セイヨウオオバコ

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セイヨウオオバコ
セイヨウオオバコ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : キク類 asterids
階級なし : シソ類 lamiids
: シソ目 Lamiales
: オオバコ科 Plantaginaceae
: オオバコ属 Plantago
: セイヨウオオバコ P. major
学名
Plantago major
L.
和名
セイヨウオオバコ(西洋大葉子)
英名
Greater Plantain[1]
Common Plantain

セイヨウオオバコ(西洋大葉子, Plantago major)は、オオバコ科オオバコ属に分類される植物。和名はオニオオバコともされる。原産地はヨーロッパアジア北部、アジア中央部の大部分である[2][3]。しかし、世界各地で雑草として帰化している[4]

分布[編集]

ヨーロッパを原産地とする。

日本には北海道から沖縄までの全国に移入分布する。

形態・生態[編集]

セイヨウオオバコは多年生草本で、ロゼット状にをつける。葉は丸く、通常長さ5-20cm、幅4-9cm程度であるが、まれに長さ30cm、幅17cm程度まで大きくなることもある。 花は穂状花序で、花の色は緑がかった茶色。各花は紫色のおしべを持つ。花茎は直立し、長さ13-15cm(まれに70cm)程度になる[3][5]

土壌の貧弱な道端や踏み付けの多いところでも生育する。また草原でも普通に生育し、農作物の雑草としてもよく見られる。花は風媒花で、直立した穂状花序で生産される種子によって主に繁殖する[5]

亜種[編集]

以下の3亜種が知られている[2]

  • Plantago major subsp. major.
  • Plantago major subsp. intermedia (DC.) Arcang.
  • Plantago major subsp. winteri (Wirtg.) W.Ludw.

人間との関係[編集]

果実と種子

セイヨウオオバコの種子は穀物農作物の種子によく混じっている。そのため、世界各国で帰化し、地域によっては侵略的外来種として扱われている[4]ネイティブアメリカンは、白人が通った道にセイヨウオオバコが生えることから、セイヨウオオバコを「白人の足跡」「イギリス人の足」と呼んだ[6]。日本でも身近な植物であり、子供の間では2本の茎を絡めて互いに引っ張り合い茎の強さを競う「オオバコ相撲」と呼ばれる遊びが行われる[7]

セイヨウオオバコの葉は薬草として用いられることがある。また歴史的に、傷の治療やヘビによる咬傷の治療にも用いられた[8]。またセイヨウオオバコは、肌荒れ防止効果があるとされるアラントインを含んでおり、同じくアラントインを含むヒレハリソウの製剤(肝臓毒性があると判明した)に代わってセイヨウオオバコの抽出成分が用いられることもある。またセイヨウオオバコは、肝毒性を抑止する効果があるとされるアウクビンも含有している。

脚注[編集]

  1. ^ Joint Nature Conservation Committee: Greater Plantain Plantago major Linnaeus
  2. ^ a b Flora Europaea: Plantago major
  3. ^ a b Flora of Pakistan: Plantago major
  4. ^ a b Germplasm Resources Information Network: Plantago major
  5. ^ a b Blamey, M. & Grey-Wilson, C. (1989). Flora of Britain and Northern Europe. ISBN 0-340-40170-2
  6. ^ Sauer, Leslie Jones (1998). The Once and Future Forest. Island Press. p. 49. ISBN 1559635533. https://books.google.co.jp/books?id=bC76cUM721sC&redir_esc=y&hl=ja 
  7. ^ あそび教室のホームページ オオバコ相撲 あそびのルール 画像あり
  8. ^ D. Jackson & K. Bergeron Plantain Alternative Nature Online Herbal