装甲騎兵ボトムズ ライトニングスラッシュ

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装甲騎兵ボトムズ ライトニングスラッシュ
ジャンル シューティングゲーム
対応機種 プレイステーション
開発元 タカラ
発売元 タカラ
人数 1人(vsモードは2人)
メディア CD-ROM
発売日 1999年3月18日
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装甲騎兵ボトムズ ライトニングスラッシュ』(そうこうきへいぼとむず らいとにんぐすらっしゅ)は、タカラ(現タカラトミー)が1999年3月18日に発売したプレイステーションソフト。

概要[編集]

サンライズテレビアニメ装甲騎兵ボトムズ』の家庭用ソフト第4弾だが、それまでのPSでの原作準拠の作品と異なり、家庭用ボトムズゲーム第一号のスーパーファミコンソフトの『ザ・バトリングロード』以来のオリジナルストーリー作風で、本作オリジナルのメカデザインは大河原邦男、キャラクターデザインも塩山紀生となった。

ゲームのシナリオライターは『勇者王ガオガイガーFINAL』の竹田裕一郎。原作の主人公であるキリコ・キュービィーの名前だけの出演や、TVシリーズとの微妙なリンク、OVA『ビッグバトル』のラダァ・ニーバもエクルビスを操縦している設定に加えて、『機甲猟兵メロウリンク』の登場キャラであるキーク・キャラダインも出演させるなど、ボトムズファン注目の要素もある。

通常版の他、初回限定版のアニメ放映当時玩具であるDM(デュアルモデル)の型一部変更商品同封のスラッシュドッグ付きのパーフェクトソルジャーBOXも発売された。

ゲームシステム[編集]

ゲームは、ゲームのストーリーを進めていくストーリーモード、プレイヤー(もしくはCPU)同士が対戦する対戦モードに分かれる。

ストーリーモードでは最初に名前登録をした後、アーマードトルーパー(AT)を手に入れ、バトリングの対戦カードを組み、そこで敵と対戦する。

アクションは3Dシューティングで、プレイヤーはATを操作し、射撃武器と、格闘武器の両方を使いこなしていく。ローラーダッシュといったAT独自の操作も再現されている。但し、ローラーダッシュには時間制限(走りつづけるとオーバーヒートし、PR液回復まで使用できなくなる)が付き、AT以外の敵とも対戦出来るなど、それ以前のPSソフトである『装甲騎兵ボトムズ外伝 青の騎士ベルゼルガ物語』と、『装甲騎兵ボトムズ ウド・クメン編』の要素を足して割ったような制約がある。

射撃武器は威力も命中率も低いが連発式のマシンガン系統と、誘導性もあり、威力も高いが、単発式のソリッドシューター系統の二つに分かれる。これにサブウェポンのボムやミサイルも入るが、こちらも弾数制限が付く。

格闘モードでは通常打撃の他、AT特有のアームパンチの他、強力なATが持つ格闘戦用のアイアンクローとパイルバンカーを装備させて使用することが出来る。但し、機体によっては装備できないものもあり、アームパンチとパイルバンカーはツヴァーク以外の機体には大抵装備出来るが、制限回数が付く(電磁コイルアームは、アームパンチは無制限)。アイアンクローは無制限で、ゲームの主人公機であるスラッシュドッグにはジャイアントスラッシュクローという特殊攻撃が出来る。尚、射撃武器は戦いで破壊される事もあるが、その時は修理費用もファイトマネーから引かれる。

購入したATを、同じく買ったり手に入れたパーツを組み合わせて改造してオリジナルのATにするというカスタマイズが『青の騎士』と同様に可能だが、機体コストや武器コストが前作よりも割高になっている他、全ての機体が購入できるのはゲーム後半であり、vsモード以外では特殊機体使用が出来ない面があり、更にストーリー進行も強制的に早められているので、青の騎士よりもゲームの自由度は減っている(カラー塗装だけは前作より細かくなっている)。

ストーリー[編集]

百年戦争末期。ギルガメス軍ハミルトン小隊は、惑星ミヨイテにおいて、小隊隊長であるティア・ハミルトンの突然の乱心による暴走によって味方が同士討ちに遭い、壊滅してしまう。

辛うじて生き残った兵士アズライト・フィックスは、百年戦争終結後、バトリングの世界に流れるが、そのバトリングの中で、かつて自分達が受けた小隊壊滅の原因に引き寄せられていく……。

