ごきげんよう

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ごきげんよう御機嫌好う)は、 日本語挨拶のひとつ。出会った時や別れの際に、相手の健康状態を伺う意味合いを込めて交わされる。

概要[編集]

元は京都宮中で発生した御所ことばで、女官が天皇皇后に会う際に、まず両者に対するご機嫌伺いから始まることから、「お揃いあそばされましてご機嫌よう」という挨拶が行われた。身分によっては「ご機嫌よう」ではなく「ご機嫌さんよう」と、より遜る必要があった[1]近代以降は主に山の手言葉として使われるようになったが、これは当時皇族や華族・上流階級の女子が多く学んでいた跡見女学校に淵源を発し、一般に広まっていったものといわれる[2]。1950年代頃には、様々な古い言葉遣いがなくなっていく中で、「ご機嫌よう」はまだ旧公家・華族の間で使用されていた[3]

21世紀の現在では死語となりつつあるが、学習院女子中・高等科[4]学習院女子大学[5]東洋英和女学院[6]関東国際高等学校聖心女子大学[7]桜の聖母学院中学校・高等学校[8]跡見学園女子大学大妻多摩中学高等学校などの一部の私立学校では挨拶として日常的に用いられている。

出典[編集]

  1. ^ 井之口 有一、堀井 令以知、中井 和子「尼門跡の言語環境について : 尼門跡の言語生活の調査研究 (II)」『西京大學學術報告. 人文』第10巻、1958年10月25日、5頁、NAID 110000412472 
  2. ^ 学校法人跡見学園 (2005年11月12日). “跡見学園-130年の伝統と創造 二 飛躍への助走―中学校高等学校” (PDF). p. 270. 2019年3月17日閲覧。
  3. ^ 井之口 有一、堀井 令以知、中井 和子「尼門跡の言語環境について : 尼門跡の言語生活の調査研究 (II)」『西京大學學術報告. 人文』第10巻、1958年10月25日、15頁、NAID 110000412472 
  4. ^ 大学通信 (2018年9月18日). “学習院女子中等科・高等科” (PDF). 東京圏 私立中高受験年鑑2019. 株式会社大学通信. 2019年3月17日閲覧。
  5. ^ GWC EXPRESS 編集委員会: “GWC EXPRESS 学習院戸山発 vol.2” (PDF). 学習院女子大学. pp. 3-4 (2013年7月27日). 2019年3月17日閲覧。
  6. ^ “朝ドラで注目度アップ…「お嬢様学校“四天王”」のいま”. 女性自身. (2014年6月4日). https://jisin.jp/domestic/1622368/ 2019年3月17日閲覧。 
  7. ^ “1位はフェリス女学院 あの大学の“お嬢さま度”ランキング”. 日刊ゲンダイDIGITAL: p. 2. (2016年10月17日). https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/161795/2 2019年3月17日閲覧。 
  8. ^ 桜の聖母学院中学校・高等学校. “学校生活【中学校】”. 2019年5月28日閲覧。

関連項目[編集]