ジグソーパズル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Xqbot (会話 | 投稿記録) による 2012年5月24日 (木) 20:24個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (r2.7.3) (ロボットによる 追加: gv:Keisht haaue jeeragh)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

『古城の秋』1000ピース(部分)ノイシュヴァンシュタイン城
ジグソーパズル製作中。『清水静岡名所交通鳥瞰図』954ピース

ジグソーパズルは、1枚の絵を、いくつかのピースと呼ばれる小片に分け、ばらばらにしたものを再び組み立てるというタイプのパズル

概要

各ピースは長方形に似た形ながら、各辺に円状の凸部または凹部があり、それにより隣のピースとかみ合うようになっている点が、ジグソーパズルに特有の特徴である。通常良く似た形のピースが複数存在するが、全く同じ形をしたピースは他にない。100ピース未満のものから10000ピースを超える大型のものもあるが、一般的には300~3000ピース程度のものが多い。小さいものは何度も組み立てて遊ばれるが、大型のものになると完成後、額(フレーム)に入れて観賞用にすることが多い。そのため、主要なメーカのパズルは、額のサイズに合うようにパズルの大きさが決まっている。

歴史

ジグソーパズルのジグソーとは、英語のjigsaw(糸鋸、いとのこ)のことであり、元々このパズルが木の板を糸鋸で切って作られたことからこの名がついた。1760年頃に、ロンドン地図職人で技師のジョン・スピルズベリが、子供の教育のためにピースが国の形のジグソーパズル(完成すると地図ができる)を作ったのが最初と考えられている。

材質

表面に木片が貼り付けられているピース

ピースの材料はが多いが、コルクでできたものもある(ガラスプラスチックなどもあるが一般的ではない)。

最近は、紙や木でできた物理的なものだけでなくコンピュータゲームもある。家庭用ゲーム機のソフトのほか、ウェブページに繋いでブラウザを使って遊ぶものがある。

形状

球形パズルを模したウィキペディアロゴ

平面的なパズルだけではなく、3Dパズル(立体パズル)と呼ばれる立体的なパズルもある。多くは、地球儀や月球儀などの球形パズルであるが、他にも、ビルや家、船のものがある。3Dパズルは、ピース数が少ないものの作成は難しい。

入手方法

日本の主なメーカーは、やのまんエポック社テンヨービバリーエンスカイ(天田印刷加工(株)より分社化。サンスター文具ブランドなどを含む)、アップルワンアポロ社(2011年8月1日付けでエポック社のグループ会社になった。)、キューティーズ毛塚合紙所の9社であり、玩具店や家電量販店、ホームセンターなどを中心に販売されている。さらに現在ではネット販売も盛んである。

過去にはボン(エポック社と合併)、セントラルホビー(エポック社に事業を譲渡。現在会社は存在しない)、サンバードコナミギャラリー・エルサンライク山勝サンーズはなやま青島文化教材社コマースビッグベンレッズなどもジグソーパズルを製造販売していたメーカーである。


アニメONE PIECEなどのキャラクターのジグソーパズルの大ヒットでエンスカイが近年の売上高トップであり、 ディズニーキャラクターのパズルや自分の顔写真を携帯カメラで撮影したものがパズルになるジガゾーパズルをヒットさせたテンヨーがそれに追随する形である。


また、日本で初めてジグソーパズルを輸入販売したとされるやのまんは球体のジグソーパズルに絵柄やキャラクターを印刷したものを独自に発売している。


アップルワンは光るジグソーパズルという畜光インクを使用して印刷された平面パズルを最初に発売したメーカーである。また、社名を連想(リンゴ+1)させるリンゴ型のピースが1個入っている商品もある。イラストレーターSYUのシリーズはロングセラーになりつつある。


ビバリーは通常のジグソーパズル以外ではディズニーものの、ラバースタンプ(はんこ)シリーズやクリスタルパズルというプラスチック成型品の立体もののパズルなども製造しており、通常の紙製ジグソーパズルとは一線を画し書店ほか独自の売り場も展開している。


アポロ社は通常のジグソーパズルはスヌーピーシリーズを中心に展開しているが、児童向けのピクチュアパズルというボード型パズルを書店流通を中心に大きく展開しており、その種類、販売数量においても業界一である。


毛塚合紙所は長年にわたりキャラクターものではない風景などを中心にロードステーションというブランドで商品を販売していたが、サンライクなどの廃業に伴いそのライセンス商品の販売を受け継ぐ形でハイジやムーミンなどのキャラクター物のパズルも販売している。


2009年に入ってからフィギュアメーカーのキューティーズがゴジラシリーズなどで参入したが、スーパーセンター等のパズル売り場ではアポロ社同様、1部をのぞきまだあまり見かけないものの、70年代ものの怪獣やゲームキャラものを中心としたマニア向けシリーズは既存他社の商品郡とは一線を画したアイテム選択が多い。これらのシリーズは新製品のリリースのスピードが早く、特にシャイニング・ハーツなどのシャイニングシリーズにおいては発売ごとに販売数量をのばしてきており、取り扱い実店舗が増加の傾向にある。


これまで現存する最も新しいジグソーパズルメーカーは前記のアップル・ワンであったが、営業開始後、既に20年以上が経過しており、 キューティーズのような新規参入は22年ぶりの事である。 またキューティーズのみ、商品点数が少ないためかカタログが出ていない。


アップルワン、アポロ社、エポック社、エンスカイ、毛塚合紙所、テンヨー、ビバリーの7メーカーでメーカー会を作りこの7メーカーの商品で4色カラーのチラシを作り玩具店などで配布している。やのまんは発足当初から当会のメンバーであったが、現在はメンバーから抜けている。


キューティーズに関してはチラシ協賛リストに社名がないため、おそらくメンバーではないと思われる。


また、既成のものを購入するだけでなく、写真を元にパズルを作成する会社に依頼して、自分だけの「オリジナルパズル」を入手することもできる。

その他

単色で構成された全く無地のパズルや、ガラス(前述)やアクリルプラスチックなどを使用した透明のパズルも存在し「クリスタルパズル」と呼ばれる。 通常のジグソーパズルは絵や写真などの色や模様を手がかりに組み立てるものであるが、無地の場合はピースの形状だけを手がかりに解くことになるため、通常のジグソーパズルよりも数段難解で忍耐力を必要とするため、過去に宇宙飛行士選抜試験にも出題された事がある。 このようなパズルで白一色のものは「ホワイトパズル」や「ミルクパズル」と呼ばれる。また、こぼれて水溜まりとなったミルクをデザインした完成後も不定形なホワイトパズルもある。

プラダー・ウィリー症候群(PWS)の患者は、一般人に比べてジグソーパズルを組むのが上手いという研究報告がある。形状・空間把握の能力に優れているためと考えられているが、詳しい原因は不明である。