ノディ・ホルダー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ノディ・ホルダー
MBE
ノディ・ホルダー(1981年)
基本情報
出生名 ネヴィル・ジョン・ホルダー
生誕 (1946-06-15) 1946年6月15日(77歳)
出身地 イングランドの旗 イングランド ウェスト・ミッドランズ ウォルソール
ジャンル
職業
担当楽器
共同作業者 スレイド
公式サイト Noddy Holder Official Website

ネヴィル・ジョン・「ノディ」・ホルダーNeville John "Noddy" Holder MBE1946年6月15日 - )、通称ノディ・ホルダーは、イギリスミュージシャン俳優である。1970年代よりロックバンド、スレイドではリード・ボーカリストリズムギタリストとして活動を行ない、ベーシストのジム・リー英語版と共にバンドの楽曲を手がけた。

来歴[編集]

幼年期 - 青年期[編集]

1946年6月15日にウェスト・ミッドランズウォルソールで生まれる。イレブンプラス試験に合格し、グラマースクールに閉校までの1年間通学した[1]。その後、T.P.ライリー・コンプレヘンシヴ・スクールに転校[1]し、6種のOレベル試験に合格した[2][3]

13歳のときに学校の友人たちとロッキン・ファントムズ(英語: The Rockin' Phantoms)というバンドを結成し、アルバイトで得た給料でギターアンプを購入した[2]。学校を卒業後、ホルダーは自身のバンド、メンフィス・カットアウツ(英語: The Memphis Cutouts)を結成[4]。1965年には、コロムビア・レコードのアーティスト、スティーヴ・ブレットが率いるバンド[5]やマーベリックスのボーカルとギターを担当[6]。翌年ににスティーヴ・ブレットのバンドを脱退し、リッスンというバンドのロードマネージャーを務める[5]

スレイド[編集]

1965年にイン・ビトゥインーズ(The 'N Betweens)とマーベリックスがフェリーで出会い、デイヴ・ヒル英語版ドン・パウエル英語版はホルダーにイン・ビトゥインーズへの参加の話を持ちかけるが、ホルダーは断った。その後、ウルヴァーハンプトンで再会し、ホルダーはイン・ビトゥインーズへの参加に同意[2]。同年にアンブローズ・スレイド(Ambrose Slade)名義でファースト・アルバム『ビギニングス』を発売したが、同作がチャートインすることはなかった[2]。後にチャス・チャンドラーのプロデュースのもと、イメージ改革に乗り出すこととなり、バンド名を「スレイド」に改名。1971年にシングルとして発売されたボビー・マーシャンのカバー曲「Get Down Get With It」が全英シングルチャートでは最高位16位を獲得し[7]、続いて発売されたシングル『だから君が好き』で初の第1位を獲得した[8][9]

ホルダーは、リーとともにバンドのほぼすべての曲の作詞作曲を手がけていて、中でも1973年に発表された「メリー・クリスマス・エヴリバディ」は、全英シングルチャートで首位を獲得した6作目のシングルで、2018年12月までにイギリスだけで100万枚以上の売上を記録している[10]

1992年にスレイドを脱退[11]

その他の活動[編集]

1982年に学生時代の友人であるフィル・バーネル及びスリーフェーズと共同で、シングル『All I Wants To Do Is (Fall in Love With You)』を発売。

1983年後半、リーと共にガールスクールのプロデューサーを務め、T・レックスのカバー曲「20thセンチュリー・ボーイ」、リーとともに書いた「ハイ・アンド・ドライ」や「バーニング・イン・ザ・ヒート」などが収録されたアルバム『プレイ・ダーティー英語版』を発売。

1988年にカナダのペプシコーラCMのために「Tear into the Weekend」をレコーディング。1989年にヒルと共に新たに結成したバンド、ブレシングス・イン・ディスガイズ(Blessings in Disguise)でボーカルを担当。同バンドには、元ウィザードのビル・ハントや、クレイグ・フェニー、ボブ・ラムも参加していた[12]。同年12月にエヴァリー・ブラザーズのカバー曲「クライング・イン・ザ・レイン」でデビュー。

スレイド脱退後[編集]

スレイド脱退後、ホルダーは複数のテレビ番組に出演し、ITVで1999年から2001年にかけて放送されたコメディドラマ『The Grimleys』にクラシック音楽の教師役として出演した。同ドラマでは、「だから君が好き」、「カモン!!」、「クレイジー・ママ」、「エヴリデイ」のアコースティック・バージョンが披露された[13]。ピカデリー1152やキー103では自身のラジオ番組を持ち、1990年代を通して全国でシンジケート放送され、2004年から2004年にかけてセンチュリーやキャピタル・ラジオでシンジケート放送された[14][15]

