周波数特性
周波数特性(しゅうはすうとくせい)とは、周波数と何らかの物理量との関係を表したものである。f特、f特性と呼ばれることもある。
音響分野における周波数特性
音響機器や回路等の入力を一定にした状態で、周波数を変化させた時、出力がどのように変化するかを表した物である。Y軸に出力レベル、X軸に周波数の目盛りを取ったグラフに描いた曲線で表される。この場合、Y軸はdBでX軸は対数目盛りで表されることが多い。
スピーカーやマイクロフォンの周波数特性は、機械的振動と電気的信号の変換効率を周波数の変化に対して測定したもの。
電子回路/電気回路/電子機器における周波数特性
電気・電子回路や電子機器においては、周波数特性は温度特性と並んで重要な特性である。周波数特性の評価にはスペクトラムアナライザやネットワークアナライザが用いられる。無線機の場合は、測定者が通信周波数を変えながら測定をおこないグラフ用紙にプロットするか、パーソナルコンピュータを組み合わせて自動測定をする。 回路や機器では、部品自体の周波数特性の変化が激しいため、振幅特性のみならず、ほとんどすべての特性が周波数によって変化する。
コンデンサにおける周波数特性
コンデンサは様々な寄生成分を持つ。また、インピーダンスを考慮する場合図のような等価回路を用いて考える。 ここで重要なのが直列等価抵抗(ESR)や直列等価インダクタンスまたはリードインダクタンス(ESL)である。 周波数が増加してくるとある周波数まではインピーダンスは降下していくがESRとESLにより極小値を持つ。さらに周波数を上げていくとESR、ESLが増加していきインピーダンスは上昇していく。この傾向は、アルミ電解コンデンサで顕著で、積層セラミックコンデンサではインピーダンスの極小値を得る周波数が比較的高い。[1]回路での利用のしかたによっては、これらをよく考慮する必要がある。また、インピーダンスが極小値を取る周波数が高かったり周波数変化によるインピーダンス変化が小さい[要出典]ことを、周波数特性が良いと呼ぶ。
コンデンサの種類による周波数特性
周波数特性は良い順から、プロードライザ[2]>OS-CON[3]>フィルムコンデンサ>積層セラミックコンデンサ>アルミ電解コンデンサ である。
(図、表準備中)
無線工学
アンテナは一般に給電する高周波の周波数に対して入力インピーダンスが変化する。周波数ごとのインピーダンスを測定するにはアンテナ・アナライザを用いる。
電波伝播において、電波の伝播経路上に周波数特性が時間とともに変化する媒体が存在すると受信側で信号が歪む。これを選択性フェージングという。
脚注
- ^ トランジスタ技術 2004年9月号 p109
- ^ プロードライザはNECトーキン株式会社の登録商標です。
- ^ OS-CONは三洋電機株式会社の登録商標です。