2020年東京オリンピックのテニス競技・女子シングルス
2020年東京オリンピック テニス競技 女子シングルス | |||||||
会場 | 有明テニスの森公園 | ||||||
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開催日 | 7月24日 - 7月31日 | ||||||
参加選手数 | 35か国 64人 | ||||||
メダリスト | |||||||
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2020年東京オリンピックのテニス競技・女子シングルス(2020ねんとうきょうオリンピックのテニスきょうぎ じょしシングルス)は、2021年7月24日から7月31日まで開催された。
概要
新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、五輪史上初めて1年延期となり、2021年に開催された。テニス女子シングルスが採用されるのは14回目のことであった。
感染症への懸念などから欠場者も多く出た。ソフィア・ケニン、ビアンカ・アンドレースク、ビクトリア・アザレンカは、コロナ禍の状況を考慮して欠場することを選択。前回覇者のモニカ・プイグ(リハビリ)、銀メダルのアンジェリック・ケルバー(休養)らも辞退。コリ・ガウフとジョアンナ・コンタは出場予定だったが、感染症検査で陽性になったことで欠場を余儀なくされた。[1]
今回の大会は、1996年以来、ウィリアムズ姉妹が出場しない初めての大会となった。セリーナは詳しくは話さず辞退し[2]、ヴィーナスは世界ランキングから出場枠に入ることができなかった。
また、初めて女子シングルスにエジプト代表選手(マヤル・シェリフ)が出場した[3]。
元世界4位のキキ・ベルテンスは、この大会を最後として現役引退を表明した。シングルスは銀メダルを獲ることになるマルケタ・ボンドロウソバに1回戦で敗れ、キャリア最後の試合となったダブルスでは、2回戦でベロニカ・クデルメトバ/エレーナ・ベスニナに敗れた。
参加資格
各国内オリンピック委員会(NOC)は、最大4名の選手をエントリーすることができる。女子シングルスの予選は、主に2021年6月14日時点のWTAランキングリスト[4]によって行われる。追加の制限として、選手は2017年から2020年の間にビリー・ジーン・キング・カップ(旧フェドカップ)の3大会で自国のチームに所属していなければなならない(一部例外あり)。[5][6]女子シングルスの出場枠は64で、最初の56人は世界ランキングを通じて割り当てられた。大陸予選による出場枠(ランキング300位以内が条件)が6つあり、大陸大会による4つ(2019年パンアメリカン競技大会で2つ、2018年アジア競技大会で1つ、2019年アフリカ競技大会で1つ)と、大陸制限のある世界ランキングによる2つ(ヨーロッパとオセアニアでそれぞれ1つ、他に出場資格のある選手がいないNOCからの出場が条件)であった。大陸大会の4つの出場権は世界ランキングよりも優先されるため、対象者(王薔、ナディア・ポドロスカ、ベロニカ・セペデ・ロイグ、マヤル・シェリフ)は56人にカウントされない(ただし、1国あたりの4つの制限にはカウントされる)。[5]
開催国には1つの出場権が保証されている。日本が世界ランキングを通じて出場権を獲得した場合、開催国枠は使用されず、ランキングの57番目の選手が追加される。実際は、まず大坂なおみが世界ランキングで出場権を得たので使用されなかった。[5]また、日本からは大坂のほか、土居美咲と日比野菜緒もランキングにより出場権を獲得した。[7]
また、オリンピックやグランドスラムで優勝したことのある選手で、現在の世界ランキングで出場権を得ていない選手には、「キャリア・ワイルドカード」による出場権が与えられる。この選手は、オリンピックの金メダルまたはグランドスラムのシングルスで優勝した経験があり、ランキング上位300位以内で、まだ4人の選手を出場させていない国の選手であることが条件になっている。複数の選手がこれらの条件を満たしている場合、最も多くのタイトルを獲得している選手が出場権を得るが、それでも並ぶ場合は、最も高いランクの選手が権利を得る[5]。2011年全米オープンのシングルス優勝者であるサマンサ・ストーサーが、出場権を獲得した(ヴィーナス・ウィリアムズは、米国がすでに4名の選手を擁しているため対象外、前回優勝のモニカ・プイグは怪我のため辞退)。
