ヨーロッパ (ロケット)

ヨーロッパ (Europa)
ヨーロッパ2展示機（ユーロ・スペース・センター）
基本データ
運用国	ヨーロッパ
開発者	ELDO
運用機関	ELDO
使用期間	1968年 - 1971年
射場	ウーメラ試験設備 ギアナ宇宙センター
打ち上げ数	4回（成功0回）
原型	ブルーストリークIRBM
物理的特徴
段数	3段（ヨーロッパ1） 4段 （ヨーロッパ2）
ブースター	無
総質量	106 t （ヨーロッパ1） 112 t （ヨーロッパ2）
全長	31.68 m
直径	3.69 m
軌道投入能力
低軌道	1,440kg（ヨーロッパ 1）
静止移行軌道	360kg（ヨーロッパ2）

ヨーロッパはヨーロッパ宇宙機関(ESA)の前身の一つである欧州ロケット開発機構(ELDO)の開発していた初期の使い捨て型ロケットであり、アリアンシリーズの前身である。

概要

1962年にELDO-Aとしてイギリス主導で計画が開始され、1967年8月に初の打ち上げ試験を行った。ヨーロッパ計画は3段階の計画であったが、ヨーロッパ1は全てが打ち上げに失敗し、それに続くヨーロッパ2も打ち上げに失敗、4機連続で人工衛星の投入に失敗した。それによって最終型のヨーロッパ3の打ち上げ以前に計画は中止され、ELDOはヨーロッパ宇宙機関(ESA)へと発展的に解消された。

開発は参加国別に配分された。イギリスは独自開発していた中距離弾道ミサイル(IRBM)から転用した第1段ブルーストリーク(Blue Streak)、フランスは第2段コラリー(Coralie)とディアマンBの第3段から流用したヨーロッパ2用の第4段P068、ドイツが第3段アストリス(Astris)、イタリアとベルギーが搭載する人工衛星、オランダがテレメトリや誘導制御装置等の電装系をそれぞれ担当した。イギリスが開発した第1段の設計はヤード・ポンド法、その他の部分の設計はメートル法を採用した。

開発にはヨーロッパ1の第2段と第3段のみを使用した弾道飛行ロケットコラも用いられた。

打ち上げ記録

打ち上げ	日時	形式	段数	ペイロード	射場
01	1964年6月5日	ブルーストリーク	1	-	ウーメラ
02	1964年10月20日	ブルーストリーク	1	-	ウーメラ
03	1965年3月22日	ブルーストリーク	1	-	ウーメラ
04	1966年5月24日	ブルーストリーク	1	上段はモックアップ	ウーメラ
05	1966年11月15日	ブルーストリーク	1	上段はモックアップ	ウーメラ
06	1967年8月4日	ヨーロッパ 1	2	第3段はモックアップ	ウーメラ
07	1967年12月5日	ヨーロッパ 1	2	第3段はモックアップ	ウーメラ
08	1968年11月30日	ヨーロッパ 1	3	人工衛星はモックアップ	ウーメラ
09	1969年7月31日	ヨーロッパ 1	3	人工衛星はモックアップ	ウーメラ
10	1970年6月6日	ヨーロッパ 1	3	人工衛星はモックアップ	ウーメラ
11	1971年11月5日	ヨーロッパ 2	4	人工衛星はモックアップ	クールー

ヨーロッパ II ロケットエンジン

出典

• Bleeker, J. A. M., M. Huber, and Johannes Geiss (2001). The Century of Space Exploration. Dordrer: Klower Academic Publications.
• Bonnet, R. M. (1998). "Europe's Final Frontier." Forum for Applied Research and Technology. 13.
• (1967). "European Rocket Crashes on Flight." New York Times. August 5.
• Harvey, Brian (2003). Europe's Space Programma: To Ariane and Beyond. Berlin: Springer-Verlag.
• Morgan Dan (1969). "Europe's Rocketry Beset By Failure." Washington Post. July 24.
• J. Krige and A. Russo (2000). "A History of the European Space Agency 1958 – 1987 (Vol. 1 - ESRO and ELDO, 1958 - 1973) " European Space Agency Special Publication