イデアの日

イデアの日
ジャンル	ロールプレイングゲーム
対応機種	スーパーファミコン
開発元	オフィス恒環
発売元	ショウエイシステム
人数	1人
メディア	16Mbitロムカセット
発売日	1994年3月18日
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『イデアの日』（イデアのひ）は、1994年 3月18日にショウエイシステムから発売されたスーパーファミコン用コンピュータRPG。

概要

漫画家・相原コージが原案・シナリオ・キャラクターデザイン、音楽をJ-WALK（現JAYWALK）の知久光康が手がけている。これはシグマから発売された『摩訶摩訶』と同じコンビである。パッケージ上のゲームタイトルロゴは、「日」の字の中央の横棒部分に重なって得体の知れない眼が一つ描いてあるというデザイン。

地球上の全世界で物語が展開する。全世界と言っても、中国からアフリカ等の西の大陸、およびオーストラリア大陸はゲームには一切登場しない（日本のフィールドマップを表現するにあたって、容量の関係上、日本の面積が世界の半分を占めることとなったため）。他に夢の中、地底世界、未来、深海等が舞台となる。

昼夜の概念があり、昼と夜とでゲーム内の状況が変化する（フィールド上において時間経過で昼夜が切り替わる）。説明書には各地区の気温等のグラフがあるが、ゲームでは降雨や降雪といった天候の変化がないのでこれといった意味はない。

言語、通貨等は統一されている。通貨単位は「マネー」（略称は「M」）。

なお、ショウエイシステムはファミリーコンピュータ・スーパーファミコン版の北斗の拳を開発していた事もあり、類似した演出が見られる。

主な出来事

世界中にウイルスが蔓延しあらゆる生物が異常進化をして、モンスターが闊歩しはじめた世界に、人類は頭を痛めていた。

登場人物

メインキャラクター

主人公（カメキチ・名前は自由に設定可）: 超能力を使えるが故に研究所で拘禁され続けていた。出身はナガサキの近く。生みの親と育ての親が違う。超能力を使え、レベルアップやイベントを通じて新しい超能力を覚えていく。「不幸すぎる」設定のためか、パラメータとしても運の良さがかなり低い。不愉快な攻撃をうけるとゲージが溜まり、特殊攻撃として全体攻撃を放てる。; 動物から好かれるという設定があり、各地でペットを持つことができる。
りんこ: 本編のヒロイン。フクシマの女子高生。優等生の姉と比べ続けられているが、実は天才児。隠し通路を発見したり、ワナのある宝箱が判別できる（解除はできない）。得意武器は弓。
雷岩（らいがん）: マツヤマの相撲取り。格闘技に出場したために、一度破門された。更なる高みを目指すため主人公に同行する。素手攻撃のほうが攻撃力が高い。体型のため、防具は一切装備できない。イベントで強化されるたびにグラフィックが変化する。方向音痴である。
ミコト: ハチオウジで除霊師をしている。特力を消費して霊能力を使うことができる。得意武器は日用雑貨。
ジャド: シカゴの義賊。鍵のかかったドアをこじ開けたり、宝箱のトラップを外したりできる。得意武器はナイフ。
Dr.ポー: 元は敵側の科学者であり、物語の冒頭から登場する。特力を消費して発明品を使うことができる。得意武器は銃。
トムトム: 謎のキャラクター。エンディングで素性が明かされる。北アメリカで発見しないと仲間になることはない。モンスターの使う技を使える。雷岩と同じく、防具を装備できない。

ペット

主人公のサポートキャラとして、ある条件で仲間になる「ペット」が存在する。ただし操作は出来ず、アイテムの所持や装備ができない。またレベルアップもしない。同行できるペットは1匹までで、仲間になる際に名前を設定できる（変更はできない。何も入力しないとデフォルト名になる）。

ハリネズミ（デフォルト名：ハリネズ）: ハチオウジにいる。仲間がいない序盤では頼もしい。
タヌキ（デフォルト名：タヌタヌ）: あるアイテムを数回与えるとペットにできる。戦闘の度に逃げだす。『かってにシロクマ』からの友情出演。
イノシシ（デフォルト名：ウリボウ）: 木こりに飼われている。かってにシロクマからの友情出演。
半魚人（デフォルト名：ハンギョ）: イベント後の密林内でペットにできる。; 同時複数攻撃や往復ビンタで敵を攻撃してくれる。火炎、冷気、電撃に弱い。
シロクマ（デフォルト名：シロ）: 攻撃、防御とも優れる。冷気には強いが、火炎には弱い。『かってにシロクマ』からの友情出演。
トリケラトプス（デフォルト名：トリケラ）: 攻撃、防御とも高い。炎には強く、冷気に弱い。
グィーガー（デフォルト名：グィーガ）: 二足歩行の生物。深海でも活動できる。
タヌキ（本当の姿）: タヌキが真の力を発揮した姿。攻撃・混乱攻撃・回復とペット中では最も行動手段が多い。

