幸福を呼ぶ小人

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幸福を呼ぶ小人(しあわせをよぶこびと)(原題:DROOPY LEPRECHAUN 公開:1958年7月4日)は、アメリカ合衆国の映画会社、メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)社に所属していたアニメーターのマイケル・ラーによる作品のひとつ。

スタッフ[編集]

監督 マイケル・ラー
制作総括 ウィリアム・ハンナ ジョセフ・バーベラ
アニメーション制作 ビル・シーペック ディック・ビッケンバック ジェームズ・エスカランテ カール・ヴィンチ ケン・サウスワース ルイス・マーシャル
脚本 ホーマー・ブライトマン
音楽 スコット・ブラッドリー
背景 フェルナンド・モンテアレグレ
レイアウト ディック・ビッケンバック エド・ベネディクト       

内容[編集]

旅の途中でアイルランドダブリン空港に立ち寄ったドルーピー。次の出発まで時間があるため「シレラグ(Shillelagh)城」なる地元の名所(架空)を見物することになった。途中の土産物屋で「幸福の小人(レプラコーン)」がかぶっていたという帽子を購入し、そのまま城へ向かうドルーピーだが、往路の街角で地元の金持ちのブルドッグ(スパイク)とすれ違う。彼は帽子をかぶっているドルーピーを小人と勘違いし、捕まえて金儲けをしようと企む。 ドルーピーを尾行したスパイクは城内でシレラグ城主であった公爵に扮し、ドルーピーと捕物を繰り広げるが、観光で来たドルーピーにとっては迷惑以外の何者でもない。間抜けなスパイクはドルーピーを捕まえることができず、逆にやられてしまう。逃げるドルーピーは空港まで追いかけられるが、間一髪で機内へ。スパイクはなおも後を追いかけるが保健所につかまってしまう。護送車の中で拘束され失望する彼に「全くついてませんね」と話しかけてきたのは何と本物の小人。これを見たスパイクは「とうとう見つかったぞ」と護送車の中で狂喜乱舞していた。

トムとジェリーなど数々の名作を送り出して一世を風靡したMGMのアニメーション制作部門は前年の1957年限りで閉鎖され、同社から公開された最後のドルーピー作品となった。
なお、人権侵害の恐れがある台詞があったため、あとから途中台詞シーンにカットが入る。

登場するキャラクター[編集]

  • ドルーピー
    今回は旅行者役。旅の途中でアイルランドに立ち寄る。幸福の小人に勘違いされひどい目にあってしまう。
  • スパイク(ブッチ?)
    金がなく、幸福の小人を見つけて金持ちになってやろうと企んでいる。間抜けなやられ役(磁石で引き寄せられた甲冑が当たったり、大砲の弾が腹部に当たったり、鉄の処女の針が刺さるなど)で、最後は保健所に捕まってしまう。なお、スパイクと言えば、原語版ではアイルランド訛りが特徴的なキャラクターであることから、本作品は彼を事実上の主人公にした作品であったと言える。
  • 土産物屋のおばさん
    ドルーピーに小人の帽子をかぶせ、気に入ったドルーピーはお金を渡してそのままシレラグ城へ、それが災難の元に。
  • 幸福の小人(Leprechaun)
    お金のないスパイクが捜し求めていたアイルランド伝説の妖精で、富をもたらすとされる。護送車の中で失望するスパイクの隣に現われ、最後は「ハッピーエンド」となる。

日本でのTV放映[編集]

TBS版の『トムとジェリー』の短編に挟まれて放映されていた。順番で時折放映された。原作のシネマスコープ版は配色に優れ、アイルランドらしさが垣間見られるものであったが、日本語版ではトリミングがなされ、画面の色に変更が加えられている。

関連事項[編集]