即興曲第1番 (ショパン)

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フレデリック・ショパン即興曲第1番(そっきょうきょくだい-ばん)変イ長調作品29は作曲者初期のピアノ曲

本来即興曲ソナタ形式ロンド形式などの形式に当てはまらない作品を呼び、作曲者や出版者がある意味謙遜の意味を込めて銘打った作品であった。
ショパンの即興曲は、有名な幻想即興曲を除くと本作、嬰ヘ長調変ト長調の3曲があるが、いずれも三部形式にちかく、「即興」という割には構成的に仕上がっていて、作者一流の皮肉とも取れる。

その第1作である本作は、優美な曲想でニークスに「水の精が泡とともに現れる」などと評されている。

Allegro assai quasi presto

4/4拍子。もともとは2/2拍子を予定していたが、落ち着きを失うのを恐れたのか4/4拍子に改められている。

冒頭から変イ長調の3連符が両手で登場する。半音階がちりばめられていて流麗な演奏はやや困難。主題部最後に下降音階が清楚な感じを出している。作曲者らしい人見知りをするような半音ずつ上下する部分が効果を出している。
中間部はヘ短調の詠嘆的な部分。ここでも右手のコロラトゥーラは少し蠱惑的である。
再び主題部に戻りそのまま反復された後、コーダで終止。このコーダのテンポ設定を無視して演奏するピアニストも多い。