NPC

場合によっては、ゲストが戦闘に参加する事がある。ペット同様、操作は受け付けない。

りんこの姉: ゴールドイーターとの戦いで駆けつけてりんこの命を救う。
UTR-7X: Dr.ポーの単独イベントに同行する護衛ロボット。監視の役割もある。有害ガスを中和する事もできる。

その他の登場人物

ムナカタ

自称冒険家。何度も絶体絶命の危機に瀕するが、その度に主人公達に助けられる。お礼として重要なアイテムをくれる事が多い。集団行動よりも単独行動を好む。終盤では彼の本当の姿を知る事になる。

お嬢さん

雷岩のフィアンセ。親方の娘である。

親方

格闘技大会に参加した雷岩を一時破門する。

エバ

ジャドの恋人。ジャドが盗んだダイヤをデモクに奪われた後、刺されて息を引き取る。

ニコラ

Dr．ポーの息子。

生物進化を促すウイルスを研究していた。

ベルヌ博士

地底世界へ行きたがっている。

ネモ

潜水艦で南極へ来たが、洞窟奥で眠ったままとなっている。

ブリブリ

ハメハメ族の一員。ドレイ狩りに遭うが主人公達に助けられる。父親はキノコに精通している。

イデア

選ばれしもの達だけで理想郷を作ろうという「ノア計画」を推進している。彼女については行く先々で良い評判を聞く。

イデア四天王

イデアのノア計画に賛同・心酔し、主人公の前に立ちはだかる。全員例外なく、イデアを「イデア様」と呼び、最期は必ず「（自分の名前）! 死にます!」と言って絶命する。

デモク: イデア四天王の一人。Dr.ポーを騙し、地球の地軸を傾ける「チヂクカタムケール」を開発させる。濃縮ウランを奪うため潜水艦を襲撃して多くの犠牲を出したり、ジャドの恋人エバを殺しダイヤを強奪するなど悪辣非道（典型的な盲信者であり、目的のために手段を選ばない）。さらにDr.ポーの息子ニコラを陥れて殺害した張本人でもある。アトミック砲で主人公達を苦しめる。
エクアル: イデア四天王の一人。主人公の寝込みを襲う。後にイデアに改造を施されパワーアップする。
ピーズ: イデア四天王の一人。人の心を読む能力を持ち、単独で海軍を壊滅させた。攻撃が一切当たらないが、ある方法で勝つことができる。
ジャスティ: イデア四天王の一人。戦闘民族の出身で中でも心身ともに最強のエリートだったが、イデアと彼女の理想に心酔して島を離れた。正々堂々と戦う勇敢で屈強な誇り高き戦士である。

施設

役所: 看板は用紙とペンの絵。ゲームの記録を行う。アドバイスをしてくれる所もある。洞窟等にいることもある。
ホテル: 看板は「INN」。宿泊と休憩がある。; 宿泊は仲間・ペットの体力・特力が全快し、常に朝になる。; 休憩は仲間・ペットの体力・特力が最大の半分回復して、休憩時に昼なら夜に、夜なら朝になる。; 場所によっては、ベッドに入るだけで泊まれることもある。
デパート: 看板は「DP」。アイテムの購入と売却が可能。階の移動はエレベータのみ。; なおデパートに限らず、買い物をするとおまけをくれることがある。
病院: 看板は十字の絵。「入院」「治療」がある。; 「入院」はズタボロ（戦闘不能状態）を治療する。; 「治療」は毒の状態を治せる。
骨董屋: 看板はツボの絵。; 「鑑定」は無料でアイテムの鑑定ができる。さらに有料でアイテムの潜在能力を引き出せる。; 「取引」は武器等を買うことができる。
預かり所: 看板は緑色の鞄の絵。アイテム・仲間・ペットを預けられるが、マネー・主人公は預けられない。イベント後に手に入る「ポケベル」を使えば一部を除いてどこでも自由に出し入れができるようになる。

アイテム

アイテムは武器・盾、防具、消耗品に分かれる。各キャラ毎に16箇所のアイテム枠が存在する。アイテムの種類によって、1枠ごとの所持数の上限が異なる。例えば、武器、防具などは1枠で1個だけだが、赤チン、火炎ビンなどは9個まで、木矢などは99個まで所持することができる。

