クワガタソウ属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クワガタソウ属
Veronica officinalis
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : キク類 asterids
階級なし : シソ類 lamiids
: シソ目 Lamiales
: オオバコ科 Plantaginaceae
: クワガタソウ属 Veronica
学名
Veronica L.

クワガタソウ属Veronica)は、オオバコ科に含まれる属のひとつである。以前はゴマノハグサ科とされていた。

特徴[編集]

クワガタソウ属は、ゴマノハグサ科の多くが唇形花をつけるのに対して、大きく平らに広がった花冠をつけるのが特徴である。一見は深く裂けた4弁が放射相称になっているように見えるが、実際には左右相称であり、上側1弁はやや大きく、これに2脈が入っている。また下側1弁がやや小さいものも多い。は大きく4裂する。雄蘂は2個、花冠とほぼ同じ長さで、葯は2室。

一年草二年草または多年草で、は鋸歯のある単葉を、普通は対生する。花は単生か総状花序を作り、これがの先端に出るか、途中の葉腋に出る。果実は朔果で、扁平で先端がくぼむ。

名前の由来[編集]

学名のVeronicaは聖女ヴェロニカ (聖人)と同じ綴りであるが、この属は元々Vetto-nica(ベットニカ)であったものが変じてVeronicaとなったとみなされており、直接的な関連性はない。だが、花言葉は聖女にちなんだものがつけられている。例としては「誠実な女性」(英)、「献身」「聖なるもの」(仏)など。

分類[編集]

広く北半球に約300種がある。帰化植物を含め、日本では以下のような種が知られる。

道ばたの雑草[編集]

水湿地の雑草[編集]

山野の草花[編集]

旧ルリトラノオ属のもの[編集]

従来、オオバコ科ルリトラノオ属 Pseudolysimachion に分類されていた植物群は、最新の分子系統解析の結果、本属に包含された[1]。この場合、種の学名は、属名は Veronicaとなり、種小名、亜種名、変種名等は --um とある場合は、--a となる。

脚注[編集]

  1. ^ 大橋広好 (2017)「オオバコ科」『改訂新版 日本の野生植物 5』pp.82-83

参考文献[編集]

  • 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 5』、2017年、平凡社

外部リンク[編集]