びざん丸

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びざん丸
基本情報
船種 フェリー
船籍 日本の旗 日本(1983-1988)
ギリシャの旗 ギリシャ(1988-2002)
ヨルダンの旗 ヨルダン(2002-2011)
所有者 共同汽船(1983-1988)
Rethymniaki Naftiliaki Touristiki Eteria(1988-2000)
アネックラインズ英語版(2000-2002)
Arab Bridge Maritime(2002-2011)
運用者 共同汽船(1983-1988)
Cretan Ferries(1989-2000)
アネックラインズ英語版(2000-2002)
Arab Bridge Maritime(2002-2011)
建造所 高知重工(第2312番船)[1]
航行区域 限定沿海[1]
船級 JG[1]
IMO番号 8319081
改名 びざん丸(1983-1988)
ARKADI(1988-2002)
PELLA(2002-2011)
経歴
起工 1983年6月7日[1]
進水 1983年9月19日[1]
竣工 1983年11月30日[1]
就航 1983年12月
運航終了 1988年
最後 2011年11月7日、火災により沈没
要目
総トン数 4,097 トン[1]
載貨重量 2,426.57 トン[1]
排水量 6,374.22 トン[1]
全長 123.07 m[1]
垂線間長 111.20 m[1]
型幅 20.00 m[1]
型深さ 6.50/11.40 m[1]
満載喫水 4.917 m[1]
機関方式 ディーゼル
主機関 新潟-SEMT ピルスティク 6PC2-6/6L 2基[1]
推進器 4翼可変ピッチプロペラ 2軸[1]
最大出力 7,600 PS(連続)[1]
定格出力 6,460 PS(常用)[1]
最大速力 19.598 ノット[1]
航海速力 16.00 ノット[1]
航続距離 2,350海里[1]
旅客定員 700名[1]
乗組員 37名[1]
車両搭載数 8トントラック83台、4トントラック10台、乗用車26台[1]
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びざん丸(びざんまる)は、共同汽船が運航していたフェリー

概要[編集]

高知重工で建造され、1983年12月に大阪南港小松島港を結ぶ航路(小松島フェリー)に就航した。従来就航していたあきつ丸(2代)は、うらら丸の代船として徳島阪神フェリーへ転配された。

1985年大鳴門橋の開通、小松島線の廃止による利用客減少の影響を受け、1988年に引退した。本船の引退後は、うらら丸1993年の航路廃止まで運航された。

1988年ギリシャのCretan Ferriesに売却され、ARKADIとなり、1989年ピレウス - レシムノン航路に就航した。 2000年アネックラインズ英語版に移籍した。 2002年、Cretan Ferriesとアネックラインズの合併により、Arab Bridge Maritimeに売却され、PELLAとなり、アカバ - ヌウェイバ英語版航路に就航した。

2011年11月3日、アカバ沖を航行中に火災が発生、7日に沈没した。この事故により1名が死亡した。

設計[編集]

[2] 前船のあきつ丸(2代)よりやや大型化した。

船体はA甲板からD甲板の4層構造で、C甲板及びD甲板の2層すべてを車両甲板として、大幅な車両航送能力の向上が図られた。B甲板前方にエントランスを設け、案内所兼売店とゲームコーナー、一等船室への階段を配し、これより後方を二等船室と船尾側にドライバーズルーム、前方を船員居住区としている。A甲板は船橋の他、エントランス直上に一等船室を設置した。

二層の車両甲板への積載の効率化を図るため、D甲板の船尾ランプは8.0m幅とし、C甲板へは船首尾に設置した可動斜路によって搭載するが、C甲板船首側には岸壁側の可動橋によって直接車両が出入り可能となるよう、本船側に車路と観音開き式の隔壁扉を装備している(共同汽船特許出願中)[3]

船内設備[編集]

船室[編集]

  • 一等室 (A甲板) - フットレスト付リクライニングシート 50名
  • 二等室 (B甲板) - 和室(カーペット敷) 554名
  • ドライバーズルーム (B甲板) - 二段ベッド 72名、和室 24名、浴室
    近畿 - 徳島航路では初のドライバーズベッドを設置[4]

公室[編集]

  • 案内所兼売店
  • ゲームコーナー
  • 公衆電話ボックス
    すべてB甲板エントランスに配置
    供食設備は売店のほか、自動販売機のみである

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x 船の科学(1984年3月号,p10)
  2. ^ 世界の艦船 第332集 1984年2月号 PP.140-143 新造カーフェリー「びざん丸」について (来島どっく設計部)
  3. ^ 実際に使用されることはなかったが、このため一般的な跳ね上げ式のバウバイザーは設置されず、船首のランプドアが露出する形態となった
  4. ^ 世界の艦船 第332号 裏表紙広告 (共同汽船)

参考文献[編集]

  • 「新造船写真集(No.425)」『船の科学』第37巻第3号、船舶技術協会、1984年3月10日、10頁、ISSN 0387-0863NDLJP:32318612016年12月9日閲覧 

外部リンク[編集]