シード
- 1. アシュリー・バーティ (AUS) (1回戦)
- 2. 大坂なおみ (JPN) (3回戦)
- 3. アリーナ・サバレンカ (BLR) (2回戦)
- 4. エリナ・スビトリナ (UKR) ( 銅メダル)
- 5. カロリナ・プリスコバ (CZE) (3回戦)
- 6. イガ・シフィオンテク (POL) (2回戦)
- 7. ガルビネ・ムグルサ (ESP) (準々決勝)
- 8. バルボラ・クレイチコバ (CZE) (3回戦)
結果
スイス代表のベリンダ・ベンチッチが、マルケタ・ボンドロウソバ(チェコ)を7-5, 2-6, 6-3で振りきり金メダルに輝いた[8]。テニス競技のシングルスで金メダルを獲得した2人目のスイス人プレーヤーとなった。これ以前には、マルク・ロセが1992年バルセロナ五輪の男子シングルスで成し遂げていた。勝因について、「どのようにしてうまくいったのか本当に分からないわ。私はとにかく自分を強く信じていたの」とベンチッチは振り返った[9]。ベンチッチはダブルスでも決勝に進出したが、ここでは敗れ、2冠はならなかった。
銀メダルのボンドロウソバは、3回戦で金メダル本命と見られていた大坂なおみを破っての勝ち上がり。決勝では友人でもあるベンチッチに敗れたが、「銀メダルを手にできるのでハッピーよ。悲しくはない」と話した。
銅メダルは、ウクライナ代表のエリナ・スビトリナ。3位決定戦でエレーナ・リバキナ(カザフスタン)を1-6 7-6(5) 6-4で倒してメダルを獲得した。スビトリナは五輪2週間前に同じくテニス選手のガエル・モンフィスと結婚したばかりで、これが''新婚旅行''になった。また、ウィンブルドンで2回戦敗退後にこの結果が出て、「これほど大きなバトルを制して銅メダルを獲得するのは、自分にとってすべてを意味する。」とコメントしている[10]。
脚注
- ^ “「東京オリンピック」に出場しない主な選手たち”. テニスデイリー. 2021年7月31日閲覧。
- ^ CNN, Wayne Sterling and Ben Morse. “Serena Williams confirms she will not play at 2020 Tokyo Olympics”. CNN. 2021年8月8日閲覧。
- ^ “Egypt's Mayar Sherif makes history as first female tennis player to qualify for Olympics in 2021”. Egypt Independent. 2021年7月31日閲覧。
- ^ “Women’s Tennis Scores | WTA Tennis” (英語). Women's Tennis Association. 2021年8月8日閲覧。
- ^ a b c d “QUALIFICATION SYSTEM – GAMES OF THE XXXII OLYMPIAD – TOKYO 2020”. 2021年7月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月2日閲覧。
- ^ “ELIGIBILITY FOR THE OLYMPIC TENNIS EVENT, TOKYO 2020”. 2021年8月2日閲覧。
- ^ “OLYMPIC TENNIS EVENT ENTRY LIST”. 2021年7月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月2日閲覧。
- ^ “女子シングルスはベンチッチがボンドルソバを倒して金メダルに輝く”. tennismagazine.jp. 2021年7月31日閲覧。
- ^ “フェデラーでもワウリンカでもなく、ベンチッチが東京オリンピックでスイスに金メダルをもたらす「自分を強く信じていた」”. テニスマガジン. 2021年8月2日閲覧。
- ^ “「ウクライナ全体にとっても特別なメダル」3位決定戦を制したスビトリーナ”. tennismagazine.jp. 2021年8月2日閲覧。
外部リンク
- テニス 競技紹介 - 東京2020オリンピック競技大会
- テニス スケジュール&結果 - 東京2020オリンピック競技大会