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メインストリーム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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メインストリーム(mainstream)とは、ある分野の中で主流となる一群を指す言葉である。主流派と同義。

一般英語として

英語mainstream名詞として「主流」、形容詞として「主流の」という意味を持つ。

文化、芸術において

この語はしばしば音楽文学パフォーマンスなど芸術分野に対して用いられる。この場合、メインストリームという語には「普通の」「大衆にとって親しみやすい」「一般の人々にも手に入る」「商業的価値が高い」などを含意する。この場合、メインストリームにはマスメディアで紹介されるようなあらゆる大衆文化(ポップカルチャー)が含まれ、その反対は「サブカルチャー」「カウンターカルチャー」「カルト」「アンダーグラウンド」などの少数派の文化となる。時として、先鋭的であることや少数派であることを肯定するサブカルチャーの側からは、売れ筋のポップカルチャーに対して商業主義的であることを軽蔑する語としても使用される。

文芸評論においては、メインストリームとは19世紀以来の伝統的なリアリズムに基づいた小説フィクションのことを指す。これに対して、特定のジャンルのファン向けに描かれた「ジャンルフィクション」(SFファンタジーミステリーロマンスなど)は、メインストリームからは異なる非主流文学とみなされる。ジャンルフィクションとメインストリームとの境界を崩すような、非リアリスティックな実験的文学はスリップストリームと呼ばれる。

製品やサービスを指す場合

製品やサービスに関してメインストリームと言う場合、それが一般層を目的としているということになる。ミドルレンジと同義である。

例えば「メインストリームの製品」とは「一般向け製品」を指し、多くの機能が省かれているか低性能であることが多いエントリーモデルと比べると、そこそこの性能を有しており基本的な機能も一通り備えている分価格はやや高い。逆に少数のマニア層や富裕層に向けたハイエンド製品に比べると機能も少なく価格も安いことが多い。

科学において

トーマス・クーン(1922 - 1996)は、メインストリームサイエンス(の位置づけ)は以下のように理解できる、と説明した(主張した)。

科学的知識として体系化されている
科学的方法で取り扱われている
科学であろうとするか、科学であるように見える
迷信 疑似科学 en:fringe science
フリンジサイエンス
プロトサイエンス メインストリーム・サイエンス


メインストリーム・サイエンスと疑似科学をいかに区別するか、という問題は線引き問題と呼ばれている。

社会学において

社会学においてメインストリームの圧力(Mainstream pressure)とは、同質化圧力などを通じて、個人を集団の規範へと順応させる力を指す(たとえば年齢や価値観の均質な「仲間集団 / peer group 」のもつ権威への服従)。メインストリームは個人に対して「普通」になるよう圧力をかける存在であり、個人主義の反対側に位置するものである。

ジェンダー政策において

ジェンダー・メインストリーミング、ジェンダー主流化(性別主流化、gender mainstreaming)とは、女性の地位向上あるいは男女の平等化のために用いられる手段で、政府などが行うあらゆる政策や事業等の中心にジェンダー格差解消の視点を据えることを指す。[1]

福祉政策において

障害者政策において、メインストリーミング(Mainstreaming)とは、障害者児童を「主流の」健常者児童と同じ学校生活の中に置き、互いに区別することなく社会生活を共にさせようという試み。日本ではノーマライゼーションと呼ばれる。メインストリーミングにおいては、障害者児童は健常者児童と同じ学級に出席するとともに、同じ障害を持つ児童だけの学級にも出席する。これは、障害者を特別な学校または学級へと分離する方針と、障害者が完全に普通の学級にだけ出席し普通の生徒と同じ生活を送らせようという方針の中間にあたる。

関連項目