メナイ海峡

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メナイ海峡に架かるメナイ吊橋

メナイ海峡(Menai Strait)とは、イギリスウェールズグウィネズにあるグレートブリテン島アングルシー島の間に位置する海峡。

概要

橋梁は二箇所に架橋されており、トーマス・テルフォード1826年に架橋したA5道メナイ吊橋ロバート・スチーブンソン1850年に架橋したアリーヴァ・トレインズ・ウェールズノース・ウェールズ・コースト線が走っているブリタニア橋がある。また、その二つの橋の中間、スウェリーにはシラス島教会島等数個の島が浮かんでいる。

また、海峡の一番アイリッシュ海側、つまりアバメンタル崎ベラン岬の間は最も幅が狭く、400m程しかない。他に先述した架橋部も幅が500m程である等、非常に細い海峡である。海峡の一番リヴァプール湾側、スランデグパンバンガー桟橋の間も900m程しかない。長さは直線距離で15km程である。

歴史

更新世氷河が北東方面より南西方面に向かって浸食してゆき、現在のこの海峡の原型が出来たとされている。そして、更新世の終わりに高さが海面とほぼ等しくなり、この海峡が生まれたとされている。

潮の影響

幅は25kmで非常に浅い海峡であるが、潮汐によって水流の強さが両方向とも変化するので浅いとは雖も危険である。干潮時には水深が50cm程になる場所も在り、徒歩で渡れそうな気もするが、潮は時速9km程度で流れており、非常に危険である。

また、この海峡は潮が満ちてくると、南西部、アイリッシュ海側から海水が海峡内に入り、北東部へと海面上昇が波及していく。そして、潮が引いてくると、逆に北東部から海面が下がっていく。また、岩の表面が起因となって渦が発生し、小さいボート程度の船ならば沈没する。実際に、航海練習船HMSコンウェイ号は1953年にこの海峡で沈没している。また、それ以外にもカナーヴォン付近には砂地が出来ており、特にアイリッシュ海側からの船舶は座礁しやすくなっている。

生態系

この海峡は潮の影響を受けるが、海峡と言う閉鎖性故、波の影響を受けない。その特性から海底区分帯の生物が生息している。水深15m程度の場所は7ノットを超える潮の速度なので、海綿動物にとって好環境となっている。この独特な生態系を研究する為、海峡のすぐ近くにあるメナイ・ブリッジには海洋科学学校が存在する。

周辺

リヴァプール側から順番に挙げていくと、まず、海峡に入る手前にアングルシー島側はビューマリス、グレートブリテン島側はペンリン城ペンリン公園等が見えてくる。そして、バンガー桟橋が見えてくるとバンガーがグレートブリテン側に、世界一長い地名のランヴァイル・プルグウィンギル・ゴゲリフウィルンドロブル・ランティシリオゴゴゴホがアングルシー島側に見えてくる。この二都市はそれぞれノース・ウェールズ・コースト線の駅(バンガー駅ランヴァイル・プルグウィンギル・ゴゲリフウィルンドロブル・ランティシリオゴゴゴホ駅)があり、ホーリーヘッドチェスター等の行き先へと列車で向かう事も出来る。また、メナイ・ブリッジも駅はないもののアングルシー島側に見える。そして、メナイ吊橋、ブリタニア橋と海峡を渡る橋を通過する。

二つの橋を通過すると土地は樹が茂る場所となり、海峡も西進していたのが、一回南進へと針路を変える。そして、再び西進へと戻る場所にY ベリンヘリがある。そして、砂地が出てきて水深が浅くなるとカナーヴォンが見える。この二都市は両方ともグレートブリテン島に存在し、この二都市の区間はA487道が海峡と並走している。そして、アバメンタル崎とベラン岬の狭い場所を通過するとアイルランド側に出る。