競り市の様子も見学できる。

21世紀初頭において、氷見漁港の防波堤延長は658m、係留施設延長は1869m、2019年の利用漁船は102隻、水揚高(属地陸揚量)は4,831トン、漁獲金額(属地陸揚金額)は12.27億円にのぼる[4]。氷見漁港を本拠とする氷見漁業協同組合は1988年6月1日に氷見市内の6漁業協同組合(氷見、氷見浦、阿尾、薮田、宇波、女良)、高岡市の太田浦漁業協同組合および氷見販売漁業協同組合連合会が統合して発足した北陸最大級の漁業協同組合で[7][2]、組合員1,651名(2019年度、うち正組合員797名)を擁する[8]

沿革

  • 江戸時代 - 河西七浦の一つとして、越中米の積出港、藩用材(陸奥国津軽地方蝦夷地松前藩から)の積み下ろし港としても賑わった。当時は現在よりやや南側、湊川の河口にあって、魚市場、魚問屋は中ノ橋周辺に集中していた[9]
  • 1922年 - 指定湾港に編入される[9]
  • 1923年 - 氷見町により第一次氷見漁港修築工事が開始される[2]
  • 1928年 - 現在地に近代的設備を誇る新漁港が完成し、移転[9]
  • 1952年6月23日 - 第3種漁港に指定[10]
  • 1955年から1959年頃 -上庄川の土砂の堆積を防止するため、漁港北側に西導流堤(159m)を築造[9][2]
  • 1960年 - 東道流堤(78m)を南側に増設[2]
  • 1968年 - 泊地の拡張、物揚場の新設、新南防波堤の築造などの工事が竣工[9]
  • 1981年3月 - 昭和55年度漁村緊急整備事業に基づき氷見販売漁業協同組合連合会の全自動製氷工場が竣工。製氷能力一日30t、貯氷能力200tの製氷貯氷場完成[2]
  • 1989年 - 漁港内に『ひみ水産センター』完成[2]
  • 1992年
    • 3月25日 - 水産庁のマリノベーション拠点漁港整備地区に認定される[7]
    • 5月22日 - 氷見新漁港開港(1955年当時の約8倍の規模となった)[7][2]
  • 1999年11月29日 - 旧魚市場跡地にて『氷見フィッシャーマンズワーフ海鮮館』起工式[2]
  • 2000年4月21日 - 氷見フィッシャーマンズワーフ海鮮館が開館[2]
  • 2012年9月23日 - フィッシャーマンズワーフ海鮮館閉鎖[11]
  • 2015年4月 - ひみ漁業交流館「魚々座(ととざ)」が開館[12]
  • 2017年
    • 1月 - ひみ漁業交流館「魚々座」は指定管理者制度に移行[13]のため、一時休館。
    • 7月14日に、「氷見市漁業文化交流センター」として再オープン[14]

主な魚種

主な漁業

出典

  1. ^ a b c d e 富山県 2021, p. 76.
  2. ^ a b c d e f g h i j k l 氷見市史編さん委員会編、『氷見市史2 通史編ニ 近・現代』852 - 855ページ「氷見漁港の改修計画」、2006年(平成18年)3月31日、氷見市
  3. ^ 第1章 観光を取り巻く環境の変化”. 氷見市. 2021年1月16日閲覧。
  4. ^ a b c d 富山県 2021, p. 78.
  5. ^ 富山県 2021, pp. 78–79.
  6. ^ 2011年3月8日の朝日新聞朝刊37面
  7. ^ a b c 『目で見る 高岡・氷見・新湊の100年』(1993年11月27日、郷土出版社発行)165ページ。
  8. ^ 富山県 2021, p. 69.
  9. ^ a b c d e 角川日本地名大辞典 16 富山県』(昭和54年10月8日、角川書店発行)730ページ
  10. ^ とやまの漁港(概要)(富山県、2021年10月30日閲覧)
  11. ^ 氷見に新しくできた氷見漁港場外市場「ひみ番屋街」を徹底的に紹介(その4)。展望広場、足湯、その他(高岡市観光ポータルサイト たかおか道しるべ、2012年10月14日更新、2021年10月30日閲覧)
  12. ^ 魚々座(ととざ)って”. ひみ漁業交流館「魚々座」. 2017年1月14日閲覧。
  13. ^ ひみ漁業交流館 魚々座の指定管理者を再募集します。”. ひみ漁業交流館「魚々座」. 2017年1月14日閲覧。
  14. ^ 平成 29年7月定例記者会見(氷見市、2021年10月30日閲覧)

参考文献

関連項目

外部リンク