海底六万哩

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
海底六万哩
20,000 Leagues Under the Sea
ポスター(1916)
監督 スチュアート・ペイトン
脚本 スチュアート・ペイトン
原作 ジュール・ヴェルヌ
製作 カール・レムリ
出演者 アレン・ホルバー
ジェーン・ゲイル英語版
撮影 ユージン・ガウディ
編集 E・ロイド・シェルドン
配給 アメリカ合衆国の旗 ユニバーサル・フィルム・マニュファクチュアリング・カンパニー
公開 アメリカ合衆国の旗 1916年12月24日
大日本帝国の旗 1918年
上映時間 105分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 サイレント(英語インタータイトル)
興行収入 800万ドル
テンプレートを表示
『海底六万哩』本編(1時間38分42秒)

海底六万哩』(かいていろくまんまいる、かいていろくまんり、20,000 Leagues Under the Sea)は、1916年に公開されたアメリカ合衆国SF映画サイレント。監督はスチュアート・ペイトン。原作はジュール・ヴェルヌの『海底二万里』だが、『神秘の島』の要素も加えられている[1]

2016年アメリカ議会図書館は「文化的、歴史的、審美的に重要」なものとして本作をアメリカ国立フィルム登録簿に保存した。

2009年有限会社フォワードは『海底6万マイル』と改題してDVDをリリースした。

あらすじ[編集]

"海の怪物"の調査のためにアメリカ海軍はエイブラハム・リンカーン号を派遣する。怪物の正体は潜水艦ノーチラス号だった。交戦の結果、乗船していたフランス人教授ピエール・アロナックス、その娘、銛打ちのネッド・ランドなど4人が海に投げ出される。4人はノーチラス号に救助されたが、ネモ船長の捕虜となる。

同じ頃、ボンド大尉たち北軍の斥候たちの乗った気球が風に流され、ノーチラス号の近くの神秘の島に不時着する。その島には野生児の娘がいた。

娘は実はネモ船長の生き別れの娘だった。インド王子だったネモ船長は、チャールズ・デンバーによって妻を殺され、娘を奪われた。デンバーは娘を島に置き去りにし、彼女は自然の中で成長したのだった。

そのデンバーが娘の様子を見にヨットで島に戻ってくる。ネモ船長は魚雷でデンバーのヨットを破壊し、復讐を果たす。ネモ船長は娘と再会を果たした直後、死ぬ。海底で葬儀が行われ、ノーチラス号は深海に沈められる。

キャスト[編集]

制作[編集]

この映画は水中で撮影された最初の映画である[2]。撮影はバハマのウィリアムソン・サブマリン・フィルム・コーポレーションが担当した[3]。しかし水中カメラは使用せず、防水チューブと鏡を使って、日光が差す浅い位置で演じられた水中シーンの鏡像を撮影した[4]

製作したユニバーサルだが、当時はユニバーサル・フィルム・マニュファクチュアリング・カンパニーという社名でまだメジャーではなかった。しかし、革新的な特殊技術、ロケーション撮影、大規模なセット、エキゾチックな衣装、帆船、航行可能なノーチラス号の実物大の甲板部などに惜しみなく金をつぎ込んだ[5]。製作期間は2年、製作費50万ドルかかった[3]。しかし、製作費が高すぎて利益をあげることはできなかった[1]

出典[編集]

  1. ^ a b 20,000 Leagues Under The Sea (1916): Synopsis by Hal Erikson”. 2020年3月30日閲覧。 All Movie Guide review; Review from Hal Erickson, "All Movie Guide".
  2. ^ Krista A. Thompson (February 22, 2007). An Eye for the Tropics: Tourism, Photography, and Framing the Caribbean Picturesque. Duke University Press. p. 161. ISBN 978-0-8223-8856-2. https://books.google.com/books?id=mWI8qR07eEEC&pg=PA161 2020年3月30日閲覧。 
  3. ^ a b Kinnard,Roy (1995). "Horror in Silent Films". McFarland and Company Inc. ISBN 0-7864-0036-6. Page 87.
  4. ^ Library of Congress, A Pioneer Under the Sea by Brian Taves.
  5. ^ Internet Archive: 20,000 Leagues Under The Sea (1916)”. 2007年5月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年3月30日閲覧。

外部リンク[編集]