ライトニングサイクス

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ライトニングサイクス (LIGHTNING SAIX) は『トミー』(現タカラトミー)より販売されている『ゾイド』シリーズのひとつ。また、その背景設定に登場する架空の兵器。本項では機体バリエーション及びコトブキヤが展開するHMM(ハイエンドマスターモデル)の概要も記載。

機体解説

ライトニングサイクス
LIGHTNING SAIX
番号 EZ-035
所属 ガイロス帝国
チーム・ライトニング(スラッシュゼロ
分類 チーター
全長 18.4m
全高 8.8m
重量 65t
最高速度 325km/h
乗員人数 1名
武装 パルスレーザーライフル×2
レーザーキラーファング×2
2連バルカン砲(頭部)
ストライクレーザークロー×4
ブースターパック
ウイングスタビライザー×2
バーティカルスタビライザー×2
武装(HMM) パルスレーザーライフル×2
レーザーキラーファング×2
2連バルカン(頭部)
センサーユニット(耳部分)
ストライクレーザークロー×4
対地センサー
高速ブースターパック
ウイングスタビライザー×2
バーティカルスタビライザー×2
ミサイルポッド
AZ2連装衝撃砲
武装
(アーバイン仕様)
パルスレーザーライフル×2
レーザーキラーファング×2
2連バルカン(頭部)
センサーユニット(耳部分)
ストライクレーザークロー×4
対地センサー×4
高速ブースターパック
ウイングスタビライザー×2
バーティカルスタビライザー×2
マイクロミサイルポッド
AZ2連衝撃砲
高速機動用機能保全装置×4(拘束具)
主な搭乗者 アイン・ツェルカンプゥ(バトルストーリー
アーバイン(ゾイド -ZOIDS-
チーム・ライトニング(スラッシュゼロ)
ジャック・シスコ
クリス・タスカー
ケリー・タスカー
レイラ・ターレス(インフィニティ

ガイロス帝国軍が第二次大陸間戦争における西方大陸戦争終盤に生みだしたチーター型高速戦闘ゾイド。コマンドウルフを超える中型高速ゾイドの開発を迫られた帝国軍技術部が、レッドコマンドウルフの研究をも反映しつつ[1]、既に旧式化し設計思想も前時代的なものとなったヘルキャットの後継機として開発した次世代機。腹部に冷却用インテークを備え[2]、脚部の消音機能と放射熱を抑えた隠密性はそのままに、背部パルスレーザーライフル後部のブースターユニットによる出力と、限定的にOS(オーガノイドシステム)を採用することで、ブレードライガーを上回る機動力を獲得した。

ライガーゼロ等に先んじてストライクレーザークローを最初に装備し、爪部は折り畳みが可能。頭部には接近戦用のバルカンを備える[2]。背部に装備したパルスレーザーライフルは旋回式にすると高速戦闘時における命中率が極度に低下するため正面固定とされている[1]

技術陣の要求性能を満たしつつも、OSの搭載に機体は大型化し、その生産性は悪化した[1]。しかしながら性能は当時の高速部隊主力機だったセイバータイガーをも上回った事から、想定されていたヘルキャットに代わる支援機に留まらず、セイバータイガーに代わる新主力機となった機体である[1]



※機体諸元は「ZOIDS EZ-035 ライトニングサイクス」、「HMM-020 EZ-035 ライトニングサイクス」、「HMM-20 EZ-035 ライトニングサイクス アーバイン仕様」より

キット

トミー(タカラトミー)版

キットはブレードライガーとコマンドウルフの中間程度の大きさの独自のクラスに属し、機構的にも独特の部分が多い。動力部は中型ゼンマイキット用のHiパワーユニットと同じ寸法(よって中型ゼンマイゾイドの電動化改造に転用可能)であり、電源(単四電池2本使用)は外部から供給される。大きな特徴として電流(=モーターの回転)方向を切り替えることによって出力軸の回転方向を保ったままギア比だけを変える変速機構を内蔵している。

本機の歩行ギミックは動力部から直接駆動されるのではなく、動力は胴体内右側面に作りつけの最終減速ギアボックスを介して四肢に伝達される。各脚駆動軸基部の偏心部を基点とするリンク機構により膝を曲げながら歩行するが、足首はフリーの関節である。三角形のカムを使用する脚動作機構は新型のもので後にレイズタイガーにも採用されている。上記の変速機構は手動で上下する尻尾(上げて高速、下げて低速)を介して作動させられるが、電池ボックス内蔵のバックパックを外し、カスタマイズパーツCP-16 ゾイドコントローラーを接続することで手許からの変速操作が可能になる。余談だが、膝の作動範囲が狭いため、高速歩行が地団駄を踏んでいるようにしか見えないと揶揄されることもあった。

