サウジアラビア国家警備隊
サウジアラビア国家警備隊(アラビア語:الحرس الوطني السعودي、英語:Saudi Arabian National Guard、略称:SANG,別名:ホワイトアーミー)とはサウジアラビアに3つある準軍事組織の1つで国境警備や国内の治安維持に当たっている組織である。1963年以来、アブドゥッラー・ビン・アブドゥルアズィーズ(第6代国王)が司令官を務めていたが、2010年11月17日、アブドゥッラー国王の息子であるムタイブ・ビン・アブドゥッラー王子が司令官に就任した。
概要
主に王族の警護、クーデターなどの国家犯罪、重要施設や資源の保護、イスラム教の二大聖地であるマッカ(メッカ)のマスジド・ハラームと、マディーナ(メディナ)の預言者のモスクの警護を担当している。25,000人の民兵を含む125,000人からなる常設組織である。
彼らはサウジアラビアの伝統的な白い服装で活動していることからアメリカ軍からはホワイトアーミーと呼ばれている。
元々は1950年代にイフワーンと呼ばれていた民兵集団の生き残りから王家に忠誠を誓う者を選抜して作られた組織で、王室警備隊と並び、王家に対して直接、忠誠を誓う組織であり、その人事も国王の任命により行われ、王室の私兵組織としての一面も持っている。
1975年、アメリカの民間軍事会社Vinnell Corporation(en:Vinnell)の参加の下、国家警備隊の近代化プログラムが始まった。このために約1千人のアメリカ人教官が招聘され、国家警備隊は近代兵器と重火器を装備された。また、指揮官の養成のために、士官学校、ハリド国王軍事大学が開校された。その結果、1980年代初めまでに、国家警備隊は、4個混成大隊を有し、装備・練度において正規軍を上回るエリート部隊となった。
湾岸戦争ではクエートとの国境付近でイラク軍と交戦している。2011年にはアラブ騒乱で湾岸協力軍の中核としてバーレーンに派遣されている。
軍事組織としての役目だけでなく、王家直轄の施設の運営も行っており、スポーツ競技上やキングファアド国家警備隊病院を運営している。 国家警備隊病院は設備、診療内容ともにサウジアラビアのトップクラスと評価されており[1]王族に心疾患者が多いことから心臓外科に関しては特に高い水準を誇っており、心臓手術ができる空飛ぶ病院といわれる専用機の運用も行っている。
ジャナドリア祭などの文化事業を主催するなど軍事とは無関係の活動も幅広く行っている。
階級
- 兵士 Private (Arabic:جندي)
- 上等兵 First Class Private (Arabic:جندي أول)
- 伍長 Corporal (Arabic:عريف)
- 三等軍曹 Vice Sergeant (Arabic:وكيل رقيب)
- 二等軍曹 Sergeant (Arabic:رقيب)
- 一等軍曹 First Class Segeant (Arabic:رقيب أول)
- 曹長 Master Sergeant (Arabic:رئيس رقباء)
- 少尉 Lieutenant (Arabic:ملازم)
- 中尉 First Class Lieutenant (Arabic:ملازم أول)
- 大尉 Captain (Arabic:نقيب)
- 少佐 Major (Arabic:رائد)
- 中佐 Lieutenant Colonel (Arabic:مقدم)
- 大佐 Colonel (Arabic:عقيد)
- 上級大佐 Brigadier General (Arabic:عميد)
- 少将 General (Arabic:لواء)
- 中将 First Class General (Arabic:فريق)
- 大将 Field Marshal (Arabic:فريق أول)
- 元帥 First Class Field Marshal (Arabic:مشير)