武器・盾

武器

凶器、弓、ホース、ナイフ、銃、ブーメラン、日用雑貨（おろしがねなど）等がある。キャラ毎に得意な武器が設定されている。武器によっては複数攻撃、後列攻撃、状態異常追加などの特殊効果がある。ただし弓や銃は、それぞれ矢や弾の装填が必要である。また、イベントアイテムは武器として使うことができる。

盾

種類は少ないが、いくつか存在する。戦闘中に選択することで、素手防御よりも高い防御力が得られる。

防具

防具は「頭」「首」「胴下」「胴上」「腰下」「腰上」「手」「足」に装備する。

消耗品

回復

赤チン: 体力回復。上位版に青チン、黒チンがある。
特力回復アイテム: キャラクター毎に専用のアイテムが設定されている。例えば主人公はトランキライザーで回復できる。
解毒剤: 毒、猛毒を治す。
神の黄金水: ズタボロから復活できる。
万能薬: 全ての状態異常を治し体力も回復する。
使いすてテント: ズタボロ、ゾンビ、毒などを回復し、更に体力、特力も全回復する。フィールドのみで使える。

攻撃用

火炎ビン、硫酸ビン、ダイナマイトなど。固定ダメージを与えられる。

その他

アノ本: 交換用アイテム。ある場所でアイテムと交換することができる。
金塊: 換金アイテム。ナガサキの骨董屋で買える。買値と売値が同じであり、全滅したときの所持金の減少を抑えられる。

システム

セーブ: セーブは役所で行える。セーブファイルは3つ。セーブファイル選択画面では主人公の名前・状態・プレイタイムが表示される。
着せ替え: 装備品毎に用意されたグラフィックで着せ替えが行える。特定の格好でフィールド上でもグラフィックが変わる。場所によっては服装の薄厚でダメージを受ける。また、服装がイベントに影響することがある。
ダッシュ: 街やダンジョン内ではダッシュができるが、体力を消費しながら移動する。そのため体力が少ない者がいるとダッシュは出来ない。
自動販売機: 街ごとに自動販売機があるが、買うたびに出てくるものが違う。値段は街ごとに固定。
鑑定: 特定の武器・防具・装備品を鑑定すると力を引き出すことができる。アイテム毎に第一の力・第二の力が設けられており、それぞれ費用と変化するアイテムが異なる。
選択肢: 「はい」「いいえ」の他に「う～ん」がある。「う～ん」を選ぶと大概は「はっきりせんかい!!」と言われるのみで、大きな意味はない。ただし、ハチオウジの霊能力者の場合、予言を聞くことができる。

戦闘

遭遇

フィールド: ランダムエンカウント方式。
ダンジョン: シンボルエンカウント方式。黒い影のシンボルに接触すると戦闘になる。倒すと消滅し、次にダンジョンを訪れるまで現れない。一度倒すと二度と現れない敵もいる。黒い影はそれぞれ異なる移動速度・パターンを持つ。

戦闘システム

戦闘はターン形式で行われる。なお制限時間のあるイベント中でも、戦闘中は時間経過しない。戦闘に参加できる人数は4人＋ペット1匹まで。敵の人数は最大5体まで登場して、3グループまで分かれる。前列、後列に分かれている事があり、後列の敵には遠距離攻撃（弓、銃など）が必要となる。

たたかう: キャラ毎にアイテム、特技を選択する。攻撃・防御するためにはアイテム欄からそれぞれ用途に応じたアイテムを選択する必要がある。
にげる: 逃走を図る。成功率は運のよさと素早さに影響され、失敗すると相手のみが行動する。
しんだふり: 1ターン死んだふりをして相手を油断させる。一人でも失敗したら敵の反撃を受ける。成功率は主に運の良さに影響されるが、主人公の運が極めて低いため滅多に成功しない。なお、ボス戦では必ず失敗する。

全滅時は所持金が半分になり、強制的に役所に戻される。

通常戦闘のBGMは複数用意されていて、ランダムで選択される。

ヘリコプター搭乗中にも戦闘が発生し、機銃で応戦する。現れるのは敵味方ともに１機のみ。ランダムで移動する敵を選択し、3回攻撃を当てると勝利してアイテムが1つ手に入る（経験値はもらえない）。逆にこちらが3回攻撃を受けると、その時点でゲームオーバーとなる。ダメージを受けるかどうかはランダムで決まる。潜水艦搭乗時も一度だけ戦闘が発生する。内容はヘリコプターと同じ。

