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キモレステス目

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キモレステス目 Cimolesta
コピドドン Kopidodon macrognathus
保全状況評価
絶滅(化石
地質時代
白亜紀末期 - 中新世(?)
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
亜綱 : 獣亜綱 Theria
下綱 : 真獣下綱 Eutheria
上目 : ローラシア獣上目 Laurasiatheria
: キモレステス目 Cimolesta
McKenna, 1975
下位分類群

キモレステス目( - もく、Cimolesta)とは、哺乳類の絶滅したの一つ。永らく系統不明であったいくつかの目を束ねるクレードとして1975年マッケナおよびベルによって設定された[1]。キモレステス目は極めて体型、歯式、生態の多様性に富んだグループであった。ただ概して言うならば、齧歯目イタチオポッサムと表面的な類似が見られる。

概要

含まれる目(亜目)は以下の通り。

  • 汎歯類(Pantodonta) - を持った大型の草食動物。
  • Didelphodonta - 虫食性の小動物。これには、キモレステス目の代表的なであり、食肉目の祖先である可能性を持つキモレステス(Cimolestes)が含まれる。
  • 裂歯類Tillodonta) - 齧歯目に似た切歯を持ち、大型のものはクマ大に達した。[2][3]
  • 紐歯類Taeniodonta) - 大きな鉤爪、長い杭状の歯を持っていた。雑食性、草(根)食性。[2][3][1]
  • パントレステス類(Pantolesta) - 代表的な属、パントレステス属はイタチのような半水棲の肉食動物であった[2]。上図のコピドドンはパントレステス類に属する[1]
  • 幻獣類(Apatotheria) - 齧歯目ないし食虫目に似た、虫食性の動物。[1]

いずれも新生代の前半に栄えた。各グループに目の階級を与え、それらを束ねるクレードのキモレステス類には目から上目にかけての適当な階級を与える場合もある。

キモレステス目は野獣類[4]Ferae)に属し、そしておそらくは奇蹄目の姉妹群であった。

有鱗目(センザンコウ)、肉歯目食肉目など幾つかの分類群がキモレステス目の子孫だと考えられている。(有鱗目は、研究者によってはキモレステス目に含められることもある。)

歯と頭骨がパントレステス類と解剖学的に共通点を持つことから、所属の不明なであるPtolemaiidaeを、キモレステス目に入れる研究者もいる[5]。もしそれを認めるならば、キモレステス目は白亜紀後期から中新世初期まで生き延びたことになる(Ptolemaiidaeの最後のものであるKelbaは中新世初期に東アフリカで絶滅した)。

出典・脚注

  1. ^ a b c d 富田幸光著『絶滅哺乳類図鑑』丸善、2002年、ISBN 4-621-04943-7
  2. ^ a b c 岩槻邦男・馬渡峻輔(監修)、松井正文(編集)『脊椎動物の多様性と系統』裳華房、2006年、ISBN 4-7853-5830-0
  3. ^ a b エドウィン・H・コルバート他著『コルバート 脊椎動物の進化(原著第5版)』築地書館、2004年、ISBN 4-8067-1295-7
  4. ^ 脚注:野獣類 - 食肉目、有鱗目、†肉歯目を束ねるクレード。ローラシア獣上目#系統と分類の図も参照。
  5. ^ Ptolemaiida, a New Order of Mammalian-with Description of the Cranium of Ptolemaia grangeri