スルザー
スルザー(ズルツァー、Sulzer)は、スイスの機械メーカー。1834年設立。鉄道・船舶用ディーゼルエンジンを始めタービン、ポンプなど産業機械の製造のほか、表面処理や化学工業といった事業を手がける。
組織
スルザーは現在、分野別に以下の4部門を持っている。
- スルザーポンプ (Sulzer Pumps)
- 従業員数5,000人。ポンプやミキサー、攪拌(かくはん)機の製造を手がける。
- スルザーメテコ (Sulzer Metco)
- 従業員数1,700人。溶射など表面処理を手がける。
- スルザーケムテック (Sulzer Chemtech)
- 従業員数1,400人。分離カラム、スタティックミキサーなどの化学工業分野。
- スルザーターボサービス (Sulzer Turbo Services)
- 従業員数1,100人。タービン、熱機関関連。
このほか、研究開発部門としてスルザーイノテック (Sulzer Innotec) を抱える。
歴史
スルザーは1834年、スイス・チューリヒ州の都市、ビンテルトゥール (Winterthur) でスルザー・ブラザーズ (Sulzer Brothers) 社として設立され、当初は紡績機や織機の製造を主要な事業としていた。その後、ルドルフ・ディーゼルによってディーゼルエンジンが発明されると、その特許を1893年に購入。そして1898年、スルザー最初のディーゼルエンジンが製造された。1930年代から1940年代にかけて、スルザーのディーゼルエンジンを搭載したディーゼル機関車がヨーロッパや南アメリカを中心に世界中で用いられた。
1990年、スルザーはディーゼルエンジン部門をスピンオフ(のれん分け)し、ニュー・スルザー・ディーゼル社 (New Sulzer Diesel, NSD) を設立。同社は1997年にフィンランドのバルチラ(ワルチラ、Wärtsilä) 社に吸収され、バルチラNSD(ワルチラNSD、Wärtsilä NSD) 社となった。同社は世界最大のディーゼルエンジンであるWärtsilä-Sulzer RTA96-C(コンテナ船などの大型船舶用)を製造したことで知られている。
トヨタ産業技術記念館には1898年スルザー社製の定置式蒸気機関が展示される[1]。
関連項目
- ディーゼルエンジン - ルドルフ・ディーゼル
- エッシャーウイス
- バルチラ
- MAN (企業)
- 国鉄DF50形ディーゼル機関車(0番台) - スルザー製エンジン(三菱重工業によるライセンス生産)を搭載するディーゼル機関車