ハイネリア

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ハイネリア
生息年代: 360.00 Ma
生態復元想像図
地質時代
約3億6000万年前
古生代デボン紀末期ファメニアン)
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
上綱 : 顎口上綱 Gnathostomata
: 肉鰭綱 Sarcopterygii
亜綱 : 扇鰭亜綱 Tetrapodomorpha
上目 : オステオレピス上目 Osteolepiformes
: エウステノプテロン科 Tristichopteridae
: ハイネリア属 Hyneria
学名
Hyneria
Keith Stewart Thomson, 1968
タイプ種
Eusthenopteron lindae
Keith Stewart Thomson, 1968
和名
ハイネリア
  • H.lindae(模式種)

ハイネリア(Hyneria)は、約3億6000万年前のデボン紀の北アメリカに生息した大型の肉食性淡水魚である。硬骨魚類肉鰭綱に属する。

語源

属名であるハイネリアは最初の化石が発見された近辺のアメリカ合衆国ペンシルバニア州ハイナー村にちなんでいる。H. lindaeの種小名は、この魚を記載したケイス・スチュワート・トムソンの妻の名をとって名付けられた[1]

発見

最初の化石はアメリカ合衆国ペンシルバニア州の2つの地域で発見されており、ノースベンド村とハイナー村の間で1つ、エンポリアムで1つ発見された。標本は裂けた頭骨の破片と肩甲骨の断片から構成されている[1]。これらの化石はデボン紀後期のレッド・ヒル・シェールのキャッツキル層で発見された[2] 。これは新規参入した化石収集家が新たに豊富な化石を発見した、1993年までに知られている唯一の例である[2] 。ハイネリアはレッド・ヒル・シェールで発見された最大にして最も一般的な肉鰭網の魚類とされている[3]

形態

全長は2.5~3.7メートルと推定されている[1][4]。頭骨には重厚な皮骨があり、下顎は長く浅く、歯は丈夫だった。最大5.1cmに達する牙を前上顎骨が形成していた[1][2]。体はウロコで覆われており[2][5]、その大きさは長さ5cmで幅6cmに達した[6]

生態

生息していた淡水環境は濁って視界が悪くなっていたと推測されており、獲物の発見をしやすくするため大河を生息域にしていたとされている[5]

脚注

  1. ^ a b c d Thomson, K. S. (1968). “A new Devonian fish (Crossopterygii: Rhipidistia) considered in relation to the origin of the Amphibia”. Postilla 124. 
  2. ^ a b c d Daeschler, EB; Shubin, NH (2007). “New data on Hyneria lindae (Sarcopterygii, Tristichopteridae) from the Late Devonian of Pennsylvania, USA.”. Journal of Vertebrate Paleontology 27 (S3). doi:10.1080/02724634.2007.10010458. 
  3. ^ "The Missing Link". Nova. シーズン29. Boston. 26 February 2002. PBShttps://www.pbs.org/wgbh/nova/transcripts/2905_link.html {{cite episode}}: |transcripturl=に対応するタイトル引数を入力してください。 (説明)
  4. ^ https://www.sciencedaily.com/releases/2018/05/180507153124.htm
  5. ^ a b https://www.sciencedaily.com/releases/2018/05/180507153124.htm
  6. ^ 土屋健リアルサイズ古生物図鑑 古生代編』技術評論社、148-149頁。ISBN 978-4-7741-9913-9