口頭弁論
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口頭弁論(こうとうべんろん)は、日本における民事訴訟手続において、双方の当事者または訴訟代理人が公開法廷における裁判官の面前で、争いのある訴訟物に対して意見や主張を述べ合って攻撃防御の弁論活動をする訴訟行為をいう。
目次 |
[編集] 概要
日本国憲法第82条により、判決で終局する争訟は口頭弁論を経なければならない(必要的口頭弁論)。ただし、決定で終結する事件は口頭弁論を開催するかどうかは裁判所の裁量(任意的口頭弁論)に任せられ、必ずしも口頭弁論は開かれない。
民事保全法などの事件においては双方に対等の機会を与える見地から、裁判官の面前での審尋がなされることは稀ではない。
口頭弁論においては準備書面を提出することが要求される。
口頭弁論期日だけの続行では審理が遅延するため、現在の民事訴訟法では、準備的口頭弁論、弁論準備手続、書面による準備手続を創設し、争点整理に活用することにした。弁論準備手続は旧民事訴訟法で明文条文がなく実施されていた弁論兼和解を正式の準備手続として明確にした手続である。
最高裁判所では民事訴訟法第319条や刑事訴訟法第408条により、上告を棄却する際には、弁論を経ないで棄却することができる。一方で、原審破棄をする場合は口頭弁論を開かなければならない。口頭弁論を経た上で上告を棄却することも可能だが、現在の最高裁判所は大量の上告案件を抱えており、小法廷では上告棄却をする際には口頭弁論を経ない手法を用いて、手間を減らす方針を取っている。
そのため、最高裁判所小法廷で口頭弁論を開くか開かないかで、判決の結果が事前に判明することになる(大法廷に回付される裁判は別である)。ただし例外として、原審の死刑判決の場合は上告棄却にせよ原審破棄にせよ口頭弁論を行う慣例となっている。これは慎重に審理して極刑を言い渡したとするためである。最高裁における口頭弁論なしでの死刑判決維持は1949年に発生した三鷹事件の裁判で竹内景助の上告を1960年に棄却したのを最後に行われていない(オウム真理教事件の麻原彰晃の最高裁審理は一審の死刑判決に対する控訴審において控訴趣意書を期限以内に提出しなかったことによる控訴打ち切りの是非に関する特別上告による最高裁審理のみであり、通常の最高裁への上告とは事情が異なる)。例外として1992年10月20日に発生した国立市主婦強盗殺人事件では無期懲役判決の上告では1999年に最高裁小法廷で口頭弁論が開かれるも、上告を棄却して無期懲役を確定した事例もある。
[編集] 口頭弁論の基本原則
[編集] 公開主義
- 定義
- 国民の傍聴し得る状態で審理・判決を行うという原則
- 趣旨
- 裁判の公正確保、国民の信頼確保
[編集] 双方審尋主義
- 定義
- 当事者の双方が、それぞれ主張を述べる機会を平等に保障されなければならないという建前
- 趣旨
[編集] 直接主義
- 定義
- 弁論・証拠調べが、判決を行う裁判官によって行われねばならないという建前
- 趣旨
- 弁論・証拠調べを直接見聞した裁判官の判決による、実体的真実発見
[編集] 口頭主義
- 定義
- 弁論・証拠調べを口頭で行うべきとする建前
- 趣旨
- 鮮烈な印象・適宜の釈明の機会の付与による、実体的真実発見。裁判官の心象形成
[編集] 継続審理主義
- 定義
- ある事件の弁論・証拠調べを継続的に行った後、ほかの事件の審理に移るという審理方式
- 趣旨
- 効率的かつ真実に合致した判決の実現