アップリケ
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アップリケ、アプリケ (仏: appliqué) とは、土台となる布の上に、別の布や皮などの小片を縫い留めたり、貼り付ける手芸を指す。また、そのようにして作った作品や模様。被服の袖に着けるアップリケはスリーブバッジとも呼ばれている。 機能優先のものから、美しくデザインされた装飾のものまで様々である。
アップリケの語源はラテン語の「貼る・付ける」という意味に由来する。日本ではドイツ語由来のワッペン(独: Wappen)ともいう。
概要
[編集]アップリケの歴史は古く古代エジプトの頃から、衣服の補強のために用いられていた手芸とされる。東ローマ帝国が栄える4世紀の頃になると、衣類や室内の装飾的意義を持って大いに応用され、中世以降は高度な技法へと発展し、ヨーロッパへ普及していった[1]。
また、アップリケは特定の団体・組織の徽章として用いられることがあり、その形は特徴的なものにされている場合が多い。主なデザインとしては紋章型がメインで、紋章学に倣って盾形が選ばれやすい[注 1]。
ヨーロッパのアップリケは日本には20世紀初頭には伝来していたが、それ以前から「切付け」「切嵌(きりばめ)」など同様の手法が存在し、和服への補強・装飾や布細工に施されていた[1]。また、アイヌの伝統衣装であるアットゥシでも、生地に別の布地を縫い付けることで独自の幾何学文様(アイヌ文様)を描く装飾技法が存在した[1]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 盾形は印象に残りやすいのが最大の利点でもあるため、認識のない人間が傍から見ても存在を理解できるようになっている。