1999年にリサ・ウェリコとの共著で自伝『Who's Crazee Now?』を出版。2001年にはペーパーバック版が発売された。

2006年にミスティーズ・ビッグ・アドベンチャー英語版が発表したシングル曲「Fashion Parade」のミュージック・ビデオに出演[16]

人物[編集]

1976年に衣装デザイナーのレアンドラ・ラッセルと結婚[17]。1984年にジェシカとチャリシーという2人の娘が誕生。1984年にラッセルと離婚し、2004年にテレビプロデューサーのスーザン・プライスと再婚[18][19]

2000年にMBE勲章を授与され、2001年に英国作曲者賞とソングライター賞の金のバッジを授与された[20]。2014年6月24日に故郷のウォールソールの名誉市民権を授与された[21]

作品[編集]

書籍[編集]

出演[編集]

テレビドラマ[編集]

邦題
原題
役名 備考
1999-2012 The Grimleys ネヴィル・ホルダー[注釈 1]
Mr. Neville Holder
22エピソード
1997 The Grimleys ネヴィル・ホルダー
Mr. Neville Holder
テレビ映画
2000 コロネーション・ストリート
Coronation Street
スタン・ポッター
Stan Potter
1エピソード
2004 Max and Paddy's Road to Nowhere ミック・バスティン
Mick Bustin
1エピソード
2016 The Life of Rock with Brian Pern ノディ・ホルダー
Noddy Holder
エピソード「The Thotch Reunion」

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 本人役ではなく、クラシック音楽の教師の役。

出典[編集]

  1. ^ a b Holder & Verrico 1999, p. 25.
  2. ^ a b c d Charlesworth 1984.
  3. ^ Holder & Verrico 1999, p. 34.
  4. ^ Laws, Roz (2013年7月19日). “Slade singer Noddy Holder keeps coming back to Walsall to play free gigs in hotel bars”. Birmingham Live. Reach plc. 2021年4月7日閲覧。
  5. ^ a b D'Agostino 2001, p. 41.
  6. ^ The Genesis of Slade (booklet). Slade. 1996.
  7. ^ Charlesworth, Chris (1984). Slade, Feel the Noize!: an illustrated biography. London: Omnibus Press. p. 31. ISBN 0-7119-0538-X 
  8. ^ Official Singles Chart Top 50”. Official Charts Company (1971年11月7日). 2021年4月7日閲覧。
  9. ^ Schaffner, Nicholas (1982). The British Invasion: From the First Wave to the New Wave. McGraw-Hill. p. 304. ISBN 0-0705-5089-1 
  10. ^ Sold on Song: 'Merry Xmas Everybody' - Slade”. BBC Radio 2. 2021年4月16日閲覧。
  11. ^ “Slade, self-isolation, world tours and Walsall: An interview with Noddy Holder”. Express & Star (MNA Media). (2020年10月3日). https://www.expressandstar.com/entertainment/music/2020/10/03/slades-noddy-holder-enjoying-an-excuse-to-revisit-his-life-in-music/ 2021年4月16日閲覧。 
  12. ^ Crying in the Rain (sleeve). Crying in the Rain. Mooncrest Records. 1989.
  13. ^ Noddy Holder”. Slade – Weer All Crazee. 2021年4月16日閲覧。
  14. ^ Jingle of Piccadilly Gold Noddy Holder's 70s Show”. audioBoom. 2021年4月16日閲覧。
  15. ^ Noddy approached for millionaire role” (2007年2月17日). 2021年4月16日閲覧。
  16. ^ Book Noddy Holder For Your Event”. Prime Performers UK. 2010年12月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月16日閲覧。
  17. ^ 1976 Press Cuttings”. Slade Scrapbook. 2021年4月16日閲覧。
  18. ^ Holder 2014, p. 53.
  19. ^ “He's Noddy, but so nice: We speak to Slade's singer”. Belfast Telegraph (Independent News & Media). (2015年4月8日). https://www.belfasttelegraph.co.uk/life/features/hes-noddy-but-so-nice-we-speak-to-slades-singer-31125576.html 2021年4月16日閲覧。 
  20. ^ Gold Badge Awards: Roll of Honour”. BASCA (2013年). 2017年8月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年12月6日閲覧。
  21. ^ “Noddy Holder from Slade given freedom of Walsall”. BBC News (BBC). (2014年6月24日). https://www.bbc.com/news/uk-england-birmingham-27980514 2021年4月16日閲覧。 

参考文献[編集]

外部リンク[編集]