日高造山運動

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日高造山運動により形成された日高山脈

日高造山運動(ひだかぞうざんうんどう、英語: Hidaka orogeny)とは、中生代末 - 新生代第三紀北海道中部に起こった造山運動である。アルプス造山運動の一環ともいわれる。

概要

北海道は千島弧東北日本弧の会合部にあり、白亜紀以降の日高造山運動によって形成されてきた[1]

日高造山運動は、アルプス山脈アンデス山脈ロッキー山脈と同時期に隆起して現在の「日高山脈」を形成した造山運動として知られる。褶曲変成作用深成岩貫入などがあった[2]

日高造山運動は、中生代ジュラ紀(1億5千万年前)に始まり新生代第三紀末(約150万年前)まで続いたといわれる造山運動であり[3]、造山運動の時期がアルプス造山運動に似ていたため、日本のアルプス造山運動とみなす学者もいる。

なお、日高山脈を構成する広域変成帯は「日高変成帯」であり[4]、山脈を構成する変成岩類は「日高変成岩」と呼ばれる[5]

プレートテクトニクス付加体説に基づく解釈では、形成前の日高山脈に相当する場所は北米プレートユーラシアプレートの境界に位置し、大西洋が拡大する過程でその反対側にある境界上でプレートの衝突が起きて山脈が生じたとされる[6][7]

脚注

  1. ^ 日高帯形成の背景, 日高造山運動と島弧会合部のテクトニクス”. 2021年5月3日閲覧。
  2. ^ 日高造山運動』 - コトバンク
  3. ^ アポイ岳の植生保護に関する現状”. 2021年5月3日閲覧。
  4. ^ 日高変成帯とは”. コトバンク. 2021年5月3日閲覧。
  5. ^ 日高変成岩とは”. コトバンク. 2021年5月3日閲覧。
  6. ^ (2)日高山脈 (PDF) - 平成26年度世界自然遺産候補地詳細調査検討業務報告書(環境省
  7. ^ 2. 衝突によって生まれた日高山脈とアポイ岳 - アポイジオパーク(サブテーマA:かんらん岩から大地の変動を学び楽しむ)

関連項目

外部リンク