二人でお茶を (曲)
「二人でお茶を」(ふたりでおちゃを、英語: Tea for Two)は、1925年のヒット・ソングである。ヴィンセント・ユーマンスがアーヴィング・シーザーの台本に曲付けしたミュージカル『ノー・ノー・ナネット(英語: No, No, Nanette)』に由来する。原作では、ヒロインのナネットが第2幕において、恋人役のトムとともに、自分たちの行く手を思い描いて歌う曲として扱われる。
解説
曲は、変イ長調からハ長調への唐突な転調を含み、旋律は付点四分音符と八分音符の組み合わせが散見される。アレック・ワイルダーはこのような特色について、舞台劇のヒット・ソングを特徴づける要素ではないとしながらも、それでも「二人でお茶を」が大成功をおさめたことを認めている[1]。余談だが、歌詞についてシーザーは、スティーヴ・アレンのラジオ番組に出演した際に、間に合わせのつもりで作ったとほのめかした。
「二人でお茶を」はジャズのスタンダード・ナンバーとなり、数多くのバンドや器楽奏者によって録音されてきた。なかでも有名な演奏の一つは、トミー・ドーシー楽団によるチャチャチャ・バージョンである。これは1958年にトップ・テン入りした後、2005年にマクビティ・ビスケットのCMに取り上げられて再び脚光を浴びた。別の有名な演奏には、アート・テイタムが1939年に録音した例がある。ビバップ様式の演奏家では、セロニアス・モンクが、原曲のコード進行に手を入れ、旋律を複雑にしたものを1952年に録音し、自作の「スキッピー(英語: Skippy)」として発表している。アニタ・オデイは「二人でお茶を」を持ち歌にしており、1958年のニューポート・ジャズ・フェスティバルにおける彼女の歌唱は、このヒット・ソングの解釈の最高峰の一つとして認められている。
1927年にソビエト連邦の作曲家、ディミトリー・ショスタコーヴィチは管弦楽曲として編曲し、「タヒチ・トロット」の題名で発表した。
「二人でお茶を」は、1995年のBBCのコメディ番組 “Next of Kin” のテーマ曲にも転用された。
関連事項
註釈
- ^ Alec Wilder, James T. Maher, American popular song: the great innovators, 1900-1950
外部リンク
音源
- Tea For Two - Marion Harris 1925.wmv
- 真夏の夜のジャズAnita O'Day (アニタ・オデイ) (4:40以降が「二人でお茶を」)
- レイチェル・プライス /ティーフォー・トゥ( Tea For Two )
- Tea for Two / noon
- Julie Andrews-Tea for Two
- Tea For Two - Django Reinhardt
- Liberace Tea for Two
- TOMMY DORSEY Orch.- Tea For Two - Cha Cha
- Andre Rieu - Tea for two
- Skippy - Best of the Blue Note Years -Thelonious Monk
- Tea for Two 1925 - Efim Schachmeister 発表年と同時期にベルリンで録音された演奏。構成や編曲がショスタコーヴィチ版に酷似している。
- Shostakovich Tea For Two ショスタコーヴィチの「タヒチ=トロット(二人でお茶を)」