シアン化ナトリウム
シアン化ナトリウム | |
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IUPAC名 | シアン化ナトリウム |
別名 | 青酸ナトリウム、青化ソーダ |
組成式 | NaCN |
式量 | 49.01 g/mol |
形状 | 無色結晶 |
CAS登録番号 | 143-33-9 |
密度と相 | 1.6 g/cm3, 固体 |
水への溶解度 | 48 g/100 mL (10 °C) |
融点 | 563 °C |
沸点 | 1496 °C |
出典 | ICSC |
シアン化ナトリウム(シアンかナトリウム、sodium cyanide)、あるいは青酸ナトリウム(せいさんナトリウム)は青酸ソーダ(せいさんソーダ)、青化ソーダとも呼ばれ、工業的に最も主要なシアン化アルカリである。
性質
化学的および生理的性質はシアン化カリウム(青酸カリ)に類似する。シアン化水素と水酸化ナトリウムの中和反応によって生成し、水溶液中ではシアン化物イオンとナトリウムイオンに電離する。
用途
鍍金ほか、工業的に広く用いられる。
毒性
脊椎動物がこの物質を摂取するとシアン化物イオンがヘモグロビンの鉄イオンに配位して細胞呼吸を阻害し、さらには細菌以上の動物ミトコンドリアのシトクロム酸化酵素 (COX) 複合体と結合・封鎖し、電子伝達系を阻害することでATP生産量を低下させ細胞死を引き起こすとされる。この点で植物ミトコンドリアはシアン耐性経路であるAOX酵素 (alternative oxidase) を備えるため耐性を持つ。
毒物及び劇物取締法で毒物に指定されている。経口致死量は成人の場合 200~300 mg/人 と推定されている。
亜硝酸アミルは、シアン化合物中毒を治療するために処方される。この薬品が気化しやすいことを利用して吸い込ませる方法が主にとられる。15秒おきに15秒間かがせることを、5回繰り返すことにより、シアンはメトヘモグロビンと結合しシアンメトヘモグロビンとなり無毒化される[1]。亜硝酸アミルは、ヘモグロビンをメトヘモグロビンに変えることによって、メトヘモグロビンがシアン化合物と結び付き、毒性のないシアノメトヘモグロビンを形成する[2]。詳細は、シアン化物#シアン化合物の解毒剤を参照のこと。
脚注
- ^ 亜硝酸アミル
- ^ Vale, J. A. (2001). “Cyanide Antidotes: from Amyl Nitrite to Hydroxocobalamin - Which Antidote is Best?”. Toxicology 168 (1): 37–38.
関連項目
外部リンク
- 安全衛生情報センター - 危険有害便覧 [1]、モデルMSDS [2]
- 日本中毒情報センター - 一般向けの「中毒情報データベース」青梅の項に、シアン化物中毒についての情報