ベンチ

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ベンチ (Bench)


庭にあるベンチ
庭にあるベンチ
ベンチで寝る男性
公園にあるベンチ。ときどき手すりがあります。


ベンチ (Bench) は、椅子の一種で主に日本では2人以上座ることが出来る長椅子を指す。なお、個々の区画に区切ることがないため、肘掛けがない、あっても両端部にのみ設置している事例が多い。また、背の部分がない椅子であることも多い。

尚、形状については、必ずしも長椅子ではなく、上から見ると円形・楕円形・三角形のものもある。

主に、公園街路樹待合室プラットホームなどに設けられることが多い。

材質としては座面には木材プラスティック等が用いられ、脚部に金属が用いられる場合が多い。また、脚部固定のために地表に据え付けるためにコンクリート等を用いる場合がある。

一般に、公共施設に設置されるものにはリサイクル材を用いる場合がある。変わったところでは、京王電鉄が使用済みの定期乗車券パスネットカードを回収して再利用した事例がある[1]

定員については、形状上1人掛けのものもあるが、基本的には2人以上座れることが多い。しかし、鉄道車両のロングシートなど設計上の定員はあるものでも、設計が古い、荷物置きなどにつかわれるなどで実際にその定員を守ることが利用者のマナーに委ねられる事例がままある。

なお、自動車の一部にはこれに類似したベンチシートがあるが、背ずりがあり、また自動車用の椅子でもあることから、安全装置としてシートベルトが設置されているため、乗客の位置が決まっていること。そのため、座面が平面になっているという程度の意味合いに近い。

スポーツにおいては、競技場内で選手やコーチなどが試合中に着席するために使用されている椅子、すなわち「プレーヤーズ・ベンチ」を指すが、その椅子を含めて競技者が控えるエリアをベンチと呼ぶことが多い。そのため選手として登録されることを「ベンチ入り」と表現する。このエリアを指す場合、「ダッグアウト(野球)」「テクニカル・エリア(サッカー)」と呼ぶこともある。また特に野球においては監督・コーチ陣など作戦を担当する者たちをベンチと称する場合があり、MLBではコーチングスタッフのうち監督に次ぐ地位の役職を「ベンチコーチ」(日本のヘッドコーチに該当)と呼んでいる。

世界一長いベンチ

富来の世界一長いベンチ

ギネス・ワールド・レコーズによる世界一長いベンチは、1987年石川県羽咋郡富来町領家町(現志賀町富来領家町)の増穂浦海岸沿いに同町が設置したもので、設置された全長460.9mのものである。

これ以前の世界記録も日本国内にあり、北海道帯広市公園東町5丁目の緑ヶ丘公園に設置された全長400mのものであった。富来町による記録更新に対抗するため延伸するべきという意見もあったが、帯広市のベンチは市街地の公園に設置されたものであり、「富来町のベンチは海岸沿いのためいくらでも延長できる」と市当局が判断し、延伸は見送られた[2]

参考文献

  1. ^ 環境保全への取り組み - 京王グループ
  2. ^ 北海道新聞』1994年7月21日 朝刊地方21面 帯広C版

関連項目