ラジオ・ウォール・オブ・サウンド

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ラジオ・ウォール・オブ・サウンド
スレイドシングル
初出アルバム『ウォール・オブ・ヒッツ英語版
B面 レイ・ユア・ラヴ・オン・ザ・ライン
リリース
規格
ジャンル スタジアム・ロック
時間
レーベル ポリドール・レコード
作詞・作曲 ジム・リー英語版
プロデュース ジム・リー
チャート最高順位
後述を参照
スレイド シングル 年表
  • ラジオ・ウォール・オブ・サウンド
  • (1991年)
ウォール・オブ・ヒッツ英語版 収録曲
ラン・ランナウェイ
(17)
ラジオ・ウォール・オブ・サウンド
(18)
ユニヴァース
(19)
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ラジオ・ウォール・オブ・サウンド」(Radio Wall Of Sound)は、スレイドの楽曲である。1991年10月7日にポリドール・レコードからシングル盤として発売された。作詞作曲はジム・リー英語版が手がけており、リード・ボーカルもリーが務めた[1]。シングル盤は、全英シングルチャートで最高位21位を獲得し、スレイドにとってシングルチャート入りした最後のシングルとなった。

背景[編集]

「ラジオ・ウォール・オブ・サウンド」は、元々はリーによるソロ曲で[2]、1990年のファンクラブのインタビューで「『ラジオ・ウォール・オブ・サウンド』という曲を書いた時、それはスレイドの曲のように聴こえた。弟のフランクも同じことを言っていたよ」と語っている[3]。リーはデモ音源を別の作品と組み合わせて、本作を仕上げた[2]

本作のレコーディングは、ロンドンのウォーダー・ストリートにあるベースメント・スタジオと、バーミンガムにあるリッチ・ビッチ・スタジオで行なわれた[2]。通常、スレイドの楽曲はノディ・ホルダーがリード・ボーカルを務めているが、リッチ・ビッチ・スタジオでのボーカルのレコーディング中に火事が発生したこと、さらにホルダーが歌うにはキーが低いことから、ヴァースのリード・ボーカルはリーのデモ音源がそのまま使用された[2]

DJによるボイスオーバーのパートを楽曲に取り入れるにあたり、バンドは放送作家で司会者のマイク・リード英語版に話を持ちかけた。このことについて、リードは自伝『Seize the Day』で、「彼らは、この曲に動きをつけるにはアメリカンスタイルのDJの話し声が必要だと感じて、僕にロンドン北部のスタジオに立ち寄れるかどうか尋ねてきた」と振り返っている[4]

リリース[編集]

「ラジオ・ウォール・オブ・サウンド」は、コンピレーション・アルバム『ウォール・オブ・ヒッツ英語版』からの先行シングルで[1]、イギリスや欧州全域で7インチシングル、マキシシングル、シングル・カセットで発売され、イギリスでは12インチシングルとしても発売された。B面にはデイヴ・ヒル英語版と元ウィザードのビル・ハントの共作「レイ・ユア・ラヴ・オン・ザ・ライン」が収録され[1]、2007年に発売されたコンピレーション・アルバム『B-Sides』にも収録された[5]。なお、12インチシングルおよびマキシシングルには、1973年に発売された「カモン!!」がカップリング曲として追加収録された。

シングル盤は、全英シングルチャートで最高位21位を獲得[6]し、1984年以来のトップ40入りを果たした。

プロモーション[編集]

「ラジオ・ウォール・オブ・サウンド」のミュージック・ビデオは、ウィリアム・クラークが監督を務めた作品で、1991年9月に撮影された[7][8]。このビデオは、ラジオ局の屋上でメンバーが演奏するという内容になっている。

イギリスでは、『トップ・オブ・ザ・ポップス』や『Motormouth』などの音楽番組で演奏された[9]

評価[編集]

ニュース・オブ・ザ・ワールド』紙のジョン・ミラードは、「スレイドは、まだすごくすごく騒々しい。10月のヒット曲『ラジオ・ウォール・オブ・サウンド』は、70年代のスレイドの騒々しく、生き生きとした全盛期を思い出させる曲だった」と評している[10]。ボブ・スタンリーは、2013年に出版した著書『Yeah Yeah Yeah: The Story of Modern Pop』で「バンドの近代のキャリアにおける『輝かしい瞬間』」と評している[11]

シングル収録曲[編集]

7インチシングル、シングル・カセット
#タイトル作詞・作曲プロデューサー時間
1.「ラジオ・ウォール・オブ・サウンド」(Radio Wall Of Sound)ジム・リー英語版ジム・リー
2.「レイ・ユア・ラヴ・オン・ザ・ライン」(Lay Your Love On The Line)
ジム・リー
合計時間:
12インチシングル、マキシシングル
#タイトル作詞・作曲プロデューサー時間
1.「ラジオ・ウォール・オブ・サウンド」(Radio Wall Of Sound)ジム・リージム・リー
2.「レイ・ユア・ラヴ・オン・ザ・ライン」(Lay Your Love On The Line)
  • ビル・ハント
  • デイヴ・ヒル
ジム・リー
3.カモン!!(Cum On Feel The Noize)チャス・チャンドラー
合計時間:

クレジット[編集]

スレイド
外部ミュージシャン

チャート成績[編集]

チャート (1991年) 最高位
ベルギー (Ultratop 50 Flanders)[12] 21
アイルランド (IRMA)[13]
30
オランダ (Single Top 100)[14] 22
UK シングルス (Official Charts Company)[6] 21

カバー・バージョン[編集]

  • ミック・ホワイト - 2004年に発売されたトリビュート・アルバム『Slade Remade - A Tribute To Slade』に収録。

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c Powell & Falkenburg 2013, p. 316.
  2. ^ a b c d Charlesworth 1997.
  3. ^ COLLECTED SLADE INTERVIEWS 1987 - 1999”. crazeeworld.plus.com. 2021年4月18日閲覧。
  4. ^ Read, Mike (2014). Seize the Day. Biteback Publishing. p. 156. ISBN 1-8495-4812-9 
  5. ^ Thompson, Dave. B-Sides - Slade | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2021年4月18日閲覧。
  6. ^ a b "Official Singles Chart Top 100". UK Singles Chart. 2021年4月17日閲覧。
  7. ^ Radio Wall Of Sound Diary”. sladefanclub.com. 2021年4月18日閲覧。
  8. ^ 1991”. Sladefanclub.com. 2021年4月18日閲覧。
  9. ^ SLADE @ www.slayed.co.uk”. Crazeeworld.plus.com. 2011年10月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月10日閲覧。
  10. ^ Millard, John (1991年). “The band that won't keep quiet”. News Of The World (Group Newspapers of News International) 
  11. ^ Stanley, Bob (13 September 2013). Yeah Yeah Yeah: The Story of Modern Pop. Faber & Faber. p. 331. ISBN 9780571281985. https://books.google.com/books?id=9emZAAAAQBAJ&pg=PT331&dq=slade+radio+wall+of+sound#q=slade%20radio%20wall%20of%20sound 
  12. ^ "Ultratop.be – Slade – Radio Wall Of Sound" (in Dutch). Ultratop 50. 2021年4月17日閲覧。
  13. ^ The Irish Charts - Search Results - Slade”. Irish Singles Chart. 2022年3月27日閲覧。
  14. ^ "Dutchcharts.nl – Slade – Radio Wall Of Sound" (in Dutch). Single Top 100. 2021年4月17日閲覧。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]