逆格子ベクトル

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逆格子ベクトル(ぎゃくこうしべくとる、Reciprocal lattice vector)とは、物性物理における問題、特に結晶構造の解析やバンド計算等に用いる数学的な概念の一つで、波数の概念の一般化である。

定義[編集]

構造を調べたい結晶の実空間における基本並進ベクトル(基本単位ベクトル)を {a1, a2, a3} とする。このとき、この結晶の逆格子空間での基本並進ベクトル(基本単位ベクトル、基本逆格子ベクトル、単に基本ベクトルとも言う){b1, b2, b3} は、以下のように定義される。

\begin{align}
& \mathbf{b}_1 = 2 \pi { \mathbf{a}_2 \times \mathbf{a}_3 \over { \mathbf{a}_1 \cdot ( \mathbf{a}_2 \times \mathbf{a}_3 ) } } \\
& \mathbf{b}_2 = 2 \pi { \mathbf{a}_3 \times \mathbf{a}_1 \over { \mathbf{a}_1 \cdot ( \mathbf{a}_2 \times \mathbf{a}_3 ) } } \\
& \mathbf{b}_3 = 2 \pi { \mathbf{a}_1 \times \mathbf{a}_2 \over { \mathbf{a}_1 \cdot ( \mathbf{a}_2 \times \mathbf{a}_3 ) } } \end{align}

ここで、・は内積、×は外積である。以上において、a, b には、直交関係:

 \mathbf{a}_i \cdot \mathbf{b}_j = 2 \pi \delta_{ij}

がある。{b1, b2, b3} と任意の整数の組 m = (m1, m2, m3) によって構成されるベクトル

 \mathbf{G}_\mathbf{m} = m_1 \mathbf{b}_1 + m_2 \mathbf{b}_2 + m_3 \mathbf{b}_3

逆格子ベクトルという。逆格子ベクトルGm で表現されるベクトルの終点((m1, m2, m3) で表される)の集まりが逆格子、そしてそのそれぞれの終点が逆格子点である。

性質[編集]

任意の実格子ベクトルRn と逆格子ベクトルGm には、

 \mathbf{G}_m \cdot \mathbf{R}_n = 2 \pi N_{mn}

という関係がある。ただしNmn は適当な整数である。

尚、基本並進ベクトルがつくる平行六面体(=単位胞)の体積は、

\begin{align}& \Omega = \mathbf{a}_1 \cdot (\mathbf{a}_2 \times \mathbf{a}_3) \\
& \Omega_\mathrm{G} = \mathbf{b}_1 \cdot (\mathbf{b}_2 \times \mathbf{b}_3) = {(2 \pi)^3 \over {\Omega} } \end{align}

となる。ここでΩ:実空間での単位胞の体積。ΩG:逆格子空間での単位胞の体積である。

関連記事[編集]