ステータス

LV: キャラクターのレベル。
体力: 0になるとズタボロ（戦闘不能状態）になる。
特力: 特技を使うのに必要。キャラ毎に回復アイテムが違う。
攻撃力: 高いほど敵に与えるダメージが大きくなる。
防御力: 高いほど敵からのダメージを軽減する。
素早さ: 高いほど先手を取りやすい。
運の良さ: 高いほど状態異常になりにくく、回復がしやすい。その他、死んだふりや逃げるときの成功率にも影響する。

属性

H火炎ヒート: 火炎攻撃に関係する。この属性の敵は冷気に弱い場合が多い。
C冷気コールド: 冷気攻撃・凍結の耐性に関係する。この属性の敵は火炎に弱い場合が多い。
E電撃エレクトロ: 電撃攻撃・マヒの耐性に関係する。
M精神マインド: 精神攻撃に関係する。

状態

状態によっては、有利にも不利にもなるものがあり、顔グラフィックもそれらに応じて違いが用意されている。

げんき: 通常の状態。

有利になるもの

バリア（電磁）: 物理攻撃を無効化する。一定時間経過、または戦闘終了で解ける。
マクロ化: 巨大化。物理攻撃力が向上する。一定時間経過、戦闘終了で解ける。
バリア（念）: すべての攻撃を無効化する。一定時間経過、または戦闘終了で解ける。

不利になるもの

ズタボロ: HPが0になった状態。入院するか「神の黄金水」を使うと治る。
呪い: 攻撃力が半減する。戦闘後も継続する。除霊師に祓ってもらうか護符を利用することで回復する。
混乱: 命令を受け付けず、支離滅裂な行動に出る。
アク憑き: 悪霊に取り憑かれた状態。操作ができなくなり、敵に有利な行動をすることがある。
ゾンビ: アンデッドにズタボロにされるとゾンビになる。勿論、戦闘不能扱い。アイテムの受け渡し以外は何もできない。
睡眠: 何もできなくなる。一定時間経過、または戦闘終了で回復する。
毒: フィールドなら１歩毎、戦闘中なら毎ターン、HPが2減る。自然には治らず戦闘後も継続。アイテム等で治す。
猛毒: 毒の強烈版。HPの減りが10になっている。
凍結: 戦闘不能扱い。フィールドならしばらくすれば治るが、寒い場所ではその限りではない。火炎系の攻撃を受けても治る。
麻痺: 戦闘不能扱い。戦闘終了で回復する。
骨抜き: 攻撃力が半減する。万能薬でも治らない。主に女性系のモンスターが使ってくる。

有利にも不利にもなるもの

ミクロ化: 小型化。物理攻撃が当たりにくくなるが、攻撃力が低下する。一定時間経過、または戦闘終了で回復する。

乗り物

物語が進行するにつれ、乗り物が手に入る。一部を除いて戦闘は発生しない。

ンマ1号: 亀裂や橋を跳び越えて進むことができる。定員2名。
トラック: 密林を抜けることができる。後々地底探検車に改造される。
ヘリコプター: 修理、燃料補給により使えるようになる。平地のみ着陸可。
スノーモービル: 南極の亀裂を越えられる。
潜水艦: 地底の火山の山頂にある。

ノア計画

イデアが四天王を率いて人類滅亡を計画し、その後、選ばれし者たちを集めて理想郷を作ろうとする計画。

ウイルス散布: Dr.ポーの息子ニコラは生物進化を促すウイルスを研究していた。しかしイデアたちは、人類に最後のチャンスを与えるべくこれを強奪しウイルス散布を実行した。
チヂクカタムケール: 地球の地軸を傾けて、赤道の位置に南極を持ってきて氷を溶かし、海面上昇で陸地を沈める機械。Dr.ポーがデモクに騙されて作っていた。

製作方針

「パクリじゃないものなんて、この世にない!」 - 作者の発言どおり本作はドラゴンクエストシリーズ等からの影響がいくつか見られる。
「摩訶摩訶の製作での教訓」 - 摩訶摩訶ではバグの酷さで有名だったが、本作では改善されていて殆どバグはなく丁寧な作りである（アイテムを増殖するバグ技があるが、シャッフルバグほどではない）。ストーリーの繋がりはないが、本作にも二重底の宝箱があったり、施設、属性、アイテム等に共通点も多い。
「魔法エフェクトを凝って作っても、どうせ何度も見て飽きるから、そこは頑張らなくていい」
「人が転ぶのを見るのは可笑しいけど、転んでいる本人は可笑しくない」

概要