登場キャラクター[編集]

主人公と仲間達[編集]

アズライト・フィックス (ゲーム開始時に名前を付けられる)
ゲーム主人公。元ギルガメス軍第23メルキア方面軍ギャランド機甲大隊第7中隊ハミルトン小隊の生き残りで、百年戦争終結前に小隊指揮官の暴走によって部隊は壊滅、その中から生き延び、指揮官であるティア・ハミルトンの暴走の真実を探ろうとするが、第三次銀河大戦終結によって除隊処分となり、ハミルトン小隊の存在も公式に消され、失意のままウドの街に来た時、マッチメーカーであるローブの誘いでバトリング世界へ足を運ぶ。
戦いを続ける中で、バトリングの強豪実力者として注目されていくが、かつての戦友と出会い、自身にも秘められた秘密と、恐るべき陰謀を知っていく。
オジャー・ローブ
ウドの街のマッチメーカーで、元AT乗りだったが、怪我が元で腕利きのマッチメーカーに転身した。元バララント人でもある。
普段は慎重な性格とはいえ、口調はやや荒っぽく、時にリスクの高い事にも参加するが、人情味があり、アズライトや仲間達を大切にする親分肌をもっているところが、身体に機械を埋め込まれているアズライトにとって自制と救いにもなった。
タネン・ボッタ
ローブのチームの太目のメカニックマンで、ATの整備と修理を手がけている。
人懐っこく、陽気な性格で、ローブとはAT乗りだった頃からの付き合いであり、スラッシュドッグの設計者。
パメラ・ビントン
通称パム。ローブチームの姉貴的存在で、ローブとタネンの身の回りの世話を焼いているマネージャー。
アズライトが闇バトルに参加するようになって、危険に晒される事もある。
ディノ・マクシマム
巨漢のAT乗りだが、その図体に似合わず、搭乗機はツヴァークである。終戦時に軍を炙れたところで、ローブにスカウトされた。
小鳥を可愛がる一面があり、無口でも心優しい男である。
ドク・マロー
眼鏡をかけた理知的なAT乗り。乗機はダイビングビートル。大戦中は諜報部に所属していたという噂もある。
フェン・マチューシィ
ローブチームの選手の一人。民族衣装を着込んだ気さくな人物だが、実はローブと同じバララント人であり、乗機はバララントらしくファッティーになっている。
ラ・ガロア
ローブのチームに所属するクエント人で、乗機はクエント人としてお決まりでもあるベルゼルガDT。バトリングの中から、何かを探し求めようとしている。
イーサ・シニカ
途中で仲間となるムードメーカーの少女AT乗り。常に工具を持ち歩いており、自機のブルーティッシュドッグには常人には理解できないセンスの塗装を施す。
チェイン・アルチニー
ライトスコープドッグに乗る少女AT乗り。頭脳明晰で運動センスも良いが、自分のマッチメーカーのギィラのやり方を嫌っており、正々堂々とアズライトと戦った後に仲間になる。
シグ・イヨール
途中で仲間になるAT乗り。腕前は確かだが、常に女を侍らせている問題児。スタンディングタートルに乗る。
リム・マチィラ
ボアの街で仲間になるスコープドッグTCに乗る女AT乗り。自機の提供者は元レッドショルダーだったと噂されている。
キース・リーベック
途中で仲間となるグランドファッティーに乗る腕利きAT乗り。プライドが高く、自分の誇りを傷つけるものは許さない。
カイチ・アクティノ
サンドライナーの操縦者で、途中で仲間になる少年。実戦未経験である。
ザキ・イ・オコーヘ
AH-74Sに乗るパイロット。途中で仲間になるお調子者。
ゼオ・サキム
腕のいい少年車乗り。ミサイルトラックで援護してくれる。
ダン・マツェーワ
豪放で親分肌の戦車乗り。アストラッドを操縦する。
ボルト・クライス
ニヒルなAT乗り。ある目的のために動いている。ブラッドサッカーを操縦。

ハミルトン小隊[編集]

