国境事変

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国境事変
Border Incident
著者 誉田哲也
発行日 2007年11月25日(単行本)
2010年6月25日(文庫本)
発行元 中央公論新社
ジャンル 警察小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判
ページ数 376
前作 ジウIII 新世界秩序
次作 ハング
公式サイト www.chuko.co.jp
コード ISBN 978-4-12-003889-1
ISBN 978-4-12-205326-7文庫本
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国境事変』(こっきょうじへん、Border Incident)は、誉田哲也による日本警察小説ジウ三部作に続く、〈ジウ〉サーガの第4作[1]。ジウ三部作に登場した東(あずま)刑事が活躍するスピンオフ作品である。

2007年11月に単行本、2010年6月に中公文庫が刊行された。

あらすじ

東京都で発生した在日朝鮮人の殺害事件。捜査一課の刑事・東弘樹は、被害者の弟・英男や関係者から事情聴取をする内に、「アンドウ」という不審な人物に行き当たる。

一方、その英男を情報提供者として運営してきた警視庁公安部の川尻は、事件の捜査が進むに連れ、公安警察官としての生き方に迷いを感じ始めていた。

一件の殺人事件が起こした小さな波は、国家をも巻き込む大きな事変へと変貌していく。

登場人物

警察官

東 弘樹(あずま ひろき)
警視庁捜査一課六係。警部補。47歳。歌舞伎町封鎖事件の捜査に大きく貢献し、警視総監賞と警察庁長官賞を授与された。捜査一課員からさえも煙たがられるほどの堅物で、大の公安嫌いで知られる。
川尻 冬吾(かわじり とうご)
警視庁公安部外事二課四係。35歳。在日朝鮮・韓国人を主とするアジア系外国人を担当する。公安部では本名で呼び合わない風習があり、「アントン」というあだ名で呼ばれる。
英男の運営者で、「アンドウ」という名で接触している。
前田(まえだ)
外事二課四係班長。警部補。47歳。東侑エンタープライズを監視する。あだ名はモグ。
広瀬(ひろせ)
外事二課四係。巡査部長。37歳。あだ名はトノ。
荒巻(あらまき)
外事二課四係。巡査部長。36歳。あだ名はシャケ。
桑島(くわじま)
対馬南警察署刑事生活安全課。以前は長崎県警捜査一課の強行班捜査係に所属していた。新潟県生まれ。

その他

若松 吉男(わかまつ よしお) / 本名:呉吉男(オ ギルナム)
32歳。殺害された被害者。朝鮮籍の在日三世。貿易商社・東侑エンタープライズの代表取締役。前年に同社を創業した父・虎男(とらお・ホナム)が自殺し跡を継いだ。
若松 英男(わかまつ ひでお) / 本名:呉英男(オ ヨンナム)
兄と共に日本生まれの日本育ち。「リトルウィング」という3人組のバンドで活動している。
川尻により公安の協力者(スパイ)に仕立て上げられ、コード番号G4と呼ばれる。
川口(かわぐち)
陸上自衛隊対馬警備隊隊長。一等陸佐。
朴 大容(パク デヨン)
かつて北朝鮮護衛司令部第二総局の局長を務めた、元朝鮮人民軍の高官。総書記暗殺計画が露見し家族らを皆殺しにされた。朝鮮人民の解放を目的とした『アイアン計画』を立案し、吉男も協力していた。

書籍情報

脚注

外部リンク