曼陀羅の華
交響詩『曼陀羅の華』(まんだらのはな)は、日本の作曲家、山田耕筰が1913年に作曲した交響詩である。
同時期に並行して作られた作品に交響詩『暗い扉』があり、どちらも「死」を題材にした作品となっている[1][2]。
作曲の経緯
山田の親友で、作曲や建築など、幅広い分野で才能を発揮した斎藤佳三による同名の詩に基づいている。
この詩を斎藤が書いた直後、日本から斎藤の父が急逝したという電報が届き、それを知った山田が、その詩の内容も相まって、斎藤の父が召されることを子が予感しての作と理解し、作曲を開始した[3]。
また、姉妹作である『暗い扉』同様、リヒャルト・シュトラウスの交響詩『死と変容』の影響も受けている[4]。
作品は1913年11月22日に完成した[5]。
初演
1914年12月6日に帝国劇場で行われた東京フィルハーモニー会第拾四回演奏会スィンフォニー音楽会にて、山田自身の指揮によって初演された[6]。
編成
木管楽器
ピッコロ、フルート3、オーボエ2、イングリッシュホルン、小クラリネット、クラリネット2、バスクラリネット、バスーン2、テナーサックス
金管楽器
打楽器
撥弦楽器
弦楽器
楽曲内容
単一楽章からなる。演奏時間は約8分。
録音
脚注
参考文献
- 片山杜秀『鬼子の歌 偏愛音楽的日本近現代史』講談社、2019年1月21日。
- 後藤暢子『山田耕筰 作るのではなく生む』ミネルヴァ書房、2014年8月10日。
- 後藤暢子、秋岡陽、武石みどり、楢崎洋子『山田耕筰作品全集 第1巻(管弦楽曲1)』日本楽劇協会、1997年5月30日。
関連項目
- 暗い扉 - 同時期に作曲された姉妹作
- 死と変容 - 影響を受けたリヒャルト・シュトラウスの交響詩