エリコンKCA 30 mm 機関砲

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エリコンKCA
種類 航空機関砲
原開発国 スイスの旗 スイス
諸元
重量 142 kg[1]
銃身 75口径長[1]

弾丸 30×173mm[1]
口径 30mm
銃砲身 1
作動方式 ガス圧作動リヴォルヴァーカノン[1]
発射速度 1,350発/分[1]
初速 1,030 m/s (3,400 ft/s)[1]
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エリコンKCA 30 mm 機関砲英語: Oerlikon KCA 30 mm autocannon)は、エリコン社が開発した30mm口径リヴォルヴァーカノン。当初は304-Rkと称されていた[2]

設計

第二次世界大戦の終結後、エリコン社はドイツ国マウザー社の設計陣の1人だったF・リンダー技師を迎えて、リヴォルヴァーカノンの開発に着手した[2]プロトタイプとして、20mm口径の204-Rk、20mm、25mmおよび30mm口径の251-Rk、そして30mm口径の301-Rkおよび302-Rkが製作されたのち、製品版として開発されたのが304-Rkであった[2]

上記の経緯もあり、本砲はマウザーMG 213の系譜に連なる設計を採用している[2]。シリンダは4つの薬室を有し、ガス圧により作動して、1,350発/分の発射速度を発揮できる[2]。マウザーMG 213の系譜に連なるリヴォルヴァーカノンとしては、本砲のほかにもフランスDEFA 550イギリスADENがあるが、これらはいずれも30×113mm弾を使用するのに対して、本砲ではより弾頭重量が重く初速が速い新開発の30×173mm弾を採用した[3]。この弾薬は、後にアメリカ合衆国で開発されたガトリング砲であるGAU-8チェーンガンであるブッシュマスター IIでも採用された[3]

実装

本砲は主に航空機関砲として用いられており、サーブ 37 ビゲンに搭載されたほか、1972年にはトーネード IDSへの搭載を検討するための試験が行われたが、こちらは落選した[2]。また1971年には、アメリカ空軍ヒューズ社によるライセンス生産版を発注し、GAU-9/Aとして制式番号を付与したものの、GAU-8の開発成功に伴って、こちらも採用には至らなかった[2]

脚注

出典

  1. ^ a b c d e f LEADERSHIP IN CANNON DESIGN”. 2022年11月4日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g Chinn 1987, pp. 431–442.
  3. ^ a b Hooton 1998.

参考文献

  • Chinn, George M. (1987), The Machine Gun: Development of Full Automatic Machine Gun Systems, High Rate of Fire Power Driven Cannon, and Automatic Grenade Launchers by the United States and her Allies, following World War II, Korean Police Action, and the Vietnam Conflict, V, Bureau of Ordnance, https://archive.org/details/TheMachineGunVolume5ByGeorgeMChinn 
  • Hooton, E.R., ed. (1998), Jane's Naval Weapons Systems (26th ed.), Jane's Information Group, NCID AA11235770 

関連項目