アニメ・ゾイド新世紀スラッシュゼロ米国展開時はハズブロ社から赤色部を黄色カラーに変更し、ゾイドコントローラーをセットにしたキットが発売された。

連動ギミックはなし。手動ギミックはコクピットハッチ(頭部・前ヒンジ)と口の開閉、バックパック左右の安定翼の展開、頭部・尻尾の上下動及び四肢の爪の展開と収納。ネコ科動物型ゾイドで唯一爪を出し入れ可能な機種[3]

なお、背部パルスレーザー砲塔は構造上、俯仰は可能だが旋回不可。

HMM(ハイエンド・マスターモデル)シリーズ

シリーズ第20弾として2010年7月発売。収納式の背部マイクロミサイルポッドと胸部二連衝撃砲が追加された。出し入れ可能な爪は一本ごとの可動軸に加え、左右に広げた状態のものと差し替えることで、さまざまな表情をつけることが可能になっている。また、背部レーザー砲塔も旋回可動できるようになり、それに伴い「命中率の低下を防ぐため、高速機動時には正面固定」と設定が整理された。

2013年2月にはアニメ『ゾイド -ZOIDS-』第48話に登場したライトニングサイクス アーバイン仕様がイリサワ流通限定商品として発売。オレンジキャノピー用パーツと拘束具、アーバインフィギュア2種(立像とコックピットに座った形態)が付属されている。

設定ではヘルキャットの戦闘力不足を解決するための後継機として開発がスタート。西方大陸で新たにチーター型野生ゾイドが発見されたのを受け、それにデス・キャットの高速稼動機構とライジャーの排熱冷却システムのノウハウをフィードバックし、そして戦闘用の中枢ユニットには簡易版オーガノイドシステムを組み込んで完成させた。機体にはヘルキャットの消音システムを改良したものが導入され、さらに外装面には自機の熱を分散放熱して相手の熱源・光学センサーを撹乱させる「マジェスティックス」と言う特殊塗料を塗る事で高い強行偵察能力を実現している。その開発スタッフにはドクターD(アニメに登場した人物と同一?)なる人物が参加していたとされる。

作中での活躍

バトルストーリー

第二次大陸間戦争で共和国に戦況が傾きかけていたZAC2100年7月にロールアウト。北エウロペ大陸レッドラストの砂漠に、改造ジェノザウラーデススティンガーを引き連れた特殊部隊司令官機で登場し、共和国部隊と交戦するが、その最中に暴走したデススティンガーの無差別攻撃を受けてしまい、運動性能でデススティンガーの攻撃を辛うじて回避、帝国側特殊部隊で唯一の生存機となった。

その後はウルトラザウルス率いるデストロイヤー兵団攻撃にジェノブレイカーなどと共に向かったものの、攻撃を敢行することは出来ず、ライガーゼロや鉄竜騎兵団(アイゼンドラグーン)の攻撃によって、やられるシーンが多くなり、帝国軍シュバルツ中佐と共和国軍ハーマン中佐の会談の際のシュバルツの護衛役を務めたが、シュバルツ暗殺任務を帯びたライガーゼロイクスの前になす術もなく血祭りに上げられる。

プロイツェンの反乱では共和国軍と共闘、首都ヴァルハラでプロイツェンナイツ部隊と激突した。

アニメ

ゾイド -ZOIDS-』では第48話にて初登場。遺跡から入手した古代ゾイド人の技術を取り入れ、帝国軍とドクター・ディが共同で開発した新型ゾイド。試験走行時、テストパイロットの失神が原因で発生した事故の影響で、メモリーバンクが損傷。さらにヘリック共和国のルイーズ大統領がヒルツにさらわれる事件が発生。解決策としてレイヴンのジェノブレイカーとの戦闘で大破したアーバインのコマンドウルフISのメモリーバンクを移植する案が出され、当初アーバインはそれを拒否したが、ムンベイの説得で了承。当初はコマンドウルフのメモリーバンクとリンクせず分解の危機にあったが、アーバインの叫びと同時にメモリーと同調を果たす。アーバインは見事にライトニングサイクスの性能を引き出し、ルイーズ大統領を救い出すことに成功する。以後はコマンドウルフに代わるアーバインの新たな愛機となった。

