はやかぜ型巡視艇

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はやかぜ型巡視艇
基本情報
艦種 18メートル型CL
運用者  海上保安庁
就役期間 2022年 - 現在
要目
総トン数 19トン[1]
全長 18.0 m[1]
最大幅 4.3 m[1]
乗員 5名[2]
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はやかぜ型巡視艇は、海上保安庁巡視艇の船級。区分上はCL型、公称船型は18メートル型[1]。令和3年(2021年)度予算[注 1]で2隻が新規に建造された[2]

設計

本型は、基本的には20メートル型CLの全長を縮めて、総トン数を20トン未満に抑えたタイプとなっている[3]。海上保安庁では、20メートル型のひめぎく型を主力CLとして長く建造しているが、その総トン数は20トンを超えており、操船するためには海技士の資格が必要である[3]。これに対し、20総トン未満であれば小型船舶の操縦免許で操船可能であり、実質的に海上保安官であれば誰でも操船可能となるため、運用の幅が大きく拡大する[3]。ただし、CLは業務の拡大に伴って船型を拡大、高速化してきたという経緯もあり、今後は配属地の特性を勘案して20メートル型と本型の2本立てで整備が進められるものと見られている[3]

20メートル型と同様、拡声器サーチライト暗視装置、小型汎用クレーン、停船命令等表示装置といった艤装品は、本型でも一通り備えられている[3]。一方、レーダーは小型のタイプとされたほか、前甲板には消火栓が新設された[3][注 2]。ひめぎく型の後期の一部建造艇では甲板室後部が広くなり、感染症患者輸送用の隔離区画が設置可能となっているが、スペースの関係からか本型では省略された[2]

同型艇一覧

計画年度 番号 船名 造船所 就役 配備 解役 備考
令和3年度[2] CL11[2] はやかぜ[2] 墨田川造船[2] 2022年
3月24日[2]
東京[2]
(第三管区)
CL47はやかぜ代替[2][4]
CL12[2] おとつばき[2]
[注 3]
[2]
(第六管区)
CL43おとかぜ代替[2][5]
令和3年度
補正
CL13 しゃちかぜ 名古屋
(第四管区)
CL38しゃちかぜ代替予定
CL14 きくかぜ 神戸
(第五管区)
CL42きくかぜ代替予定

脚注

注釈

  1. ^ 令和3年度予算”. 海上保安庁 (2021年12月). 2022年6月23日閲覧。
  2. ^ 実船では、船首部には20メートル型と同様に可搬式ノズルが設置され、操舵室後部甲板上に備え付けられている可搬式ポンプからホースで接続される。
  3. ^ 船名の由来は、呉市所在の音戸の瀬戸(おんどのせと)の「おと」に、呉市の市花である「つばき」を組み合わせたもの[5]

出典

  1. ^ a b c d 船艇|海上保安庁”. www.kaiho.mlit.go.jp. 2022年6月22日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n 海人社 2022.
  3. ^ a b c d e f 海人社 2021.
  4. ^ 巡視艇「はやかぜ」解役”. 2022年6月23日閲覧。
  5. ^ a b "巡視艇おとつばき就役!" (PDF). www.kaiho.mlit.go.jp (Press release). 2022年6月22日閲覧

参考文献

  • 海人社(編)「29年振り!海保が新型巡視艇を建造」『世界の艦船』第945号、海人社、2021年4月、66頁。 
  • 海人社(編)「新型巡視艇「はやかぜ」型2隻揃って竣工!」『世界の艦船』第973号、海人社、2022年6月、64-65頁。