即位礼正殿の儀
即位礼正殿の儀(そくいれいせいでんのぎ)とは、今上天皇の即位礼に行われた即位礼の中心となる儀式で、東京都千代田区の皇居宮殿正殿松の間で行われる。桓武天皇など古代の天皇はほとんどが朝堂院大極殿で、大極殿が焼失してからは内裏紫宸殿で行われた。大正天皇、昭和天皇は京都御所紫宸殿で「紫宸殿の儀」として行った。東京都で即位礼を挙げるのは今上天皇からである。
正殿の儀の概要
即位した新天皇が日本国の内外に即位を宣明する儀式である。このため各国の国家元首や首脳が参列する。
正殿中央には階段が設置され、正殿の前庭には幡旗が立てられ、文官武官の装束を身につけた宮内庁職員が整列する。正殿松の間には高御座、御帳台がしつらえられ、男性皇族、女性皇族の入場の後、天皇皇后がそれぞれ高御座・御帳台につくと儀式が始まる。
式次第
- 天皇が高御座に昇る。
- 皇后が御帳台に昇る。
- 参列者が鉦の合図により起立する。
- 参列者が鼓の合図により敬礼する。
- 内閣総理大臣が御前に参進する。
- 天皇の「おことば」がある。
- 内閣総理大臣が寿詞を述べる。
- 内閣総理大臣が即位を祝して万歳を三唱する。参列者が唱和する。
- 内閣総理大臣が所定の位置に戻る。
- 参列者が鉦の合図により着席する。
憲法での規定
日本国憲法では即位礼についての明確な規定はないが、国事行為として挙行される。当日は「即位礼の行われる日を休日とする法律」によって休日となった。
装束
正殿の儀、紫宸殿の儀では和風の装束となっている。
大極殿の儀では唐風の装束で、皇族・貴族は礼冠に礼服で、天皇は冕冠に袞衣を着用した。
高御座・御帳台
正殿の儀では高御座を天皇の玉座とし、御帳台を皇后の玉座とした。松の間中央に高御座、正殿向かって右に御帳台がしつらえられている。