天国と地獄 (ヴァンゲリスのアルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
天国と地獄
Heaven And Hell
ヴァンゲリススタジオ・アルバム
リリース
録音 1975年9月
ジャンル ロック
シンセサイザー音楽
時間
レーベル RCAレコード
プロデュース ヴァンゲリス
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 31位(イギリス[1]
  • ヴァンゲリス アルバム 年表
    アース
    (1973)
    天国と地獄
    (1975)
    イグナチオ
    (1975)
    テンプレートを表示

    天国と地獄』(てんごくとじごく、Heaven And Hell)は、ヴァンゲリスのアルバム。

    収録曲[編集]

    1. 天国と地獄 パート1 - Heaven And Hell Part 1 (17:00)
    2. ソー・ロング・アゴー、ソー・クリアー - So Long Ago, So Clear (5:03)
    3. 天国と地獄 パート2 - Heaven And Hell Part 2 (21:14)
    • 日本語曲名及び収録時間は、日本国内盤(BVCM-37678)による。

    備考[編集]

    ドイツ再発売盤LP(PL 70009)の盤面には、分・秒数の詳細はないものの、次の細目が記載されている。その一部はベスト盤での抜粋収録時の曲名として使用されている。以下、日本語曲名は『白羊宮の巨星』の日本国内盤LP(RVP-6361)、分・秒数は1996年の英国ベスト盤CD『gift...』(74321 393372)等による。

    • Heaven and Hell Part 1
      • Bacchanale - バッカス祭 (4:39)
      • Symphony To The Powers B ※1
      • 2nd Movement
      • 3rd Movement (4:07)
    • So Long Ago, So Clear
    • Heaven and Hell Part 2
      • Intestinal Bat ※2
      • Needles & Bones (3:25)
      • 12 O'Clock (5:35) ※3
      • Aries - 白羊宮 (5:40) ※4
      • A Way (3:29)
    • ※1 The Powers とはキリスト神学における第6階級の天使「能天使」のこと。神の命により、天に背いた悪魔達を滅ぼす役目を持つが、悪魔と接する機会が多いため堕落しやすいとされる。
    • ※2 Intestinal とは「腸内に寄生する」という意味の形容詞。
    • ※3 ベスト盤では約5分35秒の曲として収録されるが、これは本アルバムにおける本来の「12 O'Clock相当楽章」の後半部分に当たる。前半部分(約3分12秒)を含めた約8分47秒が本来の「12 O'Clock」となる。
    • ※4 Ariesは西洋占星術の「白羊宮」、つまり牡羊座のことで、ヴァンゲリスの星座でもある。ベスト盤では約5分40秒の曲として収録されるが、これは本アルバムにおける後続曲である A Wayを含めて1曲として扱われるためである。前半部分(約2分11秒)のみが本来の「Aries」となる。

    概要[編集]

    パリからロンドンに拠点を移し、RCAレコードと契約して最初にリリースしたアルバム。
    古いフィルムスタジオを改装して開設した個人スタジオ"NEMO"で制作された初作品。
    「ソー・ロング・アゴー、ソー・クリアー」でイエスジョン・アンダーソンがボーカルで参加している。なお、この作品をリリースする前年(1974年)、ヴァンゲリスがリック・ウェイクマンの後任キーボード奏者としてイエスに加入するという報道がなされた[2]。諸々の事情から実現はしなかったが、この報道に加えて、ボーカルのジョン・アンダーソンが本作に参加した事もあって、イエスのファンにもヴァンゲリスの存在が知られる様になった[3]

    パート1の第3楽章(再生開始後12分49秒~)はカール・セーガン監修によるテレビ番組「コスモス」のオープニングに使用された。またパート2のAriesはNHK特集「スポーツドキュメント 江夏の21球」のオープニングならびにエンディングに使用された。

    脚注[編集]

    1. ^ VANGELIS | Artist | Official Charts - 「Albums」をクリックすれば表示される
    2. ^ 黒田史朗著「イエス」(音楽の友社刊)より。
    3. ^ 例:後に1990年のヴァンゲリスのアルバム『シティ』国内盤のライナーノーツを担当する事になった熊谷美広は、この当時イエスの大ファンだったが、この加入騒動までヴァンゲリスの名前を全く知らなかったと同ライナーノーツで述べている。