登場当初は拘束具を纏っており、その機能を制限された状態であったが、コマンドウルフのメモリーバンクと同調と共にパージ。この際、キャノピーの色が本来の緑とは異なりオレンジ色となった。

また、アニメ独自の機能として残像形成機能(ホログラフィ)を搭載。残像効果と高い機動性により、瞬間移動の如くミサイル等の攻撃を撹乱する。後に改修され、Eシールドを装備。ブレードライガー、ディバイソンと共に対デススティンガー戦における「デルタ・フォーメーション・ブロッケイド」に使用された。このアーバイン機は、ゲーム『ZOIDS SAGA』では、「ライトニングサイクスAS」と呼称される。

量産される計画であったが、ヒルツ一派の攻撃により生産ライン立ち上げ中の工場を破壊されたため、劇中ではアーバインのものが唯一の機体となった。

ゾイド新世紀スラッシュゼロ』では第5話にて初登場。チーム・ライトニング所属後は11話・23話・24話と登場。ジャック・シスコ、タスカー姉妹が搭乗。

ジャックがチーム・チャンプに雇われた際の対戦ではライガーゼロイエーガーに敗れたが、チーム・ライトニング所属後の対戦では独特の連携攻撃を駆使し、主人公の所属するチーム・ブリッツの連勝を止めた。後のロイヤルカップにおける対戦では、イエーガーの奇襲によりジャックは敗れ、タスカー姉妹もそれぞれ敗れている。

本作では、パルスレーザーライフルの射撃範囲は正面のみと明言されている。

機体バリエーション

ライトニングサイクス・TS

スラッシュゼロ』にて、タスカー姉妹の搭乗する専用機。頭部と脚部(クリスは青、ケリーは緑)のカラーリングが異なるが、それ以外のノーマル機との差異は無い。

名称は「ゾイドVS.II」より。

ライトニングサイクス・BS

初出は『ゾイドバトルカードゲームノートマップ』で添付ストーリーでは帝国側主人公機。ゾイド公式ファンブック2巻にも登場しているが、図鑑での登場であって本編未登場。ライトニングサイクスのテスト機体であり、量産機に比べて格闘性能で劣るものの、砲撃力ではむしろこちらの方が優っている。機体色は銀色。ガイロス帝国技術部所属のテストパイロット、バレット・ガッター中尉が搭乗。

試験運用中にブレードライガーKSと遭遇戦を行ったとされる。結果が書かれていないのは「自分でゾイドバトルカードゲームノートマップをプレイして決めろ」と言う事だろう。

全長18.4m、重量65.0t、最高速度310km/h(『ZOIDS SAGA攻略本『ゾイドサーガ必勝攻略法』双葉社刊ISBN 978-4-575-16293-6より)。

ライトニングサイクスRM

ゾイドタクティクス』に登場。共和国仕様のライトニングサイクス。キャノピーがオレンジになり、青系の塗装が施されている。

シノビサイクス

ゾイドジェネレイションズ』に登場する個体。輝く獣と煌く獣の覚醒を促す神殿を、乗り手亡き後も守護し続けていた。隈取の施された頭部は、秘密を守る意思表示である特殊なマスクで覆われている。装甲は、放熱を抑える改修が施されており、隠密性を更に向上させている。忍びの名の通り特殊な武装が多く、マスク先端に内蔵された神経毒を含む吹矢や両前脚のカウンターブレード、背部には通常弾のほか煙幕弾や信号弾を搭載した火筒を装備している。また、バラッツを自在に操る「蟲使い」の技を持つ。

※機体諸元は「ゾイドジェネレイションズ」設定資料集より。

ライトニングサイクス・レーザーアタッカー

学年誌『小学二年生』2000年11月号に掲載された改造ライトニングサイクス。バックパックの砲身を交換し、ハードポイントにはレドラー用のブースターキャノンも装備。カラーリングはオレンジ主体となっている。同誌掲載の漫画『ゾイドバトルストーリー』でもアーバインが搭乗するライトニングサイクスが同様の装備を搭載し、デススティンガーに立ち向かった。

脚注

  1. ^ a b c d 小学館「ゾイド公式ファンブック2」より
  2. ^ a b 小学館「小学二年生」2000年10月号より
  3. ^ モチーフとなったチーターは実在のネコ科動物で唯一、爪を隠すことができない