GRACE (SONS OF ALL PUSSYSのアルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
GRACE
SONS OF ALL PUSSYSミニアルバム
リリース
録音 PARADISE STUDIO KOMAZAWA
HOUSE OF S.O.A.P.
ジャンル ロック
オルタナティヴ・ロック
時間
レーベル Danger Crue Records
プロデュース SONS OF ALL PUSSYS
Jack Danger
チャート最高順位
  • 週間23位(オリコン
  • 週間1位(オリコンインディーズ)
  • 登場回数4回(オリコン)
SONS OF ALL PUSSYS 年表
GRACE
2003年
gimme A guitar
2003年
テンプレートを表示

GRACE』(グレイス)は、日本のロックバンド、SONS OF ALL PUSSYSの1作目のミニアルバム2003年2月6日発売。発売元はDanger Crue Records

解説[編集]

KenL'Arc〜en〜Ciel)、Ein(ファッションモデル)、SakuraZIGZO、ex.L'Arc〜en〜Ciel)から成るスリーピースバンド、SONS OF ALL PUSSYSの初作品。

2002年8月9日札幌KRAPS HALLで開催してライヴ以降、数度ライヴを重ねた上で制作されたアルバムとなっている。Ken曰く、活動当初はスマッシング・パンプキンズジェフ・バックリィを意識した楽曲を制作しようとしていたといい[1]、本作では3曲目に収録された「A Song For You」や、4曲目に収録された「PRIVATE RELIGION」でその匂いを感じることができる[1]。ただ、Kenは「今となっては「GRACE」と「Every Second, I'm In ROMANCE」の方が、このバンドならではって思える。ライヴをこなして、感じた中で出来てきた曲だからね[1]」と本作発売時のインタビューで語っている。また、本作に収録された楽曲は、メンバーの持つ手癖を極力使わないようなアプローチで手掛けられている。これについて、Sakuraは「このバンドは手癖を否定されるところから始まったんだ。Kenが言っていたのは、手癖は手癖で美学としてあっていいけど、それで全てを済ませるべきではない。やったことのないアプローチに挑戦して、それすら手癖にしてしまえばいいじゃないかって、そういうことだったと思う[2]」「歌っている側とか弾いてる側、自分の曲をちゃんと構築したい側っていう風にいろんなサイドに立って見てみれば、手癖が曲の全体像を壊すことがあるから[2]」と述べている。

本作でKenは自身初となるメインボーカルを担当している。Kenは、自身がボーカルを務めることとなった経緯について、「曲として、俺が高校とか中学の時好きだった音楽の匂いが凄く欲しかったから、歌はとりあえずギリギリ一杯でないとって。しかもライヴとかレコーディングだけじゃなく、みんなで音出してる時はいつも目一杯歌い続ける人。それを想像したらもう、自分で歌おうかなと[1]」と述べている。自身がギターボーカルとなったことや同期音源を少なくしていることで、L'Arc〜en〜Cielの頃からギターのアプローチも変化したといい[1]、Kenは「自然にローコードが増えてきたり、同期モノがないから、ベースと歌との間を埋めていくような雰囲気のギターが増えてきてはいるね[1]」と語っている。さらに、本作でKenはL'Arc〜en〜Ciel在籍時から通じ、初めて作詞を行っている。この経験から新たな自分に気付いたといい、Kenは「自分の考え方が変わった。僕、昔は詞を書かない人だったじゃないですか。どこか、アレンジのパワーを信じてたんですよ。それが『GRACE』を作ってみて、あ、もしかして詞のパワーってあるのかも、と感じた[3]」「ギターを弾くとかアレンジをするのと同じぐらい詞をちゃんと理解して、自分のものにして唄いたい気持ちになりましたね[3]」と語っている。

本作は、初回限定盤(CD)、通常盤(CD)、さらにアナログ盤を含め3形態でリリースされた。初回限定盤は、完全限定紙ジャケ仕様となっており、10,000枚限定で販売された。通常盤は、音楽に加えてビデオクリップやマルチメディア作品を楽しむことができるエンハンスドCD仕様となっており、ボーナス映像「Bubble shot」が収録されている。また、アナログ盤はナンバリング仕様となっている。本作のジャケットデザインにはKenの写真が使われており、本作以降の2作品でもそれぞれのメンバーの写真が使われている。2002年8月に表立った活動を開始して以降、音源発売を待たれていたことから本作発売が話題を集め、発売初週のオリコン週間インディーズシングルチャートにおいて首位を記録している。

アルバムタイトルになった所謂リード曲で、1曲目に収録された「GRACE」はミュージック・ビデオが制作され、ミュージック・ビデオ集『ICHIBAN-BLOW』に収録されている。

収録曲[編集]

#タイトル作詞作曲時間
1.「GRACE」EinKen, Sakura
2.「Every Second, I'm In ROMANCE」KenKen
3.「A Song For You」KenKen
4.「PRIVATE RELIGION」KenKen
5.「S.O.A.P. YEAH! YEAH! YEAH!」Ken, Ein, SakuraKen, Ein, Sakura

参考文献[編集]

  • GiGS』、シンコー・ミュージック、2003年1月号
  • 音楽と人』、USEN(発行)、シンコー・ミュージック(発売)、2003年5月号

外部リンク[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f GiGS』、p.13、シンコー・ミュージック、2003年1月号
  2. ^ a b GiGS』、p.17、シンコー・ミュージック、2003年1月号
  3. ^ a b 『音楽と人』、p.63、USEN(発行)、シンコー・ミュージック(発売)、2003年5月号