ティア・ハミルトン
ハミルトン小隊隊長で、女性ながら優秀なAT乗りであり、小隊指揮官だったが、大戦末期に突然体が制御できなくなり、自分の部隊を無差別に攻撃し、壊滅させてしまう。
その真相は秘密結社によって、延髄にPS(パーフェクトソルジャー)に匹敵する戦闘力を持たされる為にナーヴコネクターを埋め込まれ、FS(フェイスフルソルジャー)の実験体にされたためであった。
現在はザ・コザでホワイトバイザーと名乗り、ガスティドッグに乗る。
ギャップ・グラフィット
アズライトと同じハミルトン小隊出身の若年兵士で、アズライトの兄貴分。
顔の左目部分に怪我があり、これはティアの暴走によって付いた傷である。アズライト同様、ティアの暴走の真実を知るためにバトリングの世界へと入っていく。
AT乗りの腕前は強豪クラスだが、実はティアやアズライトと同じく、ナーヴコネクターを体に埋め込まれており、簡易型PSのFSとなっていた。
ゲーム最終局面で、FS計画を止めるためにトライアルゴリラでアズライトと一騎討ちをする。

その他[編集]

モルグ
アズライトを闇バトルに誘った胡散臭い謎の人物。
その目的は不明だが、きな臭い影がちらついている。
ギィラ
惑星ベヌマにあるボアの街のマッチメーカー。強引で半ば悪事のようなやり口と、選手を道具としてしか思っていない事から、チェインはギィラの下にいるのを良く思っていない。
謎の男
ボアの街でアズライトに大金を出汁に、八百長バトルを持ちかけてくる男。依頼を裏切るとアズライトを闇討ちにしようとする。
バロック
惑星ザ・コザの管理者。
ローブチームにロング・ミッションに参加するように持ちかける。
バト
ザ・コザの酒場マスターのオカマで、白粉を顔に塗っている。
ミグ
ザ・コザの入植者の一人。ホワイトバイザーをつけ狙っている。
ナグ
ミグのパートナーの入植者AT乗り。ホワイトバイザーを仕留めようと狙っている。
ズック
見るからに怪しい情報屋を名乗る男。
ザ・コザでアズライトに付きまとう。
トガル
TVシリーズ第1話に登場したものの、それ以降本編には登場しなかった秘密結社幹部。
PSの簡易量産型であるFS計画を実行しようとした。
キーク・キャラダイン
『機甲猟兵メロウリンク』に登場したメルキア情報部中尉。
ローブ達を半ば脅迫する形で、FS計画の本山である惑星ファニーへと連れて行く。

登場メカ[編集]

本作オリジナルATの主役メカであるスラッシュドッグと最終ボスのトライアルゴリラや、『ザ・バトリングロード』のガスティドッグ、『赫奕たる異端』出演のバーグラリードッグをはじめ、様々なAT以外のメカも登場。vsモードではこういった機体を操作することも出来る。

AT[編集]

  • ATM-09-GSC スラッシュドッグ
  • ATM-09-ST スコープドッグ
  • ATM-09-STC ストロングバックス
  • ATM-09-SC パープルベアー
  • ATM-09-GC ブルーティッシュドッグ
  • ATM-09-RSC スコープドッグレッドショルダーカスタム
  • ATM-09-DD バーグラリードッグ
  • ATM-09-TC スコープドッグターボカスタム
  • ATM-09-LC スコープドッグライトカスタム
  • ATH-06-WP ダイビングビートル
  • ATH-Q64-WP ベルゼルガ 
  • ATH-Q63-DT ベルゼルガDT
  • ATH-14-ST スタンディングトータス
  • ATH-14-WP スタンディングタートル
  • ATH-14-WPC スナッピングタートル
  • B・ATM-03 ファッティー 
  • B・ATM-DT ファッティー陸戦型
  • B・ATH-XX エクルビス
  • X・ATH-P-RSC ブラッドサッカー
  • X・ATH-02 ストライクドッグ
  • X・ATH-02-DT ラビドリードッグ
  • X・ATH-11SA ガスティドッグ
  • X・ATH-X-HSW トライアルゴリラ
  • X・ATL-01-DT ツヴァーク

ビークル[編集]

  • サンドランナー
  • 自走ロケットランチャー
  • AH-74S
  • GMBT-208-II アストラッド

参考文献[編集]

  • 講談社 覇王ゲームスペシャル 『装甲騎兵ボトムズ ライトニングスラッシュ』完全攻略ガイド 1999年