小出正吾

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小出 正吾(こいで しょうご、1897年1月5日 - 1990年10月8日)は、日本の児童文学作家

来歴

静岡県三島出身。祖父の小出市兵衛は元質屋で、J・H・バラによって洗礼を受けた。中学時代に受洗しキリスト教信者となる。1918年早稲田大学商学部卒。南洋商会に勤め南洋へおもむくが、1922年退職して帰郷。三島教会の独立に尽くし、1928年再度上京し明治学院で教え、1935年明治学院教授。戦後三島市教育委員長。キリスト教ヒューマニズムの立場で創作を行う。1957年三島市長選挙に革新統一候補として出馬し落選。1966―72年日本児童文学者協会会長。1975年『ジンタの音』で野間児童文芸賞受賞。弟は哲学者の小出次雄(1901-90、芦川進一の師)[1]。長女の牧子はピアニストの鷲見五郎(鷲見三郎の弟)と結婚した。

1980年キリスト教功労者の表彰を受ける[2][3]

著書

  • 聖フランシスと小さき兄弟』厚生閣 1922 「聖フランシス物語」
  • 『日曜学校の歴史』基督教出版社(基督教宗教々育講座) 1932
  • 『ヨルダンの流れ(旧約聖書の人々 1)』建設社出版部 1937
  • イエス・キリスト伝』建設社 1938
  • 『エルサレムの丘 旧約聖書之人々2』建設社 1938
  • 『宗教改革の偉人マルチン・ルッター伝』隣友社 1940
  • 『白い雀 童話集』金の星社 1940
  • 『椰子の樹かげ ジヤワの思ひ出』教養社 1941
  • 『だるま船 童話集』清水書房 1941
  • 『オフネノコドモタチ』正芽社 1941
  • 『南極へ行った猫の話』童話春秋社 1942
  • 『クスモの花 東印度童話集』増進堂(大東亜圏童話叢書) 1943
  • 『ジャワノヰナカ コヤギヲツレテ』中央出版協會 1943
  • 『東印度諸島物語』冨山房 1944
  • 『牛荘の町』増進堂(樫の実文庫) 1946
  • 『名犬コロ物語』国民図書刊行会 1946
  • 『大きな虹』増進堂(樫の実文庫) 1946
  • 『小馬の旅』大日本雄辯會講談社 1947
  • 『ダビデのたて琴 旧約聖書』光文社(少年文庫) 1948
  • 『雨と太陽 童話選集』丹波書林 1948
  • セルカークの冒険』中央公論社 1949
  • 『風琴爺さん』羽田書店 1949
  • 『旧約聖書物語』日産書房 1949
  • 『新約聖書物語』双雅房 1951
  • 『風船虫』金の星社 1954
  • リンカーン小学館の幼年文庫)1956
  • 『ひらかなシュバイツァー』金の星社(ひらかな偉人文庫) 1957
  • ワシントン偕成社 児童伝記全集 1957
  • 『十二人のお弟子』新教出版社(聖書少年文庫) 1957
  • リビングストン』偕成社(児童伝記全集) 1958
  • アムンゼン』偕成社(児童伝記全集) 1958
  • 『聖地巡礼』白凰社 1962
  • 『のろまなローラー』福音館書店(<こどものとも>傑作集) 1967
  • 『かっぱ橋』大日本図書(子ども図書館) 1968
  • ジンタの音』偕成社 1974 のち文庫
  • 『天使のとんでいる絵』講談社 1977
  • 『童話から童話へ ある児童文学者の回想録』教文館 1980
  • 『メルヘンの旅 ヨーロッパを歩く』弥生書房 1986
  • 『赤道祭 童話選集』審美社 1986
  • 小出正吾児童文学全集』全4巻 審美社 2000-2001

翻訳

  • エリザベス・エンライト『農園の夏』実業之日本社 1941 (アメリカ少年少女文学賞叢書)
  • モニカ・シャノン『ドブリイ』実業之日本社 1942
  • アーサー・スコット・ベイリー『カハウソ太郎』フタバ書院成光館、1942
  • エリザベス・ルウイズ『揚子江の傅さん』實業之日本社 1942 「揚子江の少年」
  • アンナ・スウェル黒馬ものがたり』羽田書店 1948
  • ルス・カロル、ラトローブ・カロル『南極へいったねこ』平凡社(冒険小説北極星文庫) 1956

脚注

  1. ^ 『童話から童話へ』、芦川『ゴルゴタへの道』
  2. ^ デジタル版日本人名大辞典
  3. ^ 日本キリスト教文化協会 顕彰者一覧※2022